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第3話:最悪の帰り道
その日は、朝から気分が悪かった。というのも、授業中に先生にいちゃもんをつけられて、めちゃくちゃ腹が立っていたからだ。特に、わたしが言ったことに対して「そんなに大げさに言わなくてもいいでしょ」って言われたのが、すごくムカついた。だって、わたしが一生懸命言っていることを全然理解してくれないなんて、まるで馬鹿にされたみたいな気分になった。
「なんであんなに怒られなきゃいけないの!?ほんと最悪!」帰り道、つい声に出して愚痴ってしまった。
すると、そんな時に、後ろから足音が近づいてきた。振り返ると、そこにはなんと――広瀬先輩が歩いていた。
「えっ、まさか……帰り道、同じ方向?」わたしは思わず心の中で叫んだ。
どうしよう、最悪だ……!あのクールで冷たい広瀬先輩と、帰り道被る、絶対に嫌だ!わたしはなんとか気づかれないように、早歩きで先を行こうとした。でも、なんか歩く速度がぴったり合ってる気がする。うぇっ。
「え、なんでついてきてるの!?」と思ったけど、わたしも早足で歩くと、先輩もそのペースでついてくるだけ。
仕方ないから、ちょっと距離を取ろうと、わざとゆっくり歩いたりしてみたけど――先輩も同じように歩調を合わせてきて、全然離れない。
「あれ、絶対おかしいでしょ…?」わたしの心の中で疑問が渦巻く。
その時、突然先輩が一言、「家、同じ方向だよな?」と、ぽつりと言った。
「え、えぇ…?」わたしはびっくりして、思わず足を止めた。
「いや、まさか先輩も私と同じ方向とは思わなかったから、びっくりして……」わたしが言うと、広瀬先輩はほんの少しだけ、表情を変えて「ああ」とだけ言って、また歩き始めた。
その瞬間、わたしはさらに驚いた。
「え、これってもしかして…!?隣の家ってこと!?うそ…!?最悪!!!」頭の中で動揺が広がった。
だって、広瀬先輩が隣の家に住んでるなんて、全然予想していなかったから、驚きが大きかった。
でも、先輩はあまり感情を表に出さないから、ちょっともやもやした気分のまま歩き続けた。ちょっとだけ先輩に話しかけてみたくなったけど、きっとまた冷たくされるんじゃないかと思って、結局黙ったままだった。
二人で歩く道が少し長く感じた。自分でもどうしていいかわからない、なんだか気まずい空気が漂っている。
広瀬先輩が急に口を開いた。
「…家、近いんだな。」
その一言で、わたしの心臓がドキッとした。でも、なんだかそれ以上何か言う気になれず、ただ「はい…そ、そうですね…」としか返せなかった。
なんか、すごくモヤモヤするけど、この距離感、どうしたらいいんだろう…?てゆーかまじ最悪ぅ…。