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辰哉...........
第一章:見えない手紙
深澤辰哉「おい、照。これ、何かのドッキリか?ロッカーに手紙入ってたんだけど…『2029年の自分へ』って書いてあんの」
岩本照「…またスタッフの仕込みか?でも、それにしては手が込みすぎじゃないか?」
深澤辰哉「しかも内容が妙なんだよ。『辰哉、お前は2025年の今日、照に秘密を話す』とか書いてあんの。怖くない?」
岩本照「え、秘密?何か心当たりあるのか?」
深澤辰哉「ないって言いたいけど…ちょっと思い当たることはある。でも、言いたくねぇな…」
岩本照「それ、俺に関係あること?」
深澤辰哉「…ある」
岩本照「言えよ。気になるだろ。未来からの手紙だぞ?ただのイタズラじゃねぇ」
深澤辰哉「…じゃあ聞け。実は、去年のお前のケガのとき、俺…お前の代役、最初断ったんだ」
岩本照「……」
深澤辰哉「怖かったんだよ。お前の穴を埋めるなんて無理だって。でも、みんなの前では平気なフリしてた」
岩本照「なんで今言う?」
深澤辰哉「それが手紙に書いてあったんだよ。『本当のことを話せば未来は変わる』って」
岩本照「……そっか。ありがとな、正直に言ってくれて」
深澤辰哉「怒ってないのか?」
岩本照「怒る理由ないだろ。怖いのは当然だ。俺だって、お前がステージに立ってるとき、誇らしかったけど少し羨ましかった」
深澤辰哉「それも本音か?」
岩本照「ああ。たぶん、そういうの全部ひっくるめて“未来”が見てたんだろうな」
第二章:消えた日記帳
深澤辰哉「照、俺の部屋から日記帳が消えた。あれ、未来のこと書いてたやつなんだけど」
岩本照「未来のことって…自分で書いたのか?それともまた、どこからか届いたのか?」
深澤辰哉「最初の手紙に、『日記をつけておけ』って書いてあったから、毎日書いてた。でも昨日の分、書いた記憶がない」
岩本照「記憶が…ない?」
深澤辰哉「夢だったのかも。でも、その夢の中で俺、誰かに言われたんだよ。『照を守ってくれ』って」
岩本照「……なあ、それってもしかして……未来の俺だったんじゃないか?」
深澤辰哉「……正直、そう思った。声、すげぇ似てたんだよ。あの落ち着いたトーン、ちょっと低めで」
岩本照「俺が未来で何かあって、お前に託した…?」
深澤辰哉「それを止めるために、俺にだけ記憶が残ってるのかもしれない。でも日記帳が消えた今、証拠が何もねぇ」
岩本照「だったら今から記録しよう。手紙の内容、夢の内容、全部」
深澤辰哉「お前が言うと…マジでSFドラマっぽいな」
岩本照「いや、リアルな未来の話だよ。たぶん、俺らは何かを変えられる」
第三章:雪の中のメッセージ
岩本照「なあ、辰哉。今日、収録終わりに雪、見た?」
深澤辰哉「見た。しかもさ、ビルの屋上に『START AGAIN』って足跡が書いてあった。あれ、お前か?」
岩本照「俺じゃない。でも、その言葉、俺の夢にも出てきた」
深澤辰哉「まさか、また未来からの…?」
岩本照「そうかもしれない。あの言葉、俺らにとってのキーワードなんだと思う。何かをやり直せってことだろ?」
深澤辰哉「でも、何を?」
岩本照「未来の俺が死ぬって夢を見たんだ。ステージの上で、ライトが落ちてくる。俺は動けなかった」
深澤辰哉「……それ、次のライブのセットと一緒じゃん」
岩本照「そう。だから変えなきゃ。セッティングも、タイミングも」
深澤辰哉「それだけで助かるのか?」
岩本照「わからない。でも、あの“START AGAIN”はきっと『止まるな、やり直せ』っていう意味だ」
深澤辰哉「じゃあ、止まんねぇぞ、俺ら」
第四章:未来への返信
深澤辰哉「照、手紙を書こう。未来の自分たちに」
岩本照「手紙って…また?」
深澤辰哉「今回は俺らから送るんだ。“未来から届く”のを待つんじゃなくて、自分で未来を作る」
岩本照「…いいな、それ。内容は?」
深澤辰哉「“俺たちは今日、恐れず選んだ”って」
岩本照「“過去に逃げず、未来を信じた”って書こう」
深澤辰哉「“仲間を信じた”も忘れんなよ?」
岩本照「当然だ。お前とだから、ここまで来られた」
深澤辰哉「照、もし未来でもまた迷ったら…この手紙を思い出せ。俺たちは何度でもやり直せるから」
最終章:未来は、今ここにある
スタッフ「お疲れさまでーす!本番、いい感じでした!」
岩本照「ああ、ありがとう!…なあ辰哉」
深澤辰哉「ん?」
岩本照「なんか、今日は“死ななかった未来”に立ってる気がする」
深澤辰哉「そうだな。“選んだ”未来に立ってる」
岩本照「じゃあ、次はどうする?」
深澤辰哉「また走るだけだろ。お前と、Snow Manと一緒に」
岩本照「“START AGAIN”…か。いい言葉だな」
深澤辰哉「うん。何度でも始めようぜ、照」
完