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#異世界転生
しめさば
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#ロマンスファンタジー
花月夜れん
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榎本くもり
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まずは火の国。
ここは、ドレンさんと王様にご挨拶してきた。
嬢ちゃん、子どもがいたのか! ってびっくりされた。説明が難しい。
火の鳥と水の鳥の巣も見に行った。小さい雛鳥が飛ぶ練習をしてるところだった。その場所に赤い髪のお姉さんと、青い髪のお兄さんがいて、私達はお姉さんの方にぎゅっと抱き締められる。胸に潰されるところだった。しかも、そのお姉さん食べちゃいたいって言うから余計に怖かった。
そのまま、水の国に向かおうとしたら、お姉さんがヒカルの指に指輪を押し付けていた。
サラって名前を聞いた。火の精霊サラマンデルの一人だった。
次についた水の国で、私はあの子と出会う。
「ルードお兄さん!」
青色の髪の女の子が、ルードさんに抱きついた。
ルードさんは、困ったように笑いながら、女の子に挨拶していた。
この眼は、ルードさんに恋をしてる。すぐにわかった。
「会いに来てくれたんですね!」
「その……、この子達の護衛で」
ぱっとこちらを見て、しょんぼりした表情を彼女は浮かべた。
「わたしに会いに来てくれたと思ったのに……」
「そんな悲しい顔をしないで下さい。私に、また歌を聞かせて下さい」
ルードさんがそう言うと、彼女はすぐに笑顔になった。その笑顔に微笑み返すルードさん。
もしかして、ルードさんも?
「そうだ、この辺り、だいぶ修繕が終わって、お祭りがあるんです!」
「お祭りですか」
「はい、お祭りの最後に、わたしとアミスお姉ちゃんが二人で歌います! ルードお兄さんに聞いてもらいたいです」
ルードさんは、「喜んで」と言っていた。
ーーー
「ルード、モテるんだな!」
ゴンっとすごい音をさせて、ルードさんが木に頭をぶつけた。
青い髪の少女、ルミナと名乗った彼女と、アミスという女の人が、母さんの物語にでてくるこの国のお城、ブルーシェル城を見せてくれるというので、湖のほとりを歩いていた。
「ヒカル様、私はですね――」
「だって、あの子、ルードのことじーっと見てる時、顔がピンク色になってたぞ。めちゃくちゃ可愛い顔してた!」
「ははっ……」
「男なら、ビシッと答えてやらねーと!」
すごく困った顔をしているルードさん。って、そんな場合じゃない! 私だって、ルードさんの事、好きなんだから!
「ルードさん」
「はい。何ですか? ミツキ様」
話をヒカルに聞かれたくなくて、顔を寄せてもらおうと手招きする。彼の顔が近くにきた。目がそれぞれ違う色の2粒の宝石みたいですごく綺麗。
「ルードさん、私をお嫁さんにしてください」
そう伝えたら、ルードさんはぱっと離れて、私の顔を見た。私も彼の顔を見たけれど、困った様な顔だった。
「うぉぉぉぉ! ミツキすごいぞ! ブルーシェルだ!」
ヒカルが前方で叫ぶ。
青い髪の二人が歌を歌っていて、その歌声の向かう先に水音をさせながら、大きな貝が口を開いた。
父さんと母さんの物語と同じ。
「すごいね……」
でも、私とルードさんは母さんの時みたいに、はらはらドキドキするような事が全然なくて――。
自分がまだ子どもだから、彼からはそうとしか見られていないことが悔しかった。
母さんから聞いたお話だと、ルミナの方が先に大人になってしまう。私は、焦った。
ーーー
お祭りの終わり。二人の歌姫がお辞儀をする。
ルミナが、ルードさんを見つけ、水に飛び込み泳いでここにきた。
おとぎ話の、人魚姫。王子に恋したお姫様。
「ルードさん」
彼女の表情を見て、私は理解した。今から、告白するつもりなのだと。
ルードさんは、答えをくれなかった。もし、ルミナに答えるつもりなのであれば……。
身を引く? そんなの嫌だ。
「私、ルードさんのお嫁さんになりたいです」
「私だって!!」
ヒカルが目を白黒させている。バレたってかまわない。私、ルードさんの事、好きになってしまった。
二人からお嫁さんになりたいと言われた、ルードさんは、やっぱり困った顔で……。
「私の事を好きになってくれてありがとうございます。二人とも――。ただ、まだ貴女達は子供ですから、大人になってまだ同じ気持ちだったら、改めて教えて下さい」
そんな、ずるいことを言われた。彼から見たら私は、まだ子供なんだ。
ーーー
そこからの旅はほとんど覚えていない。ただただ、私より先に大人になるルミナが、うらやましくてしょうがなかった。
「ミツキちゃん」
「クロ……」
この世界で声を聞かなかったクロの声。クウはヒカルと遊んでいる。
「僕は時間を操れる。大人になって、まだ大好きだと思うなら、むこうの世界に戻って大人になった時、この世界に帰ってくればいいんだよ。そうすれば――」
「そんなことが出来るの?!」
私はぎゅっとクロを抱き締めた。
「やる! やり方を教えて」
ーーー
「それじゃあ、ありがとう! ルード! 元気でな」
「ルードさん、ありがとうございました」
全部を回って、ライトコールに戻った私達は、お別れの挨拶をする。むこうに急いで戻らなきゃ! 時間は有限なんだ。ルードさんは、優しく笑って、手をふってくれた。彼の心にいる、女の子を全員消して、私に塗りつぶすんだ。はやく、出来るだけはやく――。
今度は、子供だって言わせない。だから、私を見て。青色と黄色に光る、綺麗な瞳の魔法使いさん。
ーーー
18の誕生日を過ぎた次の日、ヒカルの首根っこを捕まえて、私はここ、父さんと母さんの物語の世界に戻ってきた。すぐに、彼に会いたい。10年以上たっても気持ちはやっぱり変わらなかった。彼が好き。
彼を探して、私はお城を走る。彼の背中を見つけた。間違いなんてしない。ずっと思い続けた彼だ。
声をかけようと、近づくと盛大にぐぅぅぅぅとお腹の虫が鳴いた……。
そういえば、ご飯を食べる前に飛んで来てしまったっけ。でも、今はそんな場合じゃない。
「ルードさん」
つとめて冷静に彼の名前を呼ぶ。けれど、彼は考え事でもしているのだろうか。気がついてくれない。
「ルードさん!」
もう一度、大きな声で呼んだ。
彼は、ゆっくりと顔をこちらに向ける。あぁ、良かった。変わらない彼がそこにいる。
「リサ様?!」
母さんの名前が彼の口からこぼれて、ムッとしてしまうが、私は何事もないようにして彼に告げた。
「約束しましたよね? 私が大人になったら、いいよ。って……」
びっくりした彼の顔が面白くて、笑ってしまいそうになる。
「私、大人になりましたよ?」
今度は、子供だからって逃がさない。私の事をちゃんと見てもらうんだから!!
コメント
1件
番外編、読み終わりました……! ミツキちゃんの「子どもだから」と見られてしまうもどかしさが、子どもの視点だからこそ痛いほど伝わってきました。クロの時間操作の提案、あれは希望の光ですね。大人になって戻ってきた最後のシーン、お腹の虫が鳴るところも含めてミツキちゃんらしくて、でも「約束しましたよね?」の決意の瞳がもう……! 次の話が待ち遠しいです!