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「 ︎︎ㅤㅤㅤ また , 貴女に逢いに行く 。 」
〈 人物紹介 〉
( 主人公 ・ ヒロイン ) ジュリエット ・ オフィーリア
17歳の少女 。オフィーリア国の3人目の王女 。
皆からとても愛されるような愛らしい存在 … だった
15歳の頃の魔法属性鑑定により 、属性が分からぬ程に微塵も魔力が無く … その翌日ジュリエットのお庭に
黒百合が咲いたことから 、「 黒百合の姫 」と 、
呼ばれるようになってしまった 。
それから1ヶ月後 … 陛下 ( 父 )から 「 邪魔だ 」と
言われ 、「 冷酷騎士団長 」に無理やり嫁がせられ …
( 男主人公 ) レオンハルト ・ ルドルフ
21歳の男性 。ルドルフ公爵家の長男で次期当主 。
冷酷無情な性格であり 、口数も少ない 。
オフィーリア国の誇る騎士団 、オドゥム騎士団の 、
騎士団長を務めている 。魔法にも武術にも長けており
魔法属性は「 闇 」である 。ルドルフ家の現当主で 、
レオンハルトの父であるフランツ ・ ルドルフにより 、「 黒百合の姫 」 に無理やり婚約をさせられ …
いつの間にか溜息をつく日々 。終わりの無い憂鬱に 、逃げようとも思わない気だるさ … 重く 、深く …
まるで沼のように沈んでいく気持ち …
二年前
「 どう言う事だ … !! 魔力が微塵も無いだと … !? 」
いつもは怒鳴らない父上が 。珍しく声を荒らげていて
… 私にはよく理解出来なかった 。
「 くそ … 今まで手をかけてやったと言うのに !! 」
そう言われ 、王宮の離れに幽閉しろという指示に …
私も逆らう事は出来なかった 。
「 っ … お父様 っ … !! 」
必死に後ろ姿を見つめ 、泣き叫んで呼んでも …
お父様が振り向いてくれることは無かった 。
次の日に 、窓から庭を見ると 、黒百合が沢山咲いて
いて … 綺麗だなと思って 、一輪摘んで 、メイドに
渡した 。
「 っ … 何ですかこれは … !! 」
まるで汚いものを見るような視線 。
綺麗だと思って摘んだ黒百合を踏まれ 、疑問しか
湧かなかった 。
それからメイド達からも冷遇されるようになり 、
いつの間にか 「 黒百合の姫 」だなんて呼ばれ …
メイドや従者の人達から痛ぶられ 、虐げられる日々 。
最初は抵抗していたけれど … いつしか諦めて 、
道具としての日常を … 受け入れるようになった 。
… いつの間にか 、この生活にも慣れていた 。
少し薄汚れた部屋で 、少しのスープとパンを齧り 、
必要最低限の行動で過ごす無意味な日々 。
… どうしてこうなってしまったのかも 、よく 、
分からないまま … ただ生きる事だけを考えて 。
… そんな無の感情のまま過ごしていたある日 。
「 お前は邪魔だ 。公爵家に嫁いでもらう 。 」
… 一瞬 、お父様の言う事が 。理解出来なかった 。
「 今日中に荷物をまとめて出て行け 。良いな 。」
「 … はい 、お父様 。」
… 何故 、こうなってしまったのだろう 。
私に … 魔力が無かったから ? … 利用価値が無いと分かったから … ? … 理由が何にしろ 、婚約という事実が頭から離れることは無い 。
「 それに御相手の方は … 」
冷酷無情 、戦の怪物とも言われ 、恐れられている …
レオンハルト様 …
「 御相手か誰であれ … 尽くす事に変わりは無いわ 」
どれだけ冷たくても 。どれだけ恐れられていても 。
きっと此処よりも 。暖かいだろうから 。
「 … 此処かしら … 」
凛々しく佇む門の傍で 、迷っていたら …
「 そこの者 、何者だ 」
門番の方に話しかけられてしまった 。
… よし 、行くわよジュリア …
優雅にドレスの裾を持ち上げ 、軽く礼をする 。
「 王宮より参りました 、ジュリエット ・オフィーリア と申します … 」
「 … お入り下さい 」
重圧感のある門をゆっくりと開けられ 、そのまま中に入らせて貰ったが …
「 … 随分 … 広いわね … 」
花や飾り等などの彩りは一切なく 、一件寂しいように見えるが 、上品に整えられた草木達が 、お屋敷を
凛々しく 、そして美しく魅せている …
「 … 素敵 … 」
屋敷や庭に見入りながらも 、足を進めて行く私 。
… 夜風が頬に当たり 、涼しいと感じた 。
… 扉の前で数回ノックをし 、荷物を持って待つ …
「 … どなたですか ? 」
「 王宮より嫁ぎに参りました … 私第三王女の … 」
「 … それはそうですか !! さぁさぁお入り下さい !! 」
… 言葉を遮るように中へ案内され 、私も流される
ように 、そのまま屋敷内へと入らせて貰った 。