side tgs
「あぁ、けちゃならね…俺が…」
(第5話 抑制 の続き)
「ちぐッ…んぅ…?!!」
俺はけちゃに口付けた…
……抑制剤を飲ませるために。
一連の騒ぎの間、俺はけちゃのカバンを漁り続けていた。けちゃの1番近くにいたのは俺だし、俺にはまぜたんを止める力はない。
何度も言うが、けちゃのフェロモンに当てられ続けた上に、それを1番近くで感じていた俺は本当に限界だったと思う。
それでも、最大限の理性を働かせて必死に探した。そしてついに抑制剤を見つけることができた。
丁寧なことに「抑制剤」と書いたラベルが貼られたケースに入っており、1錠ずつわけられていた。こういうところに彼の真面目な性格が出てるな、と少し微笑ましく思った。
でもそんな俺の思いも露知らず、 さっきまでの騒ぎにも目もくれず、当の本人は発情したまま、俺に擦り寄ってくる始末。
きっと冷静に”薬を飲む”ことなんてできない。
そう判断した俺は”薬を飲ませる”ことしかないと思った。
口付けて、薬を直接口に入れこむ。
「んぅ…♡ ちぐっ…もっと…♡♡んぁ… 」
時々漏れるけちゃの蕩けた声と表情に頭がおかしくなりそうだった。
飲み込むのを確認するまで口を塞ぎ続ける。
「…ぷはっ…ぁ…はぁ…けちゃ…ごめんね…薬…みつけたから…飲めたね…んっ…えらいよ…」
「んぁッ…♡ なにぃ…くすりぃ…?」
「…ふ…ふぅ…そうだよ…けちゃ…はぁ…あッ…ごめん、けちゃ…俺…これ以上近くにいれない…おかしくなる…1回、離れるね…っ」
そう諭すとけちゃから離れる。
これ以上近くにいれば本当に俺の理性がなくなる。
扉を開けて出る前に見たけちゃの顔は、本当に寂しそうで。 俺にもけちゃにもかなり酷なことをしたと思った。
出るや否や、俺は壁伝いにずるずるとその場に座りこむ。とりあえず呼吸を落ち着かせる。
そしてあっとくんに連絡をする。
『抑制剤見つけたよ。けちゃに飲ませた。落ち着いたら俺も外行くね。』
そう一報し、お気に入りのペンギンのスタンプを送ればすぐに既読がつく。
ただ一言、『ありがとう』と返ってきた。
「…っていうことがあって今に至ります…」
事の経緯を説明仕切れば、今まで黙って俺の話を聞いていた4人が一斉に喋り出す。
「…ちぐ…お前…よく耐えれたな… 」
「ちぐちゃん大胆すぎ!聞いてるこっちが恥ずかしいって!」
「薬見つけたって聞いて安心してた俺がばかだった…」
「これちぐの精神力化けもんやぞ…」
四者四様の反応を見せるみんな。
俺でも思う、よく耐えれたなって。俺えらい。
「んん”っ…まぁ、ともかく、ちぐのおかげで助かった。薬見つけてくれてありがとな。 」
そう言いながら、あっとくんに頭を撫でられる。少しくすぐったいけど、嬉しい。
「今のけちゃの様子は?」
そうまぜたんに聞かれる。まぜたんもすっかり落ち着いたようでよかった。
「俺も自分を落ち着かせて、数分後に戻った時は既に寝ちゃってた。
フェロモンも感じなかったし、けちゃも落ち着いてるように見えたから、あの薬即効性のあるやつだったんじゃないかな。
もう戻っても大丈夫だと思うよ。」
「そっか。ありがとうちぐ。
みんなも本当にありがとう。
こうなってしまった以上は、俺とけちゃが突然発情状態になってしまった原因を探るためにも、そして今後のためにも、 俺、ちゃんとけちゃと話したいんだ。
もしかしたらまた発情してしまうかもしれないし、迷惑かけちゃうかもしれないけど、みんな、一緒に戻ってもらっても大丈夫か?」
真剣な表情で言うまぜたんに俺たちは全員で頷いた。
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怒涛のバイト5連勤で疲れ切っていて
なかなか更新ができずにすみませんでした😭
なんとなーく作りたい話の流れは
決まっているので書くのに苦戦はしないんですけど何せ書くための時間が無くて😭
ここからまた更新頻度少しづつあげていくのでお待ちいただけると幸いです。
よろしくお願いします。
えむち
コメント
1件
バイト五連勤お疲れ様です! 続き楽しみに待ってます!