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かなり時間空きましたお待たせしましたどうもにあぱしーでございます
今回は4000字ぎっちり詰まっております楽しんでね!!
見直しあまりしてないため誤字めっちゃあるかもごめんなさい、気にしないで見てね!
BL要素すこしあります、それでもええ人、いいぞもっとやれの人はgo!!↓
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「…ただいま」
今日も返事がなく、虚しく自分の声が響いた。
最初はとてもショックで、悲しくて悲しくて仕方がなかった。
なんでや、どうしてと嘆きながら、真っ暗な空間を手で掻き分けて探し出しても、見える答えは一つもなく、空気を掠めるだけだった。
でも、よく考えてほしい。
どうしてぱったりと急に家族たちはみんな冷たくなってしまったのか、今思えば何ひとつ納得していなかった。
この状況に慣れて頭が冷め、冷静になってきた今。
玄関先でたちどまり、顎に手を当て考えてみることにした。
その瞬間。
がしゃりと聞こえた何かが割れる音が響く。
「…え」
既視感があった。
あ、だかう、だかわからない言葉を発する。
頭にとてつもない痛みが走った。
ガンガンする。
「はぁっ、はあっ、はあっ」
動悸がおさまるどころか、速さを増してゆく。
流れ落ちる冷えた汗を拭い、空を仰いだ。
急に、ぶわりと記憶が頭の中に舞い込んだ。
全てを思い出した。思い出してしまった。
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僕は、虐待を受けていた。
虐待と言っても、それほどひどくはない方だった。
殴られたり蹴られたりはすこしあっても、あざや傷はすぐ癒えた。
親は兄を好いていた。
勉強もできるし、運動もできる。
多彩で、僕が勝てることなんて一つもなかった。
自分がひどく言われるのはあまりないし、言われたとしてもたまにだけ。
でも、隣の兄が褒められているのをみる方が苦痛で、胸が張り裂けそうだった。
でも、僕もご飯は食べさせてもらっていたし、生活費も親が嫌々出してはくれた。
そのため、生活に支障はなかったのだ。
数日前のある日。突然変化は訪れた。
僕の記憶が曖昧で、別の記憶で思い切り塗り潰されていく前のことだった。
父親の機嫌が悪かったのだ。
父は故に言うクズだ。
頭はとても良いが、性格が悪く、女癖も金遣いも荒い。
この家族の中で一番の恥だと感じていた。
彼はギャンブラーだった。
その日、父は負けて金を溶かし帰ってきた。
負けて機嫌が悪く帰ってきたのはたまにはあった。
あっても年に数回ほど。
イライラしているオーラは放っていたが、放っておけば何も問題はなかった。
でも今回は違った。
父は酒を飲んでいた。
彼に理性というものは存在しなかった。
少し通りかかった僕に、大きな拳が振り上げられた。
にぶい音が響く。
何回も。
今までにない大きいショックが僕の中でのたうち回る。
逃げろと体と頭が叫んでいた。
でも、体がすくんで動けない。
僕は唇を噛んで耐えるしかなかった。
罵倒の言葉を投げかけられた。
息が詰まった。
うまく息が吸えなかった。
涙をこらえてこらえて耐える。
耐える。
耐える。
耐える。
親と僕の思い出、親に対する微かな愛。
それは痛みでぐちゃぐちゃに塗り潰された。
急に父は何事もなかったかのように僕からサッと視線を外し、どこかへと向かっていってしまった。
僕は床にへたり込んだまま、その姿を目におさめる。
急なることにぽかんとした。
何をされたか一瞬わからなくなった。
震える足で急いで自室へと向かう。
自室に飛び込み、ベッドにへなりと座り込む。
顔は何もされていなくて安心したが、問題は身体の方だった。
カッターシャツの隙間から見える肌の色があきらかに異常で、見るだけでも痛そうだった。
押したり触れただけでも激痛が走る。
でも、でも、そんなことよりも、1番ショックが大きかったのは精神的なことだった。
少しの信頼を置いていた家族に急に罵倒され、殴られたのだ。
僕は泣かずにはいられなかった。
思いっきり泣いた。
声を殺して泣いた。
数々の罵倒により、声をあげて泣く権利がないとさえ思えた。
体が訴えかける様々な痛さが、精神的な辛いに塗り替えされていく。
突如、無力感に包まれる。
涙も出なくなる。
僕は急に宙にぷかりと浮くような感覚に囚われた。
ぐらりと焦点が何一つ合わなくなった。
バンッと頭がおもいきり床に当たる。
気付かぬままに僕は意識を失っていた。
涙で湿った手だけが、生々しさを訴えかけていた_____
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______一気に現実に引きずり込まれる。
ここ数日見ていたモノはまるで嘘みたいで。
薄気味の悪いおとなしかった家族も、今は違う。
「おい」
父の声だった。
グロテスクな程に真っ黒に染まった声色が、耳の奥を駆け巡る。
次第に頭の中にぐるぐると回転しだす。
一気に現実味を帯びていた。
僕はここ最近、何を見ていたのだろう。
次の父の言葉を待てず、本能的に僕は家を飛び出した。
飛び出した先の道路で、僕はすぐさまぐしゃりと崩れ落ちる。
さっきまで降っていなかった雨や雨風が、ごうごうと鳴り響いている。
雨は、びしゃりびしゃりと僕に容赦なく打ちつける。
