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これは僕が最悪のヴィランになるまでの物語だ…
それは不運な事故だと言われた。
11年前のバスツアー転落事故
その車には、
僕の家族が乗っていた
予定では、山の五合目近くまでバスで登り、ちょっとしたバイキングや景色を眺めたり…
楽しい旅行になる、はずだった…
山頂辺りでヴィランと交戦となり、
戦闘中だったヒーローは、
攻撃を受けてふっ飛ばされるが、
たまたま、2メートルほどある岩のお陰で転落を免れる。
その岩を足場にして力を収束し、
ヴィランと立ち向かった。
その足場に使用した岩は…思いの外、激しく滑落した。
「おとぉさん、おかぁさん…!」
「だ、だれか…おかあさんを助けて!」
「だれか…!!助けて…!!」
滑落した岩はバスツアーの乗客、乗員全ての命を奪った。
しかし、
僕だけは蘇生という個性を発現し
自らを守り助かった。
ただ、初めての発現は上手く使用ができない。
そのため、家族を救うことはできなかった。
「やーい、死神〜っ!」
「どっか行けよ、死神ぃー!」
「死神に関わったら、死んじゃうぜ!逃げろ〜」
僕が発見された時、
全てがぐしゃぐしゃの上に僕は血だらけで座っていたらしい。
親戚も気味の悪い幼児など引き取りたくはない。
皆が皆、押し付け合いだったそうだ。
親戚の人たちは自分の家に来るくらいなら、
まだマシだと仕方なく、児童養護施設の手続きをしてくれたそうだ。
せめてもの…と、職員の方々の配慮で元々住んでいた地区に住み続けることとなった。
その結果…
子どもからはいじめを
大人からは村八分状態が横行した。
ただ、唯一の救いは
かっちゃんがいてくれたことだった
死神と呼ばれていた僕に、
「いーずーくー、オメェホントに何にもできねえな!」
「いずくって、デクって読めるんだぜ!今日からお前はデクな!」
「俺が凄ェんだ!ほぼ無個性なんだろ?デクがイッチャン凄くない!」
「デクがとんな個性でも、俺には一生叶わねェつーの」
普通ならば、
ひたすら貶す言葉、いじめだっただろう。
でも僕はかっちゃんの前だけなら
不気味でおどろおどろしい怪物ではなく、
1人の無益な人間でいられた