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願いを叶える桜の木3
翌日マッシュは桜の木に言われた通り髪型を変えようとした。
しかし…
「…そうだ僕、髪の毛のセットの仕方分からないや」
ファーンという効果音をつけて洗面台の前で髪の毛をいじっていた。
「どうしますかな」
マッシュが悩んでいるとそこに都合よくフィンが現れた。
「マッシュくん、ずっと洗面台の前に立ってるけど何かあった?」
「あ、フィン君。ちょうどいい所に」
「え?」
マッシュは自分が髪型を変えたいことをフィンに話した。
「なるほどね!それでアレンジの仕方が分からないと…
でも、どうして急に髪型を変えようと思ったの?」
フィンが疑問を抱くのも無理はない。
マッシュは周りの人に髪型をなんと言われようと変えようとしなかった。
それなのに急に髪型を変えたい、なんて言うのは昨日、何かあったに違いないとフィンは思ったのだろう。
「そそそそ、それはですな……」
ブブブブと小刻みに震えながらマッシュは何を話すか考えていた。
「…!そう、オシャレしたくて」
「オシャレ!?…それまたどうして……」
あのマッシュくんが!?と言わんばかりにフィンはびっくりした様子で聞き返した。
「えーと…フィン君とかランスくんとかの髪型見てみるとかっこいいなって思ったから…」
マッシュのその言葉は本音だった。
「フィン君のセンター分け?かっこいいし、ランスくんの癖がついてるような髪型もかっこいいし…」
と少し俯きながら話すマッシュ。
「…マッシュくん…(そんなふうに思ってたんだ…そうだよね。
マッシュくんだってオシャレぐらいしたいよね)」
と、フィンはマッシュの言葉をジーンと感じながら彼の力になりたいと思った。
「わかったよマッシュくん!僕が手伝ってあげるね!」
「、!いいの?ありがとう、フィン君」
そうお礼を言ったマッシュの顔は少し綻んでるような気がした。
「うーん…マッシュくんも結構顔立ちいいんだよなぁ〜、、なんでも似合いそう…」
フィンはマッシュの髪型を何にするか悩んでいた。そこへマッシュが、
「できるだけ、表情がわかりやすいような髪型がいいな」
と、フィンに要望を出した。
「表情がわかりやすい…それじゃあ、眉毛を見せるようにしようか!」
そう言うと、フィンは何やらカバンの中をガサゴソしだし、
小さなケースのようなものを取り出した。
「フィン君それ何?」
「ああ、これはね”ワックス”だよ」
「わっくす?」
マッシュはフィンが言ったその単語をもう1回復唱した。
「そう、髪の毛を整えたり、崩さないようにしたりするやつだよ」
「はえ〜、そんなものがあったんだ」
フィンはそのケースの中から塗り薬のようなものを少量取り出して手のひらで伸ばしマッシュの髪の毛をわしゃわしゃした。
「わ…っ」
びっくりしたのかマッシュは声をあげた。
「ちょっと待ってね、すぐ終わるから……よし、髪の毛全体にワックスが渡ったら、
次は整えていくよ」
「ほうほう、、」
「眉毛を見せたいから…ここをふんわりさせて、あと後ろ髪の方も整えて…」
と、ブツブツいいながら手際よく、マッシュの髪の毛を整えていった。
「ふー…できたよ!マッシュくん!どうかな?」
「わぁ…すごい!なんだか僕じゃないみたい…」
鏡にいるのは前髪を少し右で分け、ふんわりした髪型の自分だった。
いわゆるコンマヘアというものだった。
マッシュはキラキラした目で鏡に映っている自分を見てはしゃいでいた。
「あはは、気に入って貰えて良かったよ」
「ありがとう!フィン君!」
マッシュはフィンに向かって感謝の笑みを浮かべた。
それが珍しかったのかフィンは一瞬目を見開いて、すぐに笑みを浮かべた。
「どういたしまして!」
「……って!早く準備しないと授業始まっちゃう!」
授業が始まるまであと15分ほどしか残ってなかった。急いで準備すれば間に合う程度だ。
「マッシュくん!早く準備しよう!」
そう言って、部屋を出たのはその5分後だった。
コメント
2件
なんか、想像できない…