休憩を終わりにして、もう少し勉強をすることにする。
席に戻った匡はシャーペンをくるくる回しながら、さっきの紙について考える。
─いつ、誰が、どうして、、?
頭の中にたくさんの疑問が浮かぶ。
─あ、そうだ。
匡は解きかけのノートをめくり最後のページを1枚破りとった。
“確かに今日は暑い。
俺も涼むために図書館に来た一人。
そして、今この部屋にいる。”
─これを帰る前にさっきの本に挟んでみよう。
書き終えた匡は机の上のペットボトルを開ける。
─「プシュー」
静かな部屋に炭酸の抜ける音が響く。
隣の女子と目が合った。
匡は軽く頭を下げて、勉強の邪魔をしたことを謝った。
今度から炭酸はやめることにする。
夕方になり閉館時間も近づいてきたので、帰り支度を始める。
リュックを片方だけかけ、匡は部屋を出る。
階段を下りた匡はさっきの書庫を覗いてみる。
もしかしたら誰かいるかもしれないと思ったが、やはり人の姿はない。
部屋に入りあの本を探す。
本を開くとまだ紙は残されたままで、匡は同じページに自分の書いた紙も挟む。
匡は足早に図書館を出た。
悪いことをしたわけじゃないが、誰かに見られるのは気まずいと思ったからかもしれない。
─やっぱやめとけばよかったかな、、、
思いつきで返事を書いてみたが、書かれた方は嫌かもしれないと今更気づく。
─明日行ってまだ読まれてなかったら、なかったことにしよう。
そう決めた匡は勢い良くペダルを踏み込んだ。
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