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_黒猫 side
そしてまた、ため息を吐く。
散らばる死体を踏みつけて呟く。…、そういえば、拷問も兼ねろって言っていたか。
『知ってること全部吐いてくれるかなー?』
まだ辛うじて息がある連中の背中に足を押し付ける。ゔ、と声を漏らすが、ボクが求めている答えはそれじゃない。少し考え、場を見渡す。、見つけた。恐らく地位が高いであろう者の襟を引っ張り、立たせる。そいつの首にカッターを静かに当てる。少しづつ、少しづつ刃を出して。
『じゃあ、こいつ殺されたくない…よね?』
『だったら早く話して!!!!』
そう言い放つとすぐに言葉を漏らし始めた。人間の扱いやすい所と言えば、ここがまず初めに挙げられるだろう。自分の大切な人が傷付けられかけると、自分を売る。
脅してから動き始めた口はスラスラと言葉の羅列を作っていく。よくもまぁ、こんなにも冷静に堂々と嘘をつけるものだ。
首に当てたカッターの刃をどんどんと差し込んでいく。
『で??』
そう言うと恐らく本当であろう言葉が羅列する。…これでいいか。要求されていた事はおおよそ聞けただろう。さっきまで掴んでいた襟を離し、詠唱を開始。
『幾外、仙下、操血、”京魏巳”』
ボクの体内に循環している血を少量出す。その血を鋭い矢のようにして放つ。まだ息がある者たちの首を貫き、そして最後に爆ぜる。びちゃりと辺りに散らばったボク以外の血液。
『やっぱり人間は嫌いだ…』
滑稽に横たわる姿を見て感情が昂ぶると同時に、吐き気が込み上げる。いっそここで吐いてしまおうか。
「あっ、いおちゃん!」
瞬間背後からの幼く、無邪気な声。込み上げる吐き気に知らないフリをする。
『とむるちゃん!』
くるっと振り返って笑顔。作らなければ星月衆という便利な踏み台に居られなくなる。ここに居れば合法的に人を痛めつけられるんだ。
あの少女は確か、除払とむる。部隊が違うのにも関わらずボクについて来る。
除「わ、血べたべた」
そう言って彼女は死体の頬をつんつんとつつく。スカートが血で濡れていくのを全く気にせずに。
『なんか言われたんだよね?』
肩を優しく叩くと振り向く。
除「うん!めあちゃんがね、はやく帰ってきて〜!って言ってたよ〜!」
『ありがとっ!』
『一緒に帰る?』
笑顔を崩さないようにして問いかける。
除「んーん、もうちょっとここ居るね」
そっかと一言残して血溜まりを後にした。
暗い路地に向かって歩き出す。建物の影と月の光、そしてボクの影が重なる。
「「こちら”化け猫”、今から帰るね」」
ナニかの心情を現すかのように歪んだ影の頭を踏んで帰路を辿った。
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名 黒瀬 依央__Kurose Io
能 操血__Souketu
二 化け猫__Bakeneko
(玲音@Amiaとペア画 様宅のお子さんをお借りしました)
名 除払 とむる__Yabara Tomuru
能 人狂”__Ningyou
二 兎狩__Togari
コメント
5件
スカートが汚れるの気にしないとむるちゃんあまりにも愛なんだけどカワイイ🥰🥰
言い訳 ご飯 食べて ました