テラーノベル
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Side:彼岸 ——「——くっくっく。まったく、世の中ってのは本当に上手くできているなぁ」
岩塩洞窟の深部、松明の赤い光が揺らめく地下回廊。
鏑木カムラは、粘りつくような黒い雷——『闇電』を指先に走らせながら、低く歪んだ笑い声を漏らしていた。
今、五大国をはじめとする忍の世界は、恐るべき暗雲に覆われている。
赤い雲の羽織を纏う謎の犯罪組織——『暁(あかつき)』。
彼らが各里の人柱力や尾獣を狙って大々的に動き出したことで、五大国の警戒と戦力はすべてそちらへと奪われていた。大国の暗部も、上忍たちも、喉元に突きつけられた「尾獣強奪」という未曾有の危機に手一杯。
火の国も、風の国も、辺境の警戒など二の次、三の次だ。
「大国どもが『暁』という巨大な影に怯え、右往左往している……。ククク……僕たち『彼岸』にとっては、これ以上なく動きやすい舞台装置(おぜんだて)だ」
メガネの奥で、カムラの瞳が狂気的に光る。
「あー……ほんと助かるわ〜。大国の暗部に見つかったら逃げるのダルいし? 暁様々だねぇ」
壁にもたれかかり、煙管から熱い水蒸気をくゆらせているのは蒸月(じょうげつ)だ。
いつもなら「だりぃ」を連発する男の口元にも、薄汚い笑みが浮かんでいる。
「ヒャッハー! 暁だか何だか知らねえが、世界が混乱してくれりゃ万々歳だろ!! どこもかしこも人手が足りなくて、俺たちが何しようと誰も止めに来られねぇんだからよぉっ!」
イワドが宙に浮かせた巨大な岩塩の塊を、重力で一瞬にして粉々に粉砕する。
ガラガラと崩れ落ちる岩の音と、イワドの凶暴な爆笑が洞窟内に響き渡る。
「ホントホント〜。おかげで俺たちの狙い……あの『たつまきアカネ』の回収に集中できるもんね〜」
テッサが浮遊する砂鉄の波に乗って、軽体術で降ってきた。手に持った砂鉄の槍をくるりと回し、前髪をかきあげる。
「で? カムラ。準備は整ったんでしょ? あのドラゴンちゃん、なんか怪しい万華鏡の忍(うちはナラク)やら、木ノ葉の白眼のぼっちゃん小隊(日向ミズキたち)やらを引き連れて、ゾロゾロとこのアジトに向かってきてるみたいだけど?」
「……フン。雑魚が何人群れようと関係ない」
カムラは手元に広げた大蛇丸様の手記を愛おしそうに撫でた。
「あのガキ……たつまきアカネの体内で変質を続ける『龍のチャクラ』。大蛇丸様すら解明し得なかった、自然発祥の仙術変異体……。暁が世界を攪乱してくれているこの隙に、あの肉体を完全に解体し、チャクラの構造を我らのものとする」
カムラの指先から放たれた『闇電』が、黒い蛇となって壁の岩肌を焦がす。
「大国が『尾獣』という古くさい力に固執している間に、我らは大蛇丸様を超えた『至高の真理』を手に入れるのだ」
「あはっ♡ 言うねぇカムラ! じゃ、俺はあの白眼のイケメンぼっちゃんたちを砂鉄で固めて遊ぶとするかな〜」
「俺はあの万華鏡の女を重力で握り潰してやるぜぇ! どんな悲鳴あげるか楽しみだなぁ! ヒャッハー!!」
「あー……めんど。じゃあ僕は、音響の変態と根暗の傀儡師を蒸気で蒸し焼きにして寝る……」
四人の凶悪なチャクラが、重く湿った洞窟の空気を狂気で満たしていく。
『暁』という時代の嵐が世界を揺るがす陰で、蛇の影を追う狂徒たち——『彼岸』。
近づくアカネたちの足音を察知しながら、彼らは歓喜に満ちた歪んだ笑みを浮かべ、決戦の闇へと身を躍らせたのだった。
#うちはイタチ
琴葉つきね
979
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コメント
1件
うわ……第10話、めっちゃ不気味でカッコよかった……! 「彼岸」の面々、それぞれのキャラが立ってて良いよね。カムラの狂気じみた知性、蒸月のめんどくさそうなのに実はワクワクしてる感じ、イワドの脳筋パワー、テッサの軽いノリ——全員個性バチバチで読んでて楽しかった。 暁が世界をかき乱してる隙に、自分たちの野望を進めるって発想がもう悪役として最高。大蛇丸様超えを狙うとか、背筋がゾクゾクするよ……。アカネたちが近づいてくる中での「決戦前の狂気の宴」って感じがたまらなかった🥀 次、どうなるのかすごく気になる……!