テラーノベル
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omr side
カタカタ
もう時間は午前1時を過ぎた頃だろうか
周りがしんとしている中少しだけ聴こえるキーボードのタッピング音
4日前の朝の10時からこの状態、飲食もしてないし、睡眠なんてもってのほか。
こんなことが起きるなんてSoranjiを作った時ぶりだった。
隙間がないつめつめのスケジュール
曲の制作
俳優業
音楽番組の収録
レコーディング
バベルの話し合い
OFFの日なんて滅多にない生活が数ヶ月続いていた。
ピロン
LINEの通知音がなる
wkiからだ
『今何してる?』
いちいちそんなことを聞く必要があるだろうか。
疑問に思いながらも、俺は返信した
「曲作ってる」
すぐ既読がついた。
逆にwkiは何をしているのだろうか。
「wkiこそなにやってんの?」
既読はすぐ着いた。でも、返信は数分たっても来なかった。
「……既読無視かよ……w」
そう言いながら、またパソコンに体を向ける。
2回目の5ヶ月連続リリース。
それでも周りは、昔のように[歌上手い] [可愛い] [かっこいい]と言ってくれない。
逆に何したら昔のようにそう言ってもらえるのだろうか。
ふと、キーボードを打つ手が止まる。
ピロン
LINEの通知音がまたなる。
またwkiからか?
スマホを見てみる
『何もしてない』
「なんだよそれ…w」
と苦笑しながらも返信した
『mtkもやってみなよ』
はぁ?今曲を作っているのに、それをやめると?
少し戸惑いを感じながらも、ベッドに仰向けになり、天井をジッと見つめてみる。
ふと、頭に昔の様に褒めてくれない光景が浮かんだ。
パソコンと向き合ってる時は少し寂しいとしか感じなかったのに、寝転がってみると異様に悲しく感じる。
「やば……泣きそう……」
涙腺が少し緩み、涙が出そうになった。
でも、流れるのはせいぜい1、2粒の小さな雫
「いつからこうなったんだろうな……」
いつの日からか泣くことが少なくなった。いや、泣けないのだ。どれだけ悲しいこと、辛いこと、寂しいことがあろうが、ずっと我慢してきたせいなのか自分の目から涙は流れない。
こういう時がいちばん辛い。
泣きたいのになけない。
その時の気持ちを涙で流せない。
自分の心の中に結局残ってしまう。
いつか、また大きな粒を沢山流して、顔もぐしゃぐしゃになって、沢山泣きたい。
「ほんと……馬鹿だなぁ……w」
ピロン
『どう? 』
なんだよ……、どう?って。俺はお前のせいで複雑な気持ちになってんのにさ
「 おかげで複雑な気持ちになったよ」
すぐ返信が来る
『泣けなかったの……?』
泣けなかった?
まぁ、そうか。
「うん」
また既読は着いたが、返信が全然来ない
「なんなんだよ……」
少しwkiの行動にイラつきながら、曲の制作に戻ろうとする。
ピロン
『ねぇ、mtk……家……行ってもいい…?』
一体何のつもりなんだろうか、本当によく分からないな。
「まぁ、いいよ。」
『ありがと、いまむかうね』
wkiの返信を見たあと、スマホをベッドに置いて、俺は曲の制作に戻った。
wki side
何気なく寝れなくて、ベッドに寝転がってた。
ベッドに入ったのは11時なのに、もう1時をすぎている。
『寝れないな……』
俺の体内時計は壊れてしまったのだろうか。
いつも、この時間帯まで仕事が入ってたからだろうか。
レコーディング
音楽番組の収録
エンジンの収録
ソロ活動
バベルの話し合い
最近は2回目の5ヶ月連続リリースをできたお陰なのか、スケジュールがパンパンだ。
でも、いちばん大変なのはmtkだ。
確かに俺もryoちゃんも大変だけど、mtkは曲の制作も、俳優業もしている。
mtk今頃何やってるんだろうな……
気になって、LINEを開いた。
『今何してる?』
「曲作ってる」
まだ曲作ってるのか……
ただでさえmtkは睡眠不足で、バラエティ番組でもその事を悩みとして打ち明けていたのに。
少し呆れを感じていたところ、また返信が来た
「wkiこそなにやってんの?」
なにやってる……か……
そう言われても、ただベッドに寝転がってるだけなので何もしていない。
返信に迷った末、こう送った。
『何もしてない』
すぐに返信が来る
「なんだよそれ…w」
なんだと言われてもな。
ふと俺は、何もしないとたまに泣くことを思い出した。
mtkは色んな責任感を背負ってると思うのに、全然泣いたところを見たことがない。
『mtkもやってみなよ』
一か八かで提案してみた。
すると、既読はついたが、返信は来ない状態になった。
やってくれてるのだろうか
10分くらい経った頃、オレはまたLINEを開mtkにメッセージを送った
『どう?』
するとmtkからすぐ返信が来た
「おかげで複雑な気持ちになったよ」
複雑な気持ち……?泣けなかったってことか……?
