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この作品は、実在する歌い手様の名前を借りたnmmnです。ご本人様とは一切関係ありません。
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青桃のオメガバース(α×β)の作品となります。
時計の短い針が1と2の間を指す頃。
ガチャリというドアノブを回す音と共に聞こえる彼の「ただいま。」という声。
その声にいつものような明るさは感じられず、どれだけ疲れているかが伺える。
ソファから立ち上がり玄関に向かうと愛しい彼を抱きしめた。
何回も染め直して傷んだ桃色の髪の毛を撫でながら耳元で「ないこ、おかえり」と言うと、ビクッと身体を震わせる。
本当にいつまでたっても可愛らしい反応をする。
クスッと笑うとうーっと恨めしそうなうめき声がかえってきた。
ないこを抱きしめたまま、自分がつけた意味の無い噛み跡の残る項に鼻をちかづける。
そこから香るのは、ないこのお気に入りの香水の匂い。そして、お酒の匂いと、嗅いだことの無い香水の匂い。
醜くどす黒い感情が頭を渦巻く。ないこの仕事柄多くの人と関わらなければいけないこともわかっている。けれど、心配になる。不安になる。ないこがβであるためαの自分と番になることは出来ない。だからないこのことを自分の手元に留めて置くことは出来ない。いつか目の前から忽然と姿を消してしまうかもしれない。そんなことがおこったら自分は一体どうなってしまうのだろう。
そんなこちらの思考を読み取ったのか、今度は彼がクスッと笑って言った。
「俺はまろの隣から居なくなったりしないよ。」
ふと、彼の顔を見る。
「αとβだとか、番になれないとかそんなことは関係ない。俺はまろのことが誰よりも大好きだから、たとえまろが運命の番を見つけたとしても離れてあげないから。」
そういたずらっ子のような笑みを浮かべて言う可愛らしい恋人を抱きしめる手に力を込め直す。
「大丈夫。俺はずっと隣にいる。確かに番にもなれない。仕事柄、結婚もできない。だけど俺たちは俺たちの形でこれからも一緒にいよう。」
そう言って頭を撫でてくる。
愛おしいという感情が溢れ出し彼の項を再び噛もうとしてとどまった。
もう番という関係に憧れる必要も無い。
彼から体を離すと、ないこの左手をとり薬指に勢いよく噛み付く。
「……いっっ……」
いきなりのことに驚き、そして痛みに歪んだその顔さえも愛おしい。
そして彼の指から口を離すとくっきりと歯型が残る。
それを満足気に眺めているといきなり左手を捕まれ薬指に噛み付かれ、そして離される。
自分の左手の薬指には、ないこにつけたものと同じような歯型があった。
彼の八重歯が当たっていただろうところから少し血が出ていたがそれすらも彼からの愛だと思えてしまう。
お互いの左手を見て微笑むと、その手を重ねる。
君とならきっとこれからも。
これが俺らの愛のカタチ。