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愛され教師、逃げ場なし

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愛され教師、逃げ場なし

4 - 第二王子の場合

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2025年05月13日

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書庫前で正座を命じられた夜。

それぞれ部屋へ戻ったはずの王子たちだったが――


「……先生。入っていい…?」


夜更け、ハイネの部屋の前に現れたのは、カイだった。


「……カイ王子? こんな時間に、どうしたのですか」


「渡したい、ものがあって……」


もじもじと懐から取り出したのは、小さな包み。

丁寧に折り畳まれた紙の中には――焼き菓子と、手書きのメモ。


「……これは?」


「王宮のコックに……教えてもらって、作った。……先生が、甘いの好きだって……前に、言ってたから」


言葉は少ない。でも一つひとつが、誠実で。


「……美味しいかわからないけど、……気持ちは、いっぱいこめた」


そう言って、カイはハイネの目をじっと見た。


「皆、先生が好きって言ってた。でも……俺は、前からずっと、先生を……」


言葉を切ると、カイは顔を少し赤らめながら、静かに続けた。


「……守りたい、って思ってる。先生に、何があっても、どんなときでも」


「……カイ王子」


「だから、……俺のこと、ちゃんと見て。……“生徒”だけじゃ、いやだ……」


いつもは無表情で強面なカイが、今はどこか不安そうで――

でも、まっすぐに思いをぶつける瞳だけは、ずっと真剣だった。


ハイネは黙って、その気持ちを受け止める。


「……ありがとう。いただきます、大切に」


その言葉に、カイの口元がほんの少し、やわらかくほころんだ。


そして――


「……また、来てもいい?」


「……もちろんですよ」


そうしてカイは、満足そうにうなずいて、部屋を後にした。


静かな夜に響いたのは、小さな足音と、

焼き菓子の甘い香り――。


愛され教師、逃げ場なし

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