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叶わないって思ってた
この話は1度納得いかず消した作品です。
ご本人様に一切関係ありません。
なんでもいい方のみどうぞ。
「ゆあんくんもいつか彼女出来るのかな」
本当に些細な事だった、はじまりはメンバーと流れ流れで恋愛話しをしていた時。
「ええ、俺?」
「でもゆあんくん引きこもりだしな〜」
「ちょっとのあさん、引きこもりは関係ないでしょ!」
合ってるけどと口をとんがらせるゆあんくんを横目にそうか、とも納得してしまった。
ゆあんくんももう20歳、逆に今まで恋愛していなかったのがおかしいのだ。
「好きな人いんの?」
「まあ…うーん」
「え!居るの!」
メンバーから質問されているゆあんくん、冷静に振舞っているけど俺には耳が赤くなっていることが分かっていた。
「なんかじゃっぴ静かだね、いつもだったら1番テンション上がってそうなのに」
「えー、そう?」
「うん、もしかしてお腹痛い?」
そりゃあそうだ、なんせ俺はゆあんくんが好きなのだから。
自分では分かっている、男同士でましてやメンバーと。
別に今の関係で良かったけど、いざゆあんくんに彼女が出来ると思ったら耐えられないだろう。
何年片思い拗らせてると思ってんだ。
「まあ、ゆあんくんに先越されるのは気に食わないなー」
「はぁ!?」
バレてしまわないように取り繕った、さっきの反応から見て好きな人居るんでしょ?
必死に抗議するゆあんくん。
やっぱり叶わない恋なんてするもんじゃなかった。
いっそ女々しく失恋ソングでも聞いてみるか?
案外ハマる曲もあるかもしれない。
心の中でも余計なことは考えないよう思考がぐるぐる、気持ち悪い。
「じゃぱさん、どうかした?」
「…ううん、何も無い!」
ベッドから起き上がる、小鳥が鳴いている…
なんてこともなく時間はちょうど昼頃だ。
「俺、もしかして泣いてた?」
目元の乾いた涙のあとを指で触る。
初めて寝てる時に泣いたかも、なんて思い当たることは1つしかないのに。
こんな時間に起きるなんて久しぶり、なんなら俺は朝起きるのが強い方だ。
下降りたくないな、自分で勝手に悲しくなってしまう。
原因は全て自分なのに。
諦めないとって頭では分かってるけど、それでも諦めきれない自分が居て大人気ない。
とりあえず昼食貰ってすぐ自室に戻ったらいい事だ。
「あ、じゃぱぱおはよう」
「おはようたっつん」
「今日起きるの遅かったけどなんかあったん?」
「いや、普通に寝坊した(笑」
「何してんねん!(笑」
「ごめんのあさん、昼食貰ってもいい?」
「ああ!そこにラップして置いてるよ!」
ありがとう、とのあさんに一言言う。
周りを見る限りここにゆあんくんは居ないみたいだ。
さっさと自室に戻ってしまおう。
「あれ、じゃぱぱ居ない?」
「ゆあんくんだ」
「おはよー!」
「ん、おはよ」
「じゃぱぱならさっき自室行っとったで」
体が重い。
おまけに心も重い。
何も出来ない。
「あぁ〜…」
目を拭きすぎて真っ赤だ、少しヒリヒリして痛い。
ゆあんくんに彼女なんて本当は嫌だ、絶対に嫌だ。
俺の方がゆあんくんのこと好きに決まってるし思ってるに決まってるんだから。
「最近あまりじゃっぴと会わないやー…」
「え、どぬちゃんもやっぱそうなの?」
「うん、なんでだろう?編集溜まってるのかな、そうだったら手伝いたいんだけど」
庭を散歩してたらばったり会って、どぬちゃんがいつも使っている稽古場の廊下に2人して腰をかける。
なにも、最近じゃぱぱに会っていないのだ。
ご飯を取りに来たりしているのは見るから全く、という訳でもないが何かあるのだろうか?
わざわざ部屋に押しかけるのも返って迷惑かもしれない。
「んー、そっとしとくのが1番かな〜?」
「…」
「ゆあんくん?」
「あ、いや…少し寂しいなって」
「えぇ!!あのゆあんくんが珍しい!」
珍しいってなんだよ、俺だってそりゃあ仲の良かった人とずっと話さなかったら寂しくなるもんだ。
それに…じゃぱぱだし。
「あー、もう調子狂う」
「だったら会いに行ってみたら?」
…来てしまった。
どうしよう、怖いほど部屋が静かだ。
死んでるとか流石にないよな?
