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天城先輩の腕の中で

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天城先輩の腕の中で

5 - 第5話(2)ネタバラシ

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2025年07月15日

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まだ体が熱くて、呼吸も整わないまま。

那央はベッドの上でうつ伏せになって、腕に顔を埋めていた。


「はぁ……っ、もう、無理……ほんと、あまぎ先輩、最低……っ」


「ん? なんか言った?」


悠馬はシャワーも浴びず、汗のついたままの体でベッドに戻ってくる。

くしゃくしゃになった髪を片手でかきあげながら、 どこか満足げに笑うその顔に、那央は枕で顔を隠した。


「ねぇ、コンちゃん。……ほんとはさ」


「……?」


「隣の人、いないよ」


「……え?」


那央は一瞬、意味が分からず目をぱちくりとさせる。

でも、すぐに――その意味を理解した。


「……は、えっ、えっ、ちょっとまって、え!? い、いないって、なに、それ……」


「お隣さん? 今月頭に引っ越してって、空き部屋だよ?」


「っ……う、そ……っ」


「声我慢してるコンちゃん、可愛すぎてさ。見たくなっちゃった」


「な……っ、なにそれ……ほんとに、……っ、最低っ……!!」


那央は枕で思いっきり悠馬の頭を殴ろうとするも、 全然力が入らなくて、結局ぽふっと当たるだけ。


「マジで……ほんと無理……っ、ばか……!!」


「ばかはコンちゃんだろ」

「俺が“声出すなよ”って言っただけで、必死になっちゃって。あんなに泣いちゃってさ」


「~~~っ!! あれはっ……! だってっ……っ、だってぇ……っ」


「うんうん。わかるよ」

「だって、感じすぎて声止まんなかったんだもんな?」


「……っ、う゛っ……もうやだ……っ」


両手で顔を隠して、怒りに震え泣きそうになってる那央の頬に、

悠馬はやわらかくキスを落とした。


「でもさ――マジで可愛かった」


「……っ、ずるい……そういうの……」


「嘘ついたことは謝るけど、仕方ないだろ。俺さ、コンちゃんが我慢してる顔、見たすぎて」


「……っ、もう、見せない……!!」


「無理。俺、今日から一生コンちゃんの喘ぎ声聞いてたいもん」


「~~っ、あっち行ってよほんとにっ!!」


「じゃあ、また“お隣さん戻ってきた”ってことにする?」


「ほんとにやめろぉぉ……!!」


だけど――

怒ってるフリしてる那央の耳まで、真っ赤だった。


(マジで、かわいすぎんだろ……)


悠馬は心の中で舌打ちする。

本気でこの子を離したくなくなるほど、どんどんハマってく自分に気づいていた。

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