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幽霊になった🟦と🏺の話
ao視点
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歪みで幽霊になった。突然の事で理解が追いつかない頭を必死に働かせながら、出来ることを探しつつ働くこと3日間。前例の無い歪み、ということで治すのに1週間かかる、それまで頑張ってくれ、と言われたが、既に大分絶望していた。
実体が無いので銀行強盗の対応なんてできないし、大型に行こうにも無線はポルターガイストでジャックしないと使えない上に俺の声しか届かなくなる。成瀬にヘリが無くても空飛べていいじゃん。と電話越しに言われたものの、やっぱりヘリの方が手に馴染むし、飛べたとしても何も出来なければ意味がない。
そして何より、人と会話があまりにもできない。人の目にうつれない。会話方法は電話かそういう類の機器をジャックするか、の二択のみ。どう考えてもそんなの不便で仕方がない。普通に話しかけても返事が返ってこない、その場にいるのに認識して貰えない事は、着実に俺の精神を削っていた。
チルタイムに雑談している署員の間に入って手を振りながら語りかけてみたり
「ほんとに見えないの?おーい」
銀行強盗の対応にしれっと参加してみたり
「俺もいるよー、犯人誰なの?これ」
まぁ、あれやこれやと頭を捻り思いついたものを全て実践はしてみたけれど全敗。その上、あくまで色んな人がイメージする幽霊像に従っているのか、塩があるところに近付きたくなくなるし、暗いところの方が落ち着くし。不便な所があまりにも多すぎる。初日はまぁまぁ楽しめたものの、1週間も続くとなると流石に参る。
美味しいご飯も食べれない、仕事も出来ない、することといえば署員の話の盗み聞き。仮にも一時期不本意ながら空の悪魔、と呼ばれていた男のザマがこれだ。人間結局歪みには敵わない。
挙句やることがないから、という理由で屋上で日光浴しながらこんなこと考えては微睡む。幽霊ながら眠気は存在するらしくて、少し面白かった。
目が覚めても変わらず透けている肉体を見ては溜息をつく。今なら何やっても怒られやしないんだ、本署を荒し回ってやろうかと考えては、俺の代わりにドタバタしている成瀬やマンゴーを見てやっぱりやめた。
暇でたまらなくてぼーっとしているうちに聞こえてきた小さな鼻歌に振り返れば、特殊刑事課No.1、歩く爆発物。立てばロケラン座れば飴ちゃん歩く姿は金属バットことつぼ浦匠が居た。どうやらご機嫌みたいだ。
そうだ、そこに存在するだけで周りがたちまちギャグ時空になるこいつの周りに居れば、少しは退屈しないんじゃないか?そんな単純な思考に乗せられて、その日1日つぼ浦に憑いていくことにした。
出勤してまず最初につぼ浦が向かったのは魔法少女カフェ。事件も特に起きていないからまぁわかる、が。それにしても食い合わせが終わっている。米とトロピカルジュース?味覚がイカれてしまっているのかもしれない。また今度少し労わってあげよう、と思いながら、魔法少女カフェから出たつぼ浦を追う。
次に向かったのは砂漠側の銀行強盗。腹を満たしたら仕事。つぼ浦らしいルーティンだな、なんて一人で納得しながらついて行く。いつも通りの大声対応に笑いが止まらないが、いくら笑ったとてあちらが俺に気づくことはない。少し寂しい気持ちになって終わった。
銀行強盗はロケランで終い。オチの付け方が何とも特殊だが、今怒ったとして意味はないし。しらない。被害者には申し訳ないけど甘んじて受け入れてもらおう。…でも、歪みが治った後に電話来るのかな、って考えたら心做しか胃が痛くなる感覚がした。
ずっと外にいたつぼ浦が本署に戻ったと思えば誰もやらないような書類仕事をチマチマと。そういえばコイツ案外真面目なんだよな。頑張ってるじゃん。なんて思って、つぼ浦は分からないだろうけど、そっと頭を撫でてみた。
「偉いね。」
自己満足の呟きが空間に響く。つぼ浦に向けて言った、独り言。どうせ伝わらないし。
そう思っていたら、黙々と書類を進めていたつぼ浦の手が一瞬止まった。
…きっとただの偶然だ、今の俺が気づいて貰えるわけがないし、もう諦めている。あと数日はこのまんまなんだから、馬鹿馬鹿しい思考に蓋をするべきだ。たった一瞬手が止まったからってなにがある訳でもない。自分の精神が思ってた以上にすり減ってるのを感じる、こんなことで嬉しくなるなんてどう考えても正常じゃない。きっと今日の晩御飯のことでも考えてたんだと思うことにしよう。うん、そうしよう。
書類仕事を終えたらしいつぼ浦が席を立つ。もう1日も終わりに近い時間帯だった。
そろそろつぼ浦も退勤するかな、と思って後ろを着いていこうとして辞めた。
一言、「おやすみ。」とだけ呟いて俺もいつもの所で寝ようと思った、だけなのに。
一瞬、だけ。絶対にそんなこと起こりえないのに。確かに、琥珀のような輝きを放つその目の中心に、自分の姿がうつされたような気がした。
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