テラーノベル
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──────Aれいまり視点──────
はっと目が覚める。直ぐに確認と言わんばかりに私は自身の頭を撫でる。傷跡がなく、あの生温かい血も感じない。…それどころか傷がない?私が困惑していると春が近づいてくる。何故だか呆れたような表情をして。
「はぁ…。説明を聞かずに突っ走らないで。いーい?」
「…はい、わかりました…。」
私は怒られたことに少し悲しくなって俯く。春ははぁ、と少しため息をついて話を始める。
───めめ村のみんななら、頭を撫でて慰めてくれたのに。
無意識に重ねてしまい、はっとする。違う、私はみんなを助けるんだ。こんな、弱気になってはいけない。私は直ぐに思い直し、春の顔を面と向かってみる。それを確認した後、春は話始める。
「この創界典にある本はあらゆる世界線の記録を記した本です。過去も、今も、未来のことも全て書いてあります。そして、入りたい時間時空のページを開いて、手をかざすと、その時に飛べるんです。椎名さんはAルートでは、適当な時間に飛んだせいで最悪の時に行っちゃったみたいです。」
なるほど、と納得する。確かに、あそこからどうしたってみんなを救うことは出来なかっただろう。つまり、もう少し前には入っていないといけなかったのだ。
「そーれーと。あの世界はおそらくもう崩壊しかけます。」
「え!?」
私が驚きの声をあげると、春は少しばかり説明口調で教えてくれる。
「そりゃそうですよ。あの世界に一時的とはいえ、椎名さんという存在が2人もいることになってしまいましたし。…まあ、だから名前を変えて一時的に壊れないようにはしましたが。それでもあれは無理です。世界があなたが二人いると認識してしまったんですから。」
「え、でも他のみんなには私はドッペルということで何も言われませんでしたよ?」
「『世界』ですよ、世界。あなたは世界を欺いた、とでも言うんですか?…無理ですよ、さすがに。人間の身一つでできることじゃないです。」
「…あなたなら、あなたならそんな矛盾消せるんじゃないんですか?」
私が恐る恐る聞くと、春は首を横に震る。
「あなたは『作者が現れて全ての困難を破壊し、みんな幸せに暮らしました!ハッピーエンド!』っていう物語、面白いと思います?あなたと契約した理由は面白い物語を書くためですから。ハッピーエンドを書くーって言うんじゃないんですよ、私は。」
あ、と春が何か思いついたかのように言葉を漏らす。ポンっと手を音を立てて、春の手には抱えるほどの大きな箱が現れる。
「せっかくなら各世界に行く事に種族や、能力ガチャするの楽しそうですね!我ながらいいアイデア!そうなった、めめ村の種族も〜」
「え、え!?な、何するつもりですか!?」
ワクワクしたような表情で彼女は本を漁り、片っ端から触れ、その本を光らせていく。私の問いに、彼女は楽しそうに答える。
「せっかくなら、皆さんの種族もバラバラにしようと思いまして!…んまあ、バラバラにしすぎてもつまらないですし…少し統一性を持たせて〜っと。あ、この設定少し書き直そっと。」
そう言って、白紙のページにインクを走らせる。何が何だか分からないが、何か、想像を絶する事をやっているのだろう、と予想がつく。私は何度か後ずさりする。
と、言うかそもそも。
「私、やり直していいんですか?」
1番思った疑問だった。だって、普通は死んだらそれで終わりなのだから。不老不死や、神でもない限りそれは絶対だろう。しかし、私は生きて、そして当たり前のように次の世界に行くことになっている。良く分からないというのが感想だった。
「ん、ああ。そりゃもちろん。面白い世界に着くまで手伝ってもらうよ。…ああ、椎名さんが良ければハッピーエンドまで付き合うけど…まあ、そこは任せるよ。」
「ハッピーエンドまで付き合ってください!!私は、他の世界のみんなだとしても絶対、絶対に助けるんです!!」
私が即座に了承すると、春は目をぱちぱちとさせ、驚きを露わにする。
「えぇ、そんなに即決するの?神との契約は破棄出来ないよ?」
「構いません!!私は、何度やり直そうがみんなを助けます!!」
「カッコイイこと言うね〜。」
そうヘラヘラと彼女は笑いながら、彼女は人差し指をくるりと回す。そうすると、洋紙でできた紙が現れる。
「はい、契約書。しばらく悩んでもいいけど…。書いたり、やっぱり辞めるってなったら帰してねー。」
「お願いします。」
「はっやいなおい!?」
私は直ぐに自身の名前、『東雲椎名』という名前を書き、彼女に渡す。彼女も、その紙にサインのようなものを書くと、それが突然眩い光を放つ。
「契約成立。よろしくね、椎名さん」
「はい!よろしくお願いします!」
「んじゃ、早速次の世界行ってみるー?」
「了解です!じゃんじゃん行きましょ!」
しかし、意気揚々に言ったはいいものの、私は直ぐに死んでしまう。この世界に、東雲椎名が二人いるから。異物である私は直ぐに世界から殺された。どう、すれば…?
ここで切ります!れいまりさんはまだまだ元気ですねー!まだ末っ子気質がありつつも、現実を知らず、助けるという勇気だけを持つ。割と主人公っぽいですよねー。まあ、私のひとつの目標である全員が主人公、というのに当てはまってていいですね!
また、今回で契約が成立しましたね。経緯がかけて良かったです。なんか、ふわっと契約するイメージで書いてたので割と思い通りだったかもしれません。
ちなみに、私春のセリフですが、入れたかったんですが入れなかったセリフがあるんですよねぇ…。いつか、言えるのだろうか…。あ、割と心を抉る系のもの?かもしれませんが。
Bルートは割とあっさり終わりましたね。何回か即死を入れたいと思ってたのでちょうど良かったです。
また、短編集とかで本編のめめ村同士が戦うやつやりたい!トーナメントめっちゃ書きたい!!けどめんどい!!書く量が…まあ、受験明けにかければってことで
それでは!おつはる〜!
コメント
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ユルスヨ
最■の契約になってるから最悪なのか最高なのか分からないな?最終的に本編でハッピーエンドになってるから最高かもだけど、それ以外でバッドエンドかメリーバッドエンドを繰り返してるなら最悪かもだし、それにしてもこの時点で結構悲惨だなぁこれ全員に重い過去ある奴だ・・・とくにヒナルカとかめめさんとか八幡さんあたりが重そうだな・・・
それぞれの世界にレイマリさんが元からいたってことは、本編にもSレイマリと登場してなかった東雲椎名がいたってこと!?