いいのかな、ノックしちゃってもいいのかな。
いつもだったらノックもせずに部屋に乱入することなんて多々あるが変な緊張感で躊躇ってしまう。
「あ」
ちょうど部屋から出ようとしたじゃぱぱと鉢合わせた。
「…」
「部屋、入ってもいい?」
「…うん、いいけど」
少し気を使わせてしまったかもしれない。
「いや、暗っ!?」
唯一の光はPCから漏れているライトだけ。
「あ、ごめん」
ハッとしたようにじゃぱぱがカーテンを開いた。
眩しいのか、目を細めている。
2人してじゃぱぱのベッドに腰をかけた、柄にもなく俺の背筋はのびている。
「それで、どうしたの?」
「えっと」
「…」
「最近、喋ってないなって。 仕事とか溜まってんなら俺全然手伝う…し」
胸が張り裂けそうだった。
「あぁ、ごめんもう少し時間くれたら大丈夫だから」
「でも」
「大丈夫だよ、ありがとう」
じゃぱぱのもう少しの意味がよく分からない、その仕事は俺が手伝えないものなの?
困り眉で笑ったじゃぱぱは俺の思考を置いてけぼりにしながら立ち上がる。
「ほら、もうすぐ夜ご飯だよ。俺は後からすぐ行くからゆあんくんは先行っときな」
「…本当大丈夫?」
「大丈夫だって、ね?」
全然大丈夫じゃないに決まってる、でも俺にはその事を詳しく聞ける勇気はなくて大人しくリビングへと向かった。
「シヴァさ〜ん、これ運んでいいやつ?」
「あ、先にコップ運んで欲しい!」
「りょうかーい」
リビングにつくとなおきりさん、シヴァさん、もふくん、えとさんが居た。
少し早く来すぎてしまったかもしれない。
「ゆあんくんじゃん」
「手伝えるのある?」
「えーっとね、じゃあ配分して欲しい」
シヴァさんから調理用箸を受け取ると俺はサラダを11分に分けた。
「…はい、シヴァさん出来たよ」
「ありがとー!助かるわ」
もふくんとなおきりさんは他のメンバーを呼んでくるらしい、俺とえとさんは先に椅子へ座った。
「はぁ」
「柄にもなくため息してんね」
「俺だってため息ぐらいするよ」
ふ〜んなんて呑気に返事をするえとさん、不本意だが少しでもいいから今はその感性を貰いたい、と思ってしまった。
「まぁ…善は急げ、だよゆあんくん」
「…はぁ?」
「ほら、ご飯食べよ食べよ!」
うまく話を逸らされたきがする、そんな話をしているうちにメンバーが集まった。
「あれ、じゃぱぱさんはー?」
「今日も無理だって」
「大丈夫かな?」
「うーん」
「私、後でご飯持ってっとくよ」
のあさんが答える。あいつ、後ですぐ来るって言ったのに。
「俺も行く」
「え、ゆあんくんも?」
「うん」
分かった、あとで行こっかとのあさんが席を立つとじゃぱぱの分の料理をおぼんに乗せた。
「じゃぱぱさーん!ご飯持ってきましたよ!」
のあさんと共に階段をあがってじゃぱぱの部屋をたずねる。
部屋は先程と同じくしーんと静まっていて、まるで誰も居ないようだった。
「ごめん、ドアの前に置いといてくれる?」
蚊細くじゃぱぱの声が聞こえる。
のあさんが体調は大丈夫かと心配していたが聞かれていたのか、じゃぱぱに大丈夫だと返されたので大人しく二人で階段を降りた。
「あ、2人ともありがとー!」
「どぬじゃん、稽古は終わったの?」
うん!と元気よく返事するどぬがじゃぱぱと少し重なる。
「…」
「ゆあんくん?」
のあさんに顔を覗かれる。
2人が心配そうな目でこちらを見てきた、俺は何とも言えなくなってどうにかこの場から離れる言い訳を考える。
「あ!あぁ!いや〜…えーと…ごめん、俺用事思い出したから部屋先に戻る」
不思議そうな顔をした2人に見送られながら俺は部屋に戻った。
チクタクチクタク
のあさんとどぬに別れを告げ部屋に戻ったはいいものの、時計の音がやけにうるさく感じる。
俺は一体どうしたんだ、何がこんなに不安なんだ。
「あーも〜〜!!」
答えが見つからない問に腹が立つ。
「じゃぱぱもなんだよ!明らかに元気ねぇし…とか思えば大丈夫とか言うしさあ!」
明らかに大丈夫ではない返事だったが。
「ゲームしよ…」
こんな時はゲームに限るだろ!
色々考えても仕方がない、一人でやるのもつまんないし誰か誘おっかな。
discord画面を開くと見覚えのあるアイコンから9周年記念の通知が来ていた。
「あ」
もうじゃぱぱと会って9年も経つんだ、もしかしてじゃぱぱも今日がその日って知ってたりするのかな?
