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放課後、寮の屋上に貴方は一人でやってきた。風に揺れる髪を押さえながら、少しぼんやりと空を見上げる。
「……貴方、また一人でいらしたのですか」
背後から低く、落ち着いた声がする。振り返ると、ジェイド・リーチがいつもの敬語で、しかしどこか鋭さを帯びた目で立っていた。オリーブとゴールドのオッドアイが、風に揺れる貴方をじっと見つめる。
「僕は、貴方が一人でいるのを、ただ見ていられません」
「え……?」
ジェイドはゆっくりと近づき、そっと貴方の手を握る。
「誰にも渡したくありません……貴方は、僕だけのものですから」
敬語で穏やかに話すその口調に、独占欲が微かに滲んでいた。
さらに、あの冷静な笑みの奥には、ほんの少しだけ悪巧みを思わせる光が宿っている。
「もし、誰か他の人と親しくしていたら……僕、許せないかも知れませんね。」
ジェイドはゆっくりとあなたの隣に座り、肩が触れ合う距離まで近づく。
「……こうして並んでいるだけで、安心します」
その声は落ち着いた敬語のままなのに、胸にじんわりと響く温かさがある。
ジェイドは軽く貴方の手を握り、指先で小さく圧をかけるように動かした。
「他の誰かに触れられるのは、絶対に嫌です……貴方は、僕だけのものです」
言葉は穏やかだが、独占的な意思ははっきりと伝わる。
貴方が戸惑い、視線を逸らそうとすると、ジェイドはそっと顎を上げ、視線を合わせさせる。
「目を逸らさないでください。僕の言葉、ちゃんと受け止めてほしいのです」
そして、風に揺れる髪に指を添え、少しだけ顔を近づける。
「……僕だけを見ていてくれますよね?」