どこかにいくあてもなく、途方に暮れた。
僕にただ一つ、ただ一つだけ、か細い糸のような希望が残っていた。
それは、大先生だった。
会いたい。
すぐさまそう思った。
でも、涙やら雨やらでぐちゃぐちゃな、身体中の傷やあざでボロボロの僕を、誰が愛してくれるのか。
激しく打ちひしがれた僕の心は今にも張り裂けそうで、いっぱいいっぱいだった。
けれど、会いたいのだ。なんとしてでも。
大先生の家は昔遊びに行っていた時期があったため、少しだが知っていた。
震える足で姿勢を立て直し、ふらつく頭を抱えて一歩一歩と歩き出す。
何もしていないのにもう息も絶え絶えだ。
濡れたカッターシャツが体温を急かすように奪い合ってゆく。
僕は棒のような足でなんとか大先生の家へと先を急いだ。
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はあっ、はあっ、はあっ
どれだけ進んだのか、家から出て何分経ったのかもわからないまま、無情に息は切れる。
1秒が1時間に思えるほど遅く感じながら、アスファルトに一つ、また一つと重い足跡を落とす。
もうすぐで大先生の家に着くはずだ。
この時間でも親はいないことは知っている。
大先生の家の落ち着いた色の屋根はもう見えていて、それを見ただけで涙がこぼれそうになった。
もう一層足を前に出すスピードを上げた。
家のドアが次第に見える。
「post」の文字は、雨と涙で滲み歪んだメガネでは捉えることはできなかったけれども。
震える手でインターフォンをそっと押した。
ピンポーン
雨の音と共に、無機質で規則的な音の波形が空気中に広がる。
ドア先の玄関の電気がぱちりとつけられる。
がちゃりとドアを開けた張本人は、俯いた僕でもわかるほど驚きに満ちていた顔をしていた。
「……は………?………とんち…?」
「…………大先生、…急に押しかけてごめん、やっぱ僕、」
帰るわなと言いかけた途端、ぐっと体を引きよせられる。
「…何があったんかはわからんけど、とりあえず風呂でも入り」
「えっ?」
大先生らしくない、今までに聞いたことない声だった。
びっくりして、パッと顔を上げて大先生を見た。
視線がぱちっとあった。
悲しみとも不安ともとれる、今にも泣き出しそうな顔で。
でも気を遣ってくれたのか、少し微笑んでいた。
急かされるがまま風呂場へと連れていかれ、ちょっとしたらまたくるなと、大先生は一言おいてぱたぱたとどこかへ行ってしまった。
寒気も体の痛みも主張強く訴えていたが、戸惑いには勝てなかったようだ。
「…??????」
しばらく僕は頭の上にはてなマークをたくさん浮かべてぽかんとした。
95%拒否られると思い込んでいたが、その5%も超えてくるとは聞いていない。
風呂の選択肢は頭になんかなかった。
こんな僕なのに、なぜ?
…あいつの頭おかしいんとちゃうか?
…考えても無駄だと察し、ぷちぷちとカッターシャツに手をかけた、途中。
「いっ…!」
やっぱりだ。
怪我がとても酷い。
いくら僕でも、激しく殴られたおとついのあざはそうそう消えない。
さっきの雨でますますあざが青く浮かび上がっていた。
左腕の傷もそれは擦れて擦れて。
もう人間の色をしておらず、ひどく主張の強い緑色であった。
もうどうしようもない自虐思考によって無力感へと導かれる。
涙も出ない。
過激な地肌が見えてしまうことに嫌悪を覚えた僕は、服など脱ぎたくもなかった。
大先生に見られたら、なんと思われるのだろうか?
嫌われるのか?迷惑に思われてしまうのか?
…もう、僕は生きていてもいいのか?
全てが嫌に思えた。
ふっと目を伏せたとき、ドアの向かいから聞き慣れた声が聞こえた。
「おーいとんち、いま大丈夫け?」
大先生の声だ。
大先生はコンコンっとドアを軽く叩いた。
「大先…生…お、おれ…だいじょうぶや…ない…」
捻り出したような声で応答する。
「とんち…?」
「…ご…めん……」
ふるふると声が震えた。
変にも取り繕えない。
なぜか、大先生が絡むと涙もろくなるのは気のせいだろうか。
さっきの砂漠のような目から、ぼろぼろと雫が頬に道を作る。
「…服、ここに置いとくな。痛かったら無理に着替えんでええで」
「えっ……」
「風呂、入れそうか?」
ドア越しでも伝わる温かな言葉が僕の心を癒す。
どうして、こんな僕に気を使ってくれるのだろう
もういっそう涙が溢れ出す。
「…頑張って、はいる…」
「…そか、無理すんなよ?ゆっくりしいな。俺はいつでも待つで」
変わらず体は痛みを訴えかけていたけれど。
変わらず左腕は緑色に滲んでいたけれど。
震える足は次第に止んで、心は少しばかり軽くなった。
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シャーッと水滴の音が浴槽に響き渡る。
改めて見るが本当に酷い怪我だ。
上半身だけだと思っていたあざは、足にもたくさんあった。
蹴られたときのものだろうか。
悔しくなって、唇を噛み締める。
にぶい鉄分の匂いが浴室に立ち込んだ。
きゅっとシャワーを止め、シャワーフックにかける。
涙とシャワーの水がいっしょくたになって、ぼとぼとぼとと落ちてゆく。
髪を絞って水滴をおとし、浴室を後にした。
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どうもおつかれさん!!!読んでくれてありがとう!!!
不定期だけど続けられるよう頑張りますわ!!
ほなまた〜!ばい!!