無意識に手が動いてじゃぱぱとのdiscord画面を開く。
「…やっぱやめとこ」
体調が悪いようだし、かえって今連絡するのはじゃぱぱにとって迷惑だろう。
のあさん たっつん シヴァさん どぬ ヒロくん もふくん
全員(じゃぱぱを除く)に聞いてみたけれど揃って用事があるとのこと。
はあ?そんな事ってある?
とか言って1人で虚しくするのもなー…
あいつなら、もしかしたら。
ドアを軽く叩く
「じゃぱぱ〜?今って大丈夫?」
返事はない、やっぱりまだダメだったのだろうか。
「はーい!ゆあんくんどうしたの?」
え
「え、ってせっかく出てきてやったのに失礼な」
体調は悪くなかったの?
「あ、あぁ体調?…うん、大人しく寝てたらよくなったよ、心配かけてごめん(笑」
「まあ、体調が良くなったなら良かったけどさ…」
嘘、全然良くない。
昨日も今日も、ずっとゴミ袋と睨めっこ。
トイレだとみんなと鉢合わせしちゃうしね。
みっともなくて仕方がない。ゆあんくん俺に何か用事でもあったのかな?って言ってもすぐ自分の部屋に戻っちゃったしそれはないか…
数時間後
「ちょっと出かけに行ってくる」
「ゆあんくんが朝から出かけるなんて珍しい」
「貶してる?」
「貶してねーわ、行ってらっしゃい(笑」
うりから上着を貰って家を出る。
元々、出かけるのが好きって訳じゃないけど今回は特別。
あまり袖を通さない上着に腕を通して指輪なんてつけちゃったりする。
「何?オシャレ担当にジョブチェンジすんの?渡さねーよ?」
「しねぇわ!(笑」
「てかお前がオシャレ担当とか初耳なんだけど」
外に出てみると思ったより寒かった、厚めの上着で着てきて良かったな。
慣れないマップと見つめ合う。
「こっちであってたっけな」
よく言う俺もからぴちの中じゃ迷子になりやすい方だ、こんな時のあさんやたっつんの存在が大きく感じる。
ああ、誰かに頼りたい…頼れないんだけどね。
なんで俺こんな必死になってんだっけ。
計画性もないし今なんてほぼ手ぶらだ。
まあ必死になるもないも矢先はあいつだろう。
暗い部屋で無理して笑う緑色の目。
スマホの画面に表示された店を見る。
「よし」
ここに来た理由は1つ、今日は俺とあいつのまぁ…出会って9周年みたいな。
日頃の感謝も込めて何か送ろうとか、そんな綺麗な理由じゃないけれど。
足を運びながら思い出す、じゃぱぱと初めて会った日の事。
初めて一緒にゲームした事。
多分、あの時からずっと俺は。
「長いなぁ〜笑」
思わず笑ってしまった、よくもまあずっと仲が良かったもんだ。
…勿論、今もだけど!!!!
信号が青になる、朝だからか通勤の人が多かった。
「いらっしゃいませ」
普段は来ないような店だから緊張するな…
中は白と黒を中心としたオシャレなお店だった。
何がいいか探している時、並んでる指輪を見て少し心臓が跳ねる。
「…別に、深い意味じゃないし」
指輪…はもうあるしなぁ〜…
じっくりとどれがじゃぱぱに似合うか見定め、やっと決めた。
「これ、下さい」
指差したのはシンプルなシルバーネックレス。
じゃぱぱがつけても違和感のないようなアクセサリーだ。
「プレゼントでお願いします」
「ご友人へですか?」
「あー…まぁ、はい」
店員さんが少しはにかんで丁寧にラッピングをする。
ありがとうございました、という声を聞きながら店から出る。
「ちゃんと渡せるかな」
浮き足で寒い手を擦りながら俺はシェアハウスへと帰った。
「ゆあんくん?おかえり〜どこ行ってたの?」
「ちょっとね」
家に帰るないなや、なおきりさんが出迎えてくれた。
どうやらココアをたれているようだ。そしてその隣に座っていたのが
「ゆあんくん」
じゃぱぱがココアを一口啜りながらこちらを見る。
元気になったようで良かったがなにかパッとしないようなモヤモヤするような。
「…」
「ゆあんくんもココア飲みます?」
なおきりさんが先程たれた追加のココアを持ってきてくれた。
「あ、じゃあ…うん、貰おっかな」
じゃぱぱの隣に座るのも今はなんかむず痒くてなおきりさんの隣に腰をかけた。
「おいし」
「そりゃあ僕が作ったからね!」
