勇者「ひどい…そんな事があったなんて…」
ママ「…あの時の事を何度悔いても…もう戻れない…でも…それでも私は…」
国王「…私が責任を取ろう」
岩じい「………」
勇者「え?」
レイン「国王…!」
国王「私が…責任を取って、この身を差し出す」
レイン「そんなことしたらこの国は…!」
国王「大丈夫だよ、レイン…ジュピターももう大きくなった、私の跡を継ぐのも早くはない…それに…ママも帰ってきたんだ…後のことは任せたよ…」
勇者「そんな事しなくてもいいよ!え、ええと…そ、そうだ!!ケンに風を止めてってお願いしよう!そしたら…」
レイン「風が止まったとしても、国王の居場所がバレている今…必ず倒しにくる、倒すか倒されるか…今決断すべきですよ」
勇者「倒すか…倒されるか…そんなの…どっちかが死んじゃうのはやだよ…」
タイ「ねぇ思ったんだけどさ?国王がすごく強い力を出した時ってさ、最後は冷静になって治ったんでしょ?」
国王「…そうだね…でも…それがどうしたんだい?」
タイ「ならさ、ケンも魔力を使い切らせたらいいんじゃない?そしたら疲れて大人しくなるかも?」
銀河「それは厳しすぎるんじゃないか?」
勇者「なんで?僕ならできるよ!避け続ければいいんだよね?」
銀河「………これ何かわかるか?」
勇者「雲でできた…ウサギ?すごい…雲でできてるのに…生きて…動いてる…そうだった!僕も確かケンが作った小さい鳥たちにたくさん突かれたんだ」
銀河「あぁ…それはまぁそうなんだが…今見て欲しいのはここなんだ」
レイン「これは!?このウサギについているこの結晶…!」
銀河「レインは知ってたか、まぁ知の賢者が知らないわけなかったな」
レイン「銀河、これはどうしたんですか!?まさか他の魔物から…」
銀河「違う!これはケンが作ったんだ」
レイン「ケンが?なら生きていてはおかしい!これは自身の命と引き換えに生み出される結晶!莫大な魔力が必要な為これを作った魔物は死んでしまうんですよ!?」
銀河「ケンが作る雲の生き物、それは時間が経つかケンが忘れた時、体のほとんどを維持できない怪我を負った時、そしてケンがもう必要ないと判断した時にただの雲となって消えてしまう…だからケンは特別な雲の友達にだけ結晶をつけたんだ」
レイン「そんな…事が本当に…できるのなら…」
銀河「…ちなみに…俺らもケンに結晶貰って食べてるんだ、俺とポラリスとピンもな」
レイン「ケンは?」
銀河「あぁ、あいつが一番初めに興味本位で食ってたぞ?」
レイン「…なんて事を」
勇者「待ってよ何言ってるかわかんないよ」
レイン「すみません勇者君、実はその結晶は不死身…つまりあなたがいくら戦っても勝てない、と言うわけです」
勇者「大丈夫!僕初めから倒す気なんてないもん」
レイン「それだけではないんです…さっきも言った通り、命の結晶は莫大な魔力を使う…自分の命がなくなるほどの、それを三つも作れるとすれば…それほどの魔力があると言う事、タイの言っていた魔力を全部使わせる作戦も…難しいかと」
勇者「そんな…」
レイン「それに賢者の石も取り込んだ、打つ手なし…です」
国王「やっぱり私が…」
ママ「あなたは黙ってて!………どうにかしてケンを……?あれは…何か降ってくるわ!」
銀河「俺が受け止める!」