『泣けなかったの?』
「うん」
やっぱりmtkってそう簡単に泣けない体質なのだろうか。
また返信に迷った、うーんどうしよう
迷った末、こう送った
『ねぇ、mtk……家……行ってもいい?』
俺、mtkとなら寝れそうなんだよな……
するとすぐ返信が来た
「まぁ、いいよ。」
『ありがと、いまむかうね』
そうして俺は身支度をして、mtkの家に向かった。
mtk side
曲作りに没頭していると、ピーンポーンとインターホンが鳴る。
wkiだろうか。
そうしてドアスコープを覗いて見たところ、やっぱりwkiだった。
ガチャ
『ごめんmtk、こんな夜遅くに』
「別にいいよ、中入って。」
wkiを家にあがらせた後、俺はまた曲作りに戻ろうとする。
『ちょ、mtk、曲制作に戻らないでよ、』
「?……なんで?」
するとwkiはもじもじして、聞こえるか聞こえないかくらいの声量で言った
『その…………ぃっしょに……寝たぃ……です…… 』
「え? 」
wkiの顔はもう真っ赤。
相当恥ずかしかったんだろうな。
でも、俺はわざと聞こえなかった振りをする。
「え?なんて?ごめんもう1回言ってw?」
『なっ……///mtkのいじわる!絶対聞こえてただろ///!!?』
あれ?wkiってこんなに可愛かったっけ…?
そう思いながらからかいを続ける
「はい、もう1回、大きな声でねw」
『う”ぅ……泣/// 一緒に!寝たいですっ///!!』
「誰とw? 」
『mtkと///!』
「よく言えましたw」
そう言って頭を撫でると、wkiはあと一歩でオーバーヒートするまで顔が赤くなっていた。
「……なに?寝れなかったの?」
『うん……』
それで、俺の家に来たって訳か
『あと、mtkが遠慮なく泣けるように来た』
wkiの言葉に驚きが隠せなかった。
「え?」
『mtk、俺に言いたいこと全部いいな、』
そんなの申し訳ない、
それでwkiが泣いちゃったら、俺がもたないよ……
「そんなの、申し訳ないよ、大丈夫だかr」
『それでmtkが楽になれるなら、泣けるのなら、俺は全然いい。』
そんなこと言われたら……話したくなっちゃうじゃん……
もうヤケクソでwkiに打ち明けることにした
「……俺さ……5ヶ月連続リリースできたから、更に曲作りに没頭したくなったんだよね……」
「だから、こんな深夜までパソコンと向き合ってさ、頑張って曲作ってんのに、みんな昔のように褒めてくれなくなった……」
「まぁ、神曲とか、最高とか言ってくれる人もいる。でも、歌上手いとか、かっこいいとか、可愛いとか言ってくれてるコメントは少なくなった。」
「だから、どうしたら、何をしたら、JAM’Sは俺たちにそう言ってくれるんだろうか、もっと曲作りに励めばいいのか、もっと俳優業にのめり込めばいいのか、それとも、ただ単に俺が歌声を上達させなければならないのか…… 」
「わかんないんだよ……w 何すればいいのか、ただの俺の承認欲求っていうか、俺の歌を歌声をもっと褒めて欲しいだけなんだろうけどさ……」
「それを忘れられるのが曲作りだけだった。俺4日間睡眠も飲食もしてないんだよwでも、曲作ってる時はそれを忘れられる。意識が曲作りに全部もっていかれるから。」
「みんな、休んで欲しいとか言ってくれるけど、たしかに俺だって休みたいよ、でも休めないんだよ。スケジュールパンパンだからさOFFの日なんて滅多にないわけ、そりゃ休めないよ」
「俺は曲を作ってる時が1番楽、自分の気持ちを全部曲にのせれる。だから……俺は……」
ポロポロ
「あれっ……?なんで?なんで、俺泣いてんの……?あれっ?」
ぎゅっ
『mtk、ごめん、俺全然mtkがこんなに悩んでるの知らなかった。JAM’S達が全然褒めてくれなくなったことに、mtkがこんなに責任を感じる必要ないんだよ。』
『JAM’S達だって言葉にはしてないけど、神曲が出る度に可愛いとかかっこいいとか安定で歌が上手いとか思ってくれてるかもしれないじゃん?』
『昔のように褒めてくれなくなったのはmtkのせいじゃないから。大丈夫、mtkは今まで通りでいい。俺たちは俺達の曲をみんなに届けるだけでいい。周りからなんと言われようが、これが俺たちだってMGAだって言ってやればいいんだよ。』
『それに、俺mtkがいちばん楽になれるのが曲作りだなんて知らなかった。正直俺、今の時間帯にもmtkが曲作ってることに呆れてたんだよね……ごめん』
『でも、曲作ってる時が1番楽でも、無理はしないで、悩んでることがあったら俺たちに打ち明けて欲しい。いつでも俺たちは話を聞くし、逆にmtkにも悩みをうちあけることがると思う。だから、曲作りで忘れるんじゃなくて俺たちでなくそうよ。』
「wki……泣」
「ありがと……俺……ずっと悩みから逃げてたんだ……悩みが少しでもなくなるってこんなに楽なんだね……」
『気分はどう……?』
「楽になった、ありがとう」
『じゃ、寝よっか』
「うん、おやすみ、wki……」
そうして俺は、wkiの腕の中で、眠りについた。
fin.
このお話は一話完結なので続きありません!
普通に短い&下手でごめんなさい!
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