テラーノベル
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窓の外がうっすらと青みがかり始める頃、大会の本配信が終わったあとの二人は、どこか疲労と興奮の入り混じった空気が漂っていた。カスタムマッチの激戦を潜り抜け、二人は今、別のタイトルのカジュアルなデュオに潜り込んでいる。
「いやー、さっきの試合、マジで無理やろあれ」
だるまが声を弾ませながら笑う。画面の中では、二人のキャラクターが広大なマップの草むらを走り抜けていた。数時間前まで数百人のプロやストリーマーがひしめく大舞台の緊張感の中にいたとは思えないほど、いつも通りの軽口が戻っている。
「いや、お前が最初に突っ込むからだろ。引くタイミング間違えてんだよ」
「は? カバー遅かったのそっちやん」
「はいはい、俺が悪いってことで」
口では適当に流しつつも、ありさかのマウスの動きは淀みない。ゲーム内の音を聞き逃さないようにヘッドホンの位置を直すと、絶妙なタイミングでだるまの視界の死角をカバーするように銃口を向けた。二人が組んだときの連携は、長年同じ景色を見てきたからこその阿吽の呼吸だった。言葉で「ここをこうして」と指示しなくても、相手のクセや、次に何をしたいのかが画面越しに手に取るように伝わってくる。
「敵来た、足音する」
だるまのトーンがわずかに変わり、同時に戦闘のスイッチが入る。
派手な指示はない。ただ、お互いの位置と残弾数、敵の足音の方向が、短い掛け声だけで完璧に共有されていく。お互いの背中を預け、どちらかが倒れてももう一方が絶対に不利な状況を覆すという絶対的な信頼があるからこそ、無理な突撃も強気なピークも成立していた。
「っぶねえ……!」
だるまが息を吐き出しながら笑った。
「まあ、俺がいなきゃ初動で死んでたな」
「はいはい、あざーす。お前のおかげで助かりましたわ」
感謝をサラッと冗談交じりに返しつつも、その声音には確かなリスペクトが滲んでいる。画面の向こうでどれだけコメントが荒れようと、誰が何と言おうと、この二人で並んでゲームをしている瞬間だけは、お互いが一番信頼できる相棒だった。
「もう一戦行く?」
「いや、さすがに寝るわ。お前もそろそろ寝ろよ」
「はーい。じゃあお疲れ」
通話が切れ、部屋に静寂が戻る。画面を落とした暗いモニターには、少しだけ晴れやかな表情をした自分の顔が映っていた。
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コメント
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うわ、だるまの軽口とありさかのツッコミのバランス好き……!大会後の余韻でまだ興奮冷めやらぬ感じがすごく伝わってきた。特に「カバー遅かったのそっちやん」って言い合いながらも、実際は阿吽の呼吸で連携取れてる二人の関係性にほっこりしたよ。ゲーム通じてしか築けない信頼感っていいよね。読んでて自分もデュオしたくなった……。