短編集

「 俺だったらそんな気持ちにさせない 」

俺には好きな人がいる。

その好きな人には素敵な彼氏がいる。

…俺とは違って運動も勉強もできる万能なやつで俺が敵うはずもない相手だ。

それに付き合っているから敵うもくそもない。

でもある日その子は俺に泣いて相談してきた。

赤♀「……ぅ”っ…ないくｯ…”泣」

桃「ん？…ぁ、…え？ど、どうした？」

急な出来事で思わずびっくりする。

そろそろ寝ようと歯磨きしていたときに家のインターホーンが鳴り、出たら泣いている俺の好きな人がいる。

しかも脳の処理をつかせようと必死に脳を回転させているときにりうらから俺に抱きついてくる。

涙を俺の服で拭う。

赤♀「うゎき…ｯ”、…されたぁっ”泣」

信じられない言葉が耳に入る

「浮気された」…？

俺は本気で幸せにしたくて頑張ってきたのに奪っといて浮気してりうらを捨てた…？

それにこんな顔にさせてるってこと…？

桃「…浮気…？」

赤♀「う”ぅｯ…あぁ”ぁｯ…泣」

ひどく絶望したように泣きわめく。

本当にひどく許せない。

俺から奪っといて幸せにしないで捨てて、許せないことばかりだ。

だからこそふつふつと心の中で沸く感情があった。

桃「…なにそれ、最悪。ってかうちのりうらをなに泣かせてんの…」

気づいたときには声が出ていた。

…それにりうらはびっくりしたのかこちらの顔をじっと見つめてくる。

泣いていても綺麗なその顔に俺は思わず引き寄せられる

桃「…っ、俺だったらそんな気持ちにさせないのに」

赤♀「なぃ…く…っ？（涙拭」

桃「俺だったらこんな顔させないのに、俺だったらこんな感情を知らなくていいぐらい幸せにしてやれたのに…」

口を止めたくても止められなかった。

ずっとずっと思っていたとこと、今知ったことで許せなくなったその感情は口から溢れ出るばかりだ。

桃「…りうら、俺とあいつ。どっちがいい？」

赤♀「……え？」

桃「好きです。付き合ってください。」

end