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na「…まーたそんな怖い顔して。」

sh「だって…こうでもしなきゃ俺…」


“Ωだし”


na「でも、匂いとかでわかる人にはわかるんでしょ?」

sh「まぁ…。」

na「なら、普通にしてたらいいじゃん。」


隣に歩くnaは俺と中学からの友達。俺がΩだと知る唯一の友達だ。


sh「…α怖いじゃん。」

na「皆んなが皆んなそうじゃないでしょ?」

sh「そうだけど…。」

na「なら普通にしてなよ。」

sh「…努力はする。」


大学の構内を歩く俺とna。俺がしかめっ面でいるのが噂になってちょっとした有名人だ。『俺がαで誰を番にするか選んでる』とか『naの番犬』だとか…しまいには『naの番』とまで言われてる。

まぁ、誰も近寄らないでいてくれた方が助かるからいいけど…naを巻き込んでしまってるのが申し訳なくなる。


sh「やっぱ、普通にしてる方がいいのかぁ?」

na「だから、言ってんじゃん。」


中学や高校では何の噂も無かったのに、大学に入ってから急に変な噂が立ち始めた。隣で笑うnaを見てやっぱり普通にしてようかと揺らいでいた。


na「じゃぁ、俺この後まだ受けるのあるから。」

sh「おう。またなー。」


naと別れて俺はとある場所を目指す。





ガラガラ…

sh「krー?」


扉を開けて呼びかけると、隣の作業台から声が聞こえる。


kr「あー…ちょっと手離せないかも。」

sh「はーい。」


俺はソファに鞄を置き中からノートパソコンと資料を取り出す。飲み物なども机に広げて俺はパソコンの電源を入れる。


sh「よし、やるか。」


カタカタとキーボードを打つ。奥からはまだkrが何か実験をしてるのだろう騒々しい音が聞こえていた。


sh「…次は何の実験してんだよ。」


俺はまたパソコンに意識を移し、文字を打ち込んでいく。 しばらく集中していると足音が聞こえて俺は顔を上げる。


kr「よし…俺はここまでかなー。」

sh「なんの実験してたんだよ。」

kr「それはまだ言えないなぁー。でも、いつか教えてあげるよ。」

sh「絶対失敗して教えてくれないやつだろ。」

kr「うるさいっ!まったく、相変わらずな態度だなぁ。俺、教授だよ?」

sh「わかってるって。」


krはこの大学の教授で講師もしているがメインはここで実験をしてる。大体失敗に終わってるけど…。


kr「…で?shは属性のレポート?」

sh「そ。まぁ、進捗がないから前回とほぼ変わらないけど。」

kr「…最近は体調どうなの?」

sh「まぁ、ぼちぼち。」

kr「…まぁた、飯食わずに調べ物とかしてるだろ?」

sh「…してねーよ。」

kr「もう。はい!」


目の前に大量の栄養ゼリーが置かれる。


kr「しっかり食べないとでしょ?」

sh「…いや、あんたにも同じ事言えるだろ。」

kr「俺は一時的にこれを食べてるの。ちゃんと飯だって食べてるし。」


俺はあしらうように返事をして目の前のゼリーを取る。まぁ、食べてないのは確かだからこれだけでも腹にいれるかと蓋を開けて流し込む。


kr「…ねぇ。そんなにΩが嫌?」

sh「…まぁ。嫌ではある。」

kr「まぁ、Ωにしかわからない部分もあるからなぁ。」

sh「…そういう事だよ。」


俺は止めていた手を動かす。krは前に属性について調べていた事もあり俺は時々ここに出入りするようになった。

今は調べてないみたいだが俺のレポート内容が気に入ったみたいで俺のレポートの手伝いもしてくれている 。だから、krには自分がΩだという事も話した。


kr「でも、怖くなるの仕方ないかもなぁ…。」


krが新聞に目を通しながらそう呟く。俺は何で?と聞き返すとこちらにkrが見ていた記事を見せてきた。


sh「…見るんじゃなかった。」

kr「最近また多くなってない?α関連のニュース。」

sh「…なんでこういう奴がαなんだろうな。」


krが新聞をテーブルに置く。新聞にはαがΩを襲った記事がでかでかと書かれていた。


kr「まぁ、βにだってこういう奴はいるけどね。でも、やっぱりΩ特有の匂いってやつじゃない?」

sh「匂いね…。」

kr「まぁ、どんな匂いなのか気にはなるけどね…」

sh「な、なんだよ。」

kr「はぁー…俺もαならどんな匂いかがわかるのに!あわよくば研究だって…」

sh「怖い事言うな!」


俺は空になったゼリーの容器をkrに投げつける。いたーい!っと大きな声で頭を押さえるkrを見て笑う。


kr「本当に、こういう事件が無かったらshkも…」

sh「いっ…!」


krが俺のおでこにデコピンをする。


kr「こんな仏頂面で歩かなくていいのにねー。」


俺はおでこをさすりながら新聞を見つめる。俺が襲われるなんて事はそうそう無いと思っているが…もし、もし襲われたら…なんて想像をすると自然と目つきを悪くしてしまう。


sh「…自分を守る為、だから。」


俺はkrにそう答えると新聞をたたんでレポートの続きを始めた。




続く

知り得る先は幸福のみ

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