「んふふー♪お風呂きもちよかったねぇ」
「そうだな。誰かと入ったのは久しぶりだった」
「奇遇だね僕もだよ!」
今頃誰かと一緒に入ってる方が変だと言いかけたが面倒くさいことになりそうだったのでやめた。
「俺なんか食ってくる」
「は~い待っとくねぇ!」
そう言って俺は部屋から出ていった
その頃部屋では
「はぁ…優が居なくなると暇だなぁ」
「君だね…うちの優くっついてる悪霊は…」
「悪霊!?なんの事どこにいるの!?」
「君の事だよ馬鹿なの…」
「あ、そういや優ののお兄さん、僕のスマホで優にラインしたのはあなたですか?」
「あぁ、そうだけど?」
「そういうの辞めてください」
「なんでだ?所詮は霊だろ…優がまともに相手するはずがないでしょ」
「なんで僕のスマホでやったんですか…」
「丁度持ってたからね」
「理由…になってます?」
「まあ、正直言うと計画の内?」
「計画?」
「あ、何でもないよ」
「何ですか計画って」
「何でもないって!」
「教えてくだっ…」
と言っている途中に優の兄が蓮の背後に周る
「知らなくても良いことはあるんだよ?」
「僕を脅す気ですか?出来るものならやってみてくださいよ」
「あれ?君さ僕らの家系が祓い屋って事優から聞いてない?」
「へ…」
「その反応じゃ聞いてないんだ」
顔を真っ青にする蓮とは反対に彼は不敵な笑みを浮かべた
「祓い屋の一族として柿木蓮、君を祓うよ」
「はぁ…あんまりこっちにはなりたくは無かったんだけど…まぁ優が居ないだけましだな」
黒髪からは角と思われる物が生えてき、服はただの黒い布切れの様な物になった。さっきまでとは違う醜い姿になってしまった蓮はその場から少し離れこういった
「祓えるものなら祓ってみてくださいよ廉也さん♪」
「へぇ…上級霊になった訳か…」
「そうですよ偶然ですけどね」
「君はつくづく運が良いねほんとに…殺すのに手こずらせやがって」
「へぇ…あなたの計画は僕を殺すことだったんですか。まぁ、もう死んでいるので大して感情は湧きませんけど」
「バレちゃったかぁ…その後の処理は脅して優にやらせようとしたんだけど…君がこうやって霊になったから失敗しちゃった」
「僕ってほんとに運が良い♪」
「柿木君の運僕に少し分けてよ」
「僕を倒したら経験値みたいに貰えるんじゃ無いですか?」
「なるほどねーやってみよ」
一気に差を詰めてきた廉也を軽く避け、蹴りを入れる
「っ…」
「あれぇ〜?僕より強いから勝負してきたんじゃないのぉ〜?」
煽るように語尾を伸ばしながらそう言っていた蓮に反論が出来ないまま、廉也は次の攻撃をしかけた
「雷鳴斬」
あたりが激しい光に包まれた。
「い゛っ」
光が無くなったかと思うと、そこには腹部に刀を刺された蓮とその刀をずっと抑えている廉也の姿があった
「雷雲」
刀に雷が宿りその雷は刀が刺さっている蓮の方へ電撃を与える
「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「あれぇ?さっきまでの余裕はどこに行ったのかなぁ?」
そこへ蓮の断末魔を聞いた優が駆け上がってきた
「何があった…の…」
その光景を見た優は絶句し、小刻みに震えていた
「ゆう゛…た…げて…」
「いや、優これはちがくて!!」
「言い訳は良いから…そこを退けて兄さん…」
その顔は今まで見たことがない顔。怒ってはいるが、泣いてもいる、だが目の奥は感情を持っていないという感情がぐちゃぐちゃになった顔だった
「大丈夫?蓮、何があった?」
「…が……た…」
「そっか」
僕にはなんて言ったか分からなかった。優も同じだろう。だが体調を気遣ったんだな…いや関心している場合じゃ無い。上級霊なら、多少の犠牲を払っても絶対に祓わなければならない…このまま斬るか?そうしたら優も一緒だ…優を避けたとしても、嫌われるだけ…どうしよも無い、このまま見ておくしか無いのかだが…どうすればいいかわからない、こういう時優ならどうする?…こんなのも兄弟なのにわかんないや…
しばらくして…
「2人とも?何があったか教えて?」
「僕は正当防衛で攻撃してきた廉也さんをその…蹴ってえっと…調子に乗って罵倒した…」
「僕は仕事で…」
「2人の話を聞く限りどっちもやるべき事をやったんだね…だからどっちを責めることも守ることも出来ないや…そっか…」