テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
紀和莉莉(きわりり)は、夫と一緒に譲渡会へ行った。
まだ子は授かっていないが、それで幸せだった。莉莉は今までずっと動物を飼っていた。夫の正幸(まさゆき)は一歳を過ぎてから動物と暮らし始めた。そして正幸と共に譲渡会へ向かったのだ。
どの子にしようかと周っていると、莉莉の耳は「みゃー」というかすかな声を捉えた。ハッとして振り返るとそこにはキジトラの猫がすました顔でこちらを見ていた。顔はすましていましたが、目は無邪気な子供のようにキラキラと輝いていました。猫はぱちぱちと瞬きをした。瞬きは信頼の証なのだ。「初めて会うのに信頼してくれるなんて」と、莉莉は近寄った。猫はこちらをじっと見返してきた。そして撫でてと言わんばかりに頭を擦り寄せた。「りーちゃん。どうした?」夫の正幸も来た。正幸もキジトラ猫を見ると、スッと手を伸ばしてケージ越しに猫の喉をくすぐった。「この子にしようか」そう言ったのは莉莉か。それとも正幸か。
その猫は、名を鮭(さけ)と言った。鮭は保健所から引き出した子だった。鮭という名はこの子を保護した筆巻由墨(ふでまきゆすみ)が仮の名とした名付けた。
そしてすぐに申し込み、トライアルを始めた。そして正式譲渡となった。家一番のやんちゃ犬、めりを呆気に取らせるほど元気で活発だった。二人は新しい名をつけた。メスだったので、銀姫(ぎんひめ)と名付けた。銀姫はとても人懐っこかった。姫という名がついているがやんちゃなのもかわいい。家一番のやんちゃ犬の雑種犬、めりに遊ぼうと誘う時は、前足でちょいちょいと触ります。いたずらばかりするのに、誘う時だけおしとやかに控えめにするのを見ると莉莉も正幸も笑います。
「銀姫はかわいいし、元気はいいんだがいたずらが多いな。教育係を兼ねた大人の猫を迎えようか?」と正幸が言った。「そうね。そうすれば落ち着くかしら」莉莉もうなずいた。そして奄美大島からやってきたメスのサビ猫、姫乃(ひめの)を迎えた。仮の名は、ウールィという名でしたが、猫には姫、という名をつけようということになって、姫乃という名にした。興奮して、遊ぼうと飛びかかってくる銀姫にも怒らず上手にたしなめた。そしていつの間にか二匹は姉妹のように仲良くなっていた。「ねえ、まさ。」まさとは夫の正幸のことだ。「ん?」「由墨さんが、預かりボランティアやってみないって誘ってくれたでしょ?あれ、やってみない?最近ノネコの捕獲がありすぎて大変なんだって。」「おう。いいよ。りーちゃんがいいと思うならついていくよ。」
そして1ヶ月後、奄美大島から来た保護猫が家に着いた日に、莉莉は妊娠しました。そして来た黒猫に莉莉は喜多希(きたき)と名付けた。
銀姫は奄美大島で生まれました。しかし、母猫は病気になり、乳が出なくなって衰弱していたところを保護されました。母も兄弟も家族は見つかりましたが、鮭という名だった銀姫は二歳を過ぎても里親が見つかりませんでした。そこで出会ったのが紀和夫婦だったといういことです。
「ずっと一緒だよ。」いつも夫婦は腹の子と銀姫たちに呼びかけます。