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悠香 @ギザ歯教
MIRAN@また新作だすかも?
──────メテヲさん視点──────
メテヲはそして、100歳になった。そう、つまり成人、大人になったわけだ。我々イヴィジェル家は100歳になった時、当主の継承権をかけて、お父様と戦う権利が得られる。もっとも、メテヲには妹がいるから、ぐさおが100歳になった時にも継承権は与えられる。つまり、ぐさおと戦う可能性もあった。けれど、ぐさおは当主をやりたがろうとせず、しかも最近はぼーっとしていることが多かった。まるで、魂が抜かれたみたいに───。メテヲは頭を思いっきり振って、その想像を消す。そんなわけが無い。魂が抜ける、というのはいわゆる比喩表現のようなものだ。それに、そんなことができるのは神ぐらいだろうし、神がそんなことをするメリットも浮かばない。メテヲの気の所為、であって欲しい。そんな一抹の不安を抱えながらメテヲは無事、成人の儀を終えた。
そして、メテヲはその日、お父様に継承権をかけての戦いを申し込んだ。
だだっ広い部屋である。白以外の色がないその質素な空間は、メテヲが普段住む城と比べてあまりにもな部屋だった。けれど、この部屋の唯一の良い点をあげるならばその広さと天井の高さだろう。広さはもはや遠すぎて壁が見えないし、高さは数百はあるだろうと予想できるほど高く、いくら飛んだとしても天井に辿り着くのは難しいだろう。
さて、本題に戻す。なぜ、メテヲはこの簡素な部屋───戦闘部屋にいるのか、その目的を再確認するためにメテヲはその部屋にいるもうひとりの生命体に目を向ける。
「やっと、お前もここまできたか。」
そう、この空間にいるメテヲ以外の存在こそイヴィジェル家現当主であり、メテヲのお父様であった。その堂々とした佇まいは存在だけで圧を与えてくる。メテヲも平気なフリをしているが、正直怖い、というのは否定できない。けれど、メテヲはそれ以上にお父様の態度に驚く。
「…怖くないんですか?お父様。これ、負けた方は死ぬんですよ?」
お父様は相変わらずの態度でメテヲを迎えるが、メテヲはメテヲで気になっていたことを質問する。そう、この戦いは勝てば当主の座を得られるし、負ければ死である。イヴィジェル家は常により強いものが当主を務める。負けたものは弱いのだから用済み。次なる天使やら悪魔やらを作るためのパーツとして回収されるわけだ。それは、メテヲたちにとって死に等しいこと。けれど、お父様の心は至って平常心で、崩れることなどない。
「構わない。それが我が家系なのだから。それに、私は生き過ぎた。数百万年はこの座にいる。そろそろ疲れたのだ。」
メテヲはその言葉に目を見開く。お父様が弱音を吐くところなんて、初めて見たからだ。けど、それくらいでメテヲはぶれることなんてない。メテヲは槍を握った拳をさらに強く握る。覚悟を、決める時が来た。
「メテヲは、お父様に勝ってこの家のトップとなる。」
「良い意気込みだ。だが、私もタダで死んでやるつもりも、負ける気もない。」
そう言って、お父様は手からその剣を取り出す。眩い光を放つその剣を、メテヲは見たことがある。お父様が最も愛用し、そしてその剣のいちばんの適用者であるその名は─────【正義の剣】
「最初から本気ってことですね…!!」
「無論。一瞬で楽にしてやろう。」
「こっちのセリフです!」
そう、お互いに啖呵をきったあと、戦いはお父様の光速の一撃で始まる。先程まで数十m離れた場所にいたお父様が刹那の間にメテヲの首をかっ切ろうと眼前に迫っていた。メテヲはその一撃をしゃがんで回避し、そのまま足元を槍ではらう。しかし、お父様はそれを見越していたかのように、飛び上がり、一瞬で背後にまわられ、そのまま剣で背中を一撃───。されることはなく、メテヲはそれを回避する。
「…。やはり、厄介だな、その能力。確か名を…【時空カット】だったか…。今も、『刺された』という事実をカットした、というわけか。」
「お父様も大概ですよ…!!実の息子相手にそんな能力を乱用してきますかねぇ…!?」
そう、メテヲの能力は【時空カット】。メテヲが指定した時間時空を名の通りカットする、ということだ。そして、カットされた部分は自動で修復される。つまり、メテヲは刺された、という事実をカットし、それを修復した結果メテヲは避けた、という事実に変換されたわけだ。そして、お父様の能力は【スピーター】。自身の速度を自由に操る、というもの。これは単純な速度だけでなく、反射神経や判断速度、相手の動きをスローモーションで見れるなど、様々な恩恵が得られる。だからこその速度であり、メテヲの槍を容易く回避されるわけだ。
お互いの手札はわかっている。それが分かっていてなお、お互いに対策の仕様がない。つまり、これは体力勝負である。どちらが能力を使えなくなるくらい魔力を消費するか、はたまたそれまで立っていられるか。そんな、戦いの中では滅多に見ない、長期戦が始まる。
だから、お互いの攻撃は常に致命傷を狙うのではなく、いかに無駄な体力を使わせるか、だ。けれど、この闘いにおいて部があるのはメテヲだ。メテヲは致命傷をカットするだけでいい。けど、お父様は早いだけで致命傷を負った時、どうすることもできない。けど、やっぱり回避される。メテヲよりも数倍遅い世界でお父様は戦うことができるのだから、そりゃ当然回避される。内心悪態をつきつつ、お互いに槍を、剣を扱い続ける。
「ご老体に長期戦は大変なのではないですかね…!!」
「そろそろきついかもな…。なら、奥の手を使うとしようかな…。」
そう言って、お父様はまたしても背後に回って、剣を薙ぎ払ってくる。相も変わらない攻撃。けれど、メテヲは直感でその殺意から逃れようと避ける。が、その一撃はメテヲの腹部を貫通する。
「っっぁ゛!?」
「ははっ。油断してたな。自身の能力に驕りすぎだ。」
「グ…ッ!な、何した…、?」
メテヲは貫通された腹部を再生させつつ、何があったかの状況確認を始める。そして、明らかな原因を見つける。お父様の剣は光り輝く正義の剣。それを持っているのは確かだが、逆の方の手で、他の剣を持っていた。炎を黒く塗りつぶしたかのような、禍々しいしいその剣を。けれど、その剣の概要を敵であるお父様が教えてくれるわけもなく、そのまま畳み掛けるように光の剣を薙ぎ払ってくる。再生のせいでワンテンポ反応が遅れ、腕1本が宙を舞う。と、同時に血が辺りをまい、その空間に白の他に赤の色が追加される。別に腕1本なんて安いもんだが、それよりも、さっき能力が発動しなかった理由がわからない。もし、メテヲの判断が一瞬でも遅ければ普通に致命傷を負って死んでいるはずだ。おそらく、あの黒い剣は能力の発動を阻害する力があるとみた。あの剣に備わってる力なのか、はたまたお父様は複数の能力を持っているのか。そんなことを考えている間にもお父様は連撃を叩き込んでくる。メテヲはそれを勘で避けつつ、久しぶりの戦闘での焦りを味わい続けた。
ここで切ります!昨日はお休みしちゃってすいません…。それと、これからは月金は投稿を休むと思います。まだ習い事をしてまして…。すみません。それと最近明日を見るためにを読んでくれる人が割と増えてて嬉しいです!こっちの続編も続けて呼んでくれるって方もいて…。まだまだ頑張っていきます!
それでは!おつはる〜!
コメント
6件
いいね〜
やっぱり面白い! 全然大丈夫よ〜OK!