ふふん、と高く鼻をならすなお兄に笑う。
「じゃぱぱさんも!ココア美味しいですか?」
「うん、美味しいよ」
「良かったー!」
冷たい手がココアで温まる、上着をソファにかけた。
「ゆあんくんオシャレな紙袋持ってどうしたの?」
なおきりさんがたずねる、指さしたのは先程買ったネックレスが入っている紙袋。
「あーっと」
本人がいる前で言うのもなあ…
「……」
「ゆあんくんまさか彼女にプレゼントでも買ったんでしょ〜?(笑」
ませてんなー、とじゃぱぱが笑った。
思わず手に持ったコップを掴む力が強まる。
「え、ゆあんくん彼女さんにプレゼントするの!?」
「えっ、その」
「ラブラブじゃん、何かの記念日とか?」
本当は認めたくない、けどこうやって取り繕わないと俺が耐えられなかった。
無意識に、俺はゆあんくんの1番なんだって思っていた。
何をやるにしても一生懸命俺の後ろについて名前を呼んでくれるゆあんくんが、俺の全く知らない人と付き合ってるなんて。
…なんだ、もう付き合ってたのかよ。
一丁前におしゃれしてプレゼントなんか買ってきちゃってさ。
「…」
真っ赤な目が泳ぐ。綺麗な黒髪が揺れる。
いつか来るとは思っていたし、自分でも彼女作んないのかなって思っていた時はあった。
でも、どこか、必ず最後には自分の元へ戻ってきてくれるって確信していたんだ。
「あー、もう…」
「本当はもうちょっと…ちゃんとして渡したかったけど」
ゆあんくんにあの紙袋が差し出された。
え?
「彼女さんにじゃないの、これ…」
気づいたら口から出ていた。
いきなりのこと過ぎて頭の処理が追いつかない。
ゆあんくんが俺に?この紙袋を?
「…なんで彼女に渡すんだよ」
「だって、前ゆあんくんが」
「別に、俺彼女居ねえし。てか居るとも言ってないし」
「でもなんで」
「じゃぱぱに」
被せるように言われる。
「じゃぱぱに、渡したかったんだよ。」
「え?」
「その…あ〜……記念日、的な?」
「俺も通知来るまで気づかなかったんだけど、出会って9周年みたいなさ」
「っていうのも確かだけど本当、は…」
「……本当は、じゃぱぱが好きだから」
上手く言葉が出ない、喉に突っかかって言おうとも言えない。
喉からしゃっくりが込み上げてくる。
「え、いや…だってゆあんくんは!」
「変に勘違いされんのとか嫌だったし」
「はあ〜…なんでもっと早く気づかなかったんだろ」
「お前、俺の事避けてた?」
「…別に」
嘘だ、ゆあんくんの目がこちらをじっと見つめてくる。
だって好きな人に情けない姿なんて見せたくないじゃん。
「本当?」
「本当だから、俺はずっと」
「じゃぱぱが好きだって言ってんの」
目からじわじわ涙が込み上げて、ああみっともない。
こんな姿見せたくなんてなかったのに。
「俺も、ゆあんくんがすきぃ…っ」
叶わないと思ってた、凄いみっともなくて恥ずかしいけど今までで一番嬉しくて。
「こんな気持ち、ゆあんくんの迷惑になると思って隠してたけど。ゆあんくんに彼女が出来たって思っちゃって…」
「別に居ないし」
「諦めてたつもりだったんだけど、どうしても悲しくってぇ…」
「俺が好きなのはじゃぱぱだけだよ」
「気持ち悪いって思われるのも怖くて」
「だから、逃げてた」
目元と鼻は真っ赤っかでリーダーなんて到底言えない。
それでもゆあんくんは優しく俺を見つめてくるから余計涙がでてくる。
「一人で結論出すなよ、じゃぱぱの悪い癖出てんぞ」
ゆあんくんが俺の手を握った。
「…俺と付き合ってくれますか?」
今日より嬉しい日は来るのだろうか。
ずっと心臓はバクバクしてて、呼吸も泣いたから乱れてて。
「勿論、決まってんじゃん」
「俺もゆあんくんが大好きだよ。」
「…僕、邪魔だよね」
「「…あ!!」」
コメント
6件
すき
あーもう、読んでて胸がぎゅうぎゅうしたわ……。じゃぱぱの「叶わないって分かってた」からの一人で涙するところ、めっちゃ刺さった。ゆあんくんも実は同じ気持ちで、ネックレス買って渡すシーンは「え、待って両想いじゃん!」って声出た。なおきりさん、空気読めてるのに最後まで邪魔者扱いされてて草。甘酸っぱくて最高の1話、続き読ませてくれ🔥