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ー七魔牙、会議室ー
僕がワースに案内された所は暗くて広い部屋だった、前に話しかけてきた仮面の人やツインテールの人、みんなが居た、部屋の真ん中ら辺まで歩くとワースが跪いた、僕も同じように跪いて前を向くと白と紫のグラデーションの髪色をしていて人形を持っている、僕は彼の顔を見て驚いた
(アザが三本だ…)
「アベル様、先日仰っていた一年を連れてきました」
「あぁ、ありがとう」
淡々と喋る彼の声だけでわかる、強者だ、この場の誰よりも
「さて、質問だ、君はどんな不満を持っている?」
「…努力が才能に負けること、それが1番の不満です、後…」
「後…?」
僕は立ち上がって視線をまっすぐ凛々しく立つ彼に向けた
「僕の1番の目的は自分の石化魔法を解除する魔法です、それを見つけたら僕はここを抜けます」
もしかしたらこの場に居る全員から攻撃をされるかもしれない、でも今は死ぬことはそこまで怖くはなかった、でも彼の返事は意外だった
「わかった、君には第四魔牙の名をやる、その力で少しの間僕の元に付け、その間なら僕らは君の手助けをする、君も僕らの手助けをする、それでいいな」
「…了解致しました、アベル様」
僕はまた跪いた、仲間なんて信頼できないかも知れない、不意に僕は決めた事を思い出した、『どんな手を使っても見つける』と
(利用するんだ、決めただろ、どんな手でも使うと)
そう思う僕の瞳は真剣だった
アベル様は僕を見るとそのまま部屋の奥へと姿を消した、立ち上がると部屋に居た全員が僕の周りに集まった
「仲間になってくれたのー!これからよろしくなの!」
「…仲間じゃない、利用するだけ」
「それでも一時的には仲間なのー!」
無茶苦茶だ、そう思っていたらアビスが話始めた
「改めて、七魔牙、第二魔牙のアビス・レイザーと申します」
「同じく七魔牙、第三魔牙のワース・マドルだ」
「第七魔牙、アンサー・シンリだ、知っているか?仲間にしたい奴が今目の前に居る事を」
「第五魔牙のラブ・キュートなの!私、可愛い?」
彼らの自己紹介を聞いていて疑問が浮かんだ
「…第六魔牙は居ないの?」
「オロルの事か、あいつなら今コインを集めているぞ」
アンサーが返事をした、残り1人と考えると先日僕の寮に来た人だろう、そう思っていると部屋の大きな扉が開いた
「遅れてしまいました、ですがコインはしっかりと集めましたよ」
そこには沢山鍛えたであろう大きな体を持つ男が立っていた
「おや、あの時席を開けていた…第六魔牙のオロル・アンドリューと言います、よろしくお願い致します」
全員が揃った、僕は言わないといけない事を言うため一呼吸置いて話しかけた
「…僕に関わる、と言う事は同じく呪われた存在になる、その覚悟しっかりと」
そう言うとアビスが仮面に手をかけて一歩前に出て来た
「ならば私もこの事を言っておきましょう」
仮面を取り、フードを降ろすと彼の左目にはイヴル・アイが禍々しい雰囲気を出していた、最初はそこに目が行ったけど綺麗な顔立ちと水色の長髪を見た
(…綺麗な人だな)
僕はそう思った、こんな綺麗な人が仮面をするなんて正直勿体無いと思った
「…イヴル・アイ、利用されると思って見せたの?」
そう言うと周りがフッと笑いに包まれた、前に立つアビスも笑っていた
「そんな反応をする人は初めてですよ」
ちょっとした笑い声を聞いてしまってなんだか利用する気が失せてしまった気がした
「…そう言えばお前はなんで呪われた存在なんて言ったんだ?正直呪いの気配はしないんだが」
返事をしようとしたら声が詰まった、言葉が喉の奥でつっかえたような感覚がして、黙ってしまった
「俺は知っているぞ、10年前に一つの貴族の家が滅んだ、そこがジェーニアス家、お前の家だ」
「…良くご存知で、でも」
「…でも?」
僕はアンサーの目の前に行って彼を見上げた
「滅んだ原因は知らないようで」
少しだけ僕の口角が上がる、声のトーンは多少低く、笑ってそう言った
皆が固まった、誰も話さず、動かず
少ししてワースが僕に近づく
「なんだあの恐怖心!俺あんなの感じたことないぞ!何をしたんだ!」
ワースが僕の肩を掴んで笑う、僕は少し言ってる意味がわからなくて固まってしまった
そんなワースにラブとオロルが離れろと言わんばかりに引っ張られていく
「…昔っから喜怒哀楽の喜と楽の表情が無かったんです、哀も怒そこまで大きくない、でもなぜか狂った笑顔は出来るんですよね」
笑わない子、一時期の別の異名 を言われていたのを思い出した、魔法の事も相まって僕に関わろうとした人は居なかった
「だからって呪われたなどと言われる理由にはそこまで違和感があるんですよね…」
アビスが僕の顔を覗き込む、僕の母上も綺麗な顔立ちだった、
「詳しい理由はまた別日にお話します、」
僕は淡々とした声でそう言うと大きな扉を開けて廊下に出た
EP3 七魔牙