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【フランスside】
空を眺めていると時々吸い込まれそうになる。
一つのムラもない蒼々とした水色に、いつしか自分が溶けてしまいそうな気がする。
芸術家というのは、大半が誰しも自分の世界と考えを持っていて、こんな思考に至るのも、多分それの延長線。
僕は、自分の存在について考えるのが好きらしい。
例えば…あの雲。
今も少しづつ動いているように見えるそれは、風に流されているだけで、 実のところは止まっている。
これは地動説といって、地球が回転しているという科学的な考え方。
いつかの時代にそんな議論が流行ってたっけ。
あの時先にあった、地球の周りが回転している天動説という定説には、生物の本能が本当によく反映されていると思う。
生物誰しも、自分が中心で世界が回っていると考えるものなんだろう。
僕もそうだった。
でも、なんだろうな。
こういうことを考えていると、いつもどこかしらでアイツが出てくる。
皮肉屋で、自称紳士で、調子いいくせに、大事なところで自分を大事にしない。
そんな…僕の世界の中心。
僕の世界は、なんでかアイツが中心に動いているような気がする 。
空も、木も、鳥も、人も…
僕の、この変な恋慕という感情さえも、行き着く先はアイツ…イギリスなんだな。
「…なーんか、悔しいけど、嫌じゃないのがな…」
と、1人語りは一時休息。
そろそろ会議が始まる時間だ。
「…ちょっとゆっくり行こう」
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