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❄️白鳩🕊️
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#キン肉マン
⚠現代トリップです。
知らない場所
『大丈夫ですか!?聞こえますか!?』
「…う……」
肩を叩かれる感覚と慌てたような声に無理矢理目を開けると、ぼんやりと見える女の人の顔。
『お名前言えますか!?』
「……ときとう…、むいちろう……」
『どこか痛いところは?』
「…ん………」
頭がぼーっとしてそれ以上は答えられず、僕はそのまま意識を手放してしまった。
目の前の女の人が何か言っている。しばらくして、何かけたたましい音が遠い意識の彼方で聞こえた気がした。
「……ぅ…、ん………」
重い瞼を開けると、そこには見知らぬ天井。
『あっ、よかった。気が付いた!』
何となく聞き覚えのある声。
「……?」
頭を横に向けると、ほっとしたような表情を浮かべる綺麗なお姉さんがこちらを見ていた。
『どこか痛いところはない?一応、検査では特に異常なかったけど…』
「…検査?」
『CTとかレントゲンとか』
「しーてぃー?…れんとげん…?」
初めて聞く言葉だ。ゆっくりと身体を起こす。
『大丈夫?』
「うん…。……!?」
ふと窓の外を見た僕は驚きのあまり声も出なかった。
そこに広がっていたのは見たことのない景色。夜なのにぴかぴか光っていて、光る点がいくつも暗闇を移動していくのを見た。
「…何…、あれ……!」
『?』
改めて今自分のいる空間を見てみると、そこでまた驚く。
胡蝶さんのところのようなベッドにいる自分。部屋の中には見たこともないものがたくさんあった。しかも、自分が着ているのも鬼殺隊の制服じゃない。
「ここどこ…?」
『病院よ。道に倒れてたから救急車で搬送してもらったの。お名前は教えてくれたし、あなたは私の親戚ってことになってるから、話を合わせてくれると助かるわ』
「…………」
どういうこと?
「僕、なんでこの格好してるの?隊服はどうしたんだろ……」
『色々と検査があるから着替えさせられたの。元々着てた服は、ほら。ここにあるから心配しないで』
そう言ってお姉さんはベッドの脇の棚から綺麗に畳まれた隊服を取り出して見せてくれた。
「…よかった……」
一旦安心したものの、とんでもないことに気付く。
「あれ?刀がない…!」
『刀?』
「日輪刀が…」
『これのこと?』
「あっ」
お姉さんが姿勢を低くしてベッドの下から僕の日輪刀を取り出してくれた。受け取り、ぎゅっと握り締める。
『…不思議な服を着てるし刀を持ってるし、どこかの役者さんかなって思ったんだけど、それ、本物よね。そうなるとちょっとまずいと思って隠してたの』
そうか。世間では廃刀令が敷かれたのに刀を持ってるのは処罰の対象になるからか。
『この令和の時代、銃刀法違反になるかなと思って。でも大事なものなんでしょ?』
黙って頷く。
「レイワって何?」
『えっ』
僕がたずねた不思議な単語。お姉さんが驚いたように目を見開く。
『何…って……。元号よ。和暦。ほら、明治とか大正とか昭和とか平成とか。令和は今の元号でしょ』
「ちょっと待って。僕、明治や大正しか知らないよ。ショウワとかヘイセイも聞いたことない」
『!?』
2人の間に少しの沈黙が流れた。
『…あなた、大正時代の人?』
「そうだよ」
『そんな…。大正時代は今からもう100年ちょっと昔の元号よ……』
そう言ってお姉さんが小さな四角いものを見せてきた。日付かな。表示された数字を見て驚く。
「…2025年…!?」
『そう。2025年。令和7年』
理解が追いつかない。でもとんでもないことが自分の身に起きているのは分かる。心臓がバクバク音を立てる。
『……タイムトリップって、ほんとにあるんだ…』
また奇妙な言葉を呟くお姉さん。そして、僕の目を真っ直ぐに見つめて言った。
『いい?この話はあなたと私だけの秘密よ。信じられないことが起こってる。多分、あなたは今から約100年前の大正時代から、何かをきっかけにこの時代に来ちゃったの。でもこのことを言ったって皆がみんな信じてはくれないと思う。だからとりあえず話を合わせて。こっちにいる間は絶対に私があなたを守るから』
頷くしかできなかった。本当に100年も先の未来の世界に来てしまっているなら、色々と辻褄が合う。聞いたことのない単語も、見たこともない景色や道具も。
《ご来院の皆様に、面会時間についてのお知らせです。当院の面会時間は、午後8時までとなっております。お帰りの際は、どうぞお気を付けてお帰りください。繰り返します……》
天井から声が聞こえた。それにも驚く。
『…あと15分で私は帰らなきゃ。あなたは念の為ひと晩ここに泊まることになってるの』
「まっ、待って!僕、どうしたら…」
『明日迎えに来るから、それまで我慢して。大丈夫よ、意地悪されたりなんてことはないわ。朝ごはんは出るからしっかり食べてね。明日、10時にここに来るから』
「…っ……。うん…」
まだ頭が混乱しているけれど、言われた通りにするしかない。僕が大正時代の人間だって知っているのは、僕と目の前のお姉さんしかいないんだから。今は見ず知らずの得体の知れない僕を助けてくれたこの人を信じるしかない。
『不安だよね。でも大丈夫。きっと元の世界に戻れる方法がある筈だから』
そう言って、お姉さんが僕の手を包み込むようにぎゅっと握った。
『私は桐生真桜(きりゅう まお)。よろしくね』
「僕は…、時透無一郎…」
『無一郎くん。よろしくね』
優しく微笑む真桜さん。少しだけ、気持ちが安らぐ。
『…それじゃ、私は帰るね。これ、歯磨きセット。ここの水道使えるからね。あと、退屈ならテレビ観られるから、このカードをこの穴に入れて点けてね。別の番組が観たかったらこれで操作して』
僕がこの時代の人じゃないからか、色々説明してくれる真桜さん。
「うん。ありがとう…」
『じゃあ、また明日ね、無一郎くん』
「うん。真桜さん、また明日…」
真桜さんは軽く僕の頭を撫でて、部屋を出て行ってしまった。
1人になった部屋。しんと静まり返った空間。急に孤独感に襲われる。
とにかく眠ろう。これが夢だといいんだけど。
僕はベッドに横になり、布団を被って目を閉じた。早く明日にならないかな。初めて会った相手なのに、さっきまで一緒にいてくれた真桜さんが既に恋しくなってしまった。
続く
コメント
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うわあああ第1話からエモすぎる…!!😭💕 時透無一郎くんが令和にタイムトリップ??マジで設定だけで胸熱すぎん?? 「レイワって何?」のシーン、無一郎くんの戸惑いが切なくて泣ける…。真桜さんが優しくて頼もしくて、もう推せる。 刀を隠してくれたり「絶対に私が守るから」って言ってくれるの、尊すぎるでしょ…。 続き早く読みたい〜!!無一郎くんの不安をこのお姉さんがどう包むのか、ガチで気になる!!🌸✨