テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
そこエビ@ルイスLOVE♡
196
278
#アリス・メルヴィナの肖像画
×ラムネ×
315
73
「ねぇ、本当に私のこと好き?」
「もちろん好きだよ」
「ウソ。あなたから愛を感じない」
なら、なんで聞いたんだよ。
「ごめんね。俺に直せるところがあるなら…」
「その優しさが嫌なの!」
そう言われて、1年付き合った彼女と別れた。これで5回目。もう散々飽きてくる頃合だ。
自分はどうも、女性に性格を気に入ってもらえないらしい。優しい人が好きと言っておいて、優しさが嫌だと言う。とても不思議な生き物であり、それが女性なのかと思い始めていた。でも、例外だっている。
「なぁに?また振られたの〜?」
「もういい。俺次告白されても付き合わない」
「ははっ、そんなこと言って、どうせまた付き合うんでしょ」
「よくおわかりで…カミラさん」
俺の職場の上司、カミラさん。髪色をコロコロ変えるオシャレな人で、三角形のイヤリングが特徴だ。この人はサバサバしているし、男に興味がないから俺も気兼ねなく話せる。
「恋愛なんてしなくてもいいのよ?勇気を出して告白した子が可哀想って、同情されてる方が嫌だと思うし」
「そういうもんかなぁ?」
「そういうもんよ」
「カミラさん恋愛したことあるの?」
「そりゃあしたわよ。あんたとは違って大人の熱い恋をね」
そんなことを言っているけど、この人はまだ30半ばだ。それで大人の熱い恋と言われてもあまり信ぴょう性がない。
「あっ、その顔。信じてないわね」
「いやいや、信じておりますとも」
「ま、ようやく独り身なんだから明日のこと気にせず飲もう飲もう!」
ビール片手に今夜をカミラさんと過ごす。明日は休日だ。久しぶりに1人で過ごせる。いや、もしかしたらカミラさんが酔いつぶれて俺の家に来るかもしれない。
そんなことを考えているが、アルコールが染みてくると思考も呂律も回らなくなった。
「ちょっとアンタ飲みすぎよ!せっかくの休日をトイレで過ごすわけにはいかないでしょ!」
「おれ、┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈」
「…アンタも大変ね」
そこで俺の記憶は途絶えた。
朝起きて絶望した。頭が痛い。気持ち悪い。オマケに昨日の記憶がほとんど残っていない。酒癖悪い所、直したい。
カミラさんが居酒屋から送ってくれたみたいで、自分の部屋で寝ていた。マンションの部屋番号を教えた記憶は無いけど、たぶん酔ってた自分が教えたのだと言い聞かせて楽な格好に着替える。朝9時だというのにまだ体はダルさが残っている。
頭が痛い。耳鳴りがする。違う、耳鳴りじゃない。これは…。
「宅急便かな…」
家のチャイムが鳴っていることに気がついて玄関へ向かう。ドアを開けると、知らない男性がタオルを持って立っていた。
「えっと…」
「こんにちは!隣に引っ越してきた矢野です」
「あぁ、どうも椎名で…」
急に、吐き気が襲いかかってきた。
「す、みません…ちょっと、」
「大丈夫ですか?顔色が…」
「も、もう…帰っていただいて…っ、おぇ」
「大丈夫ですか!?」
俺は、初対面のお隣さんに吐いてしまった。
コメント
1件
読みました!冒頭の「優しさが嫌い」って振られ方、あるある過ぎてじわじわくる…。カミラさんのサバサバした絡みも好きだし、最後の初対面で吐くオチは不意打ちで笑っちゃった。酔って記憶飛ばす系主人公、今後どうなるのか気になります!続き楽しみにしてます🔥