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#クロ月
凪
5,360
54
ほんとに不定期すぎてやばいです笑
ちょっともうそろそろまた活動休止しそうです😭
モチベが普通に上がらない笑
ではスタート
それからの日々は、残酷なほどに穏やかで、けれど確実に何かが欠け落ちていく毎日。
俺がどれほど拒絶しようとしても、鉄朗さんはたり前のような顔をして、毎朝扉を開けて入ってくるようになる。
【12月15日】
朝、目が覚めたら、知らない男がキッチンで味噌汁を作っていた。
「誰ですか」と聞くと、貴方は
「お前の運命の人だよ」
とふざけた顔で言った。
僕は察を呼ぼうとしたけれど、机の上に置かれたノートを見て、手が止まった。
『黒尾鉄朗。トサカ頭。僕の恋人。信じていい人。』
自分の字だ。
信じたくないけれど、僕の字が彼を「愛している」と言っている。
彼は僕が混乱しているのを見て、
「とりあえず食え。美味いぞ」
と笑った。
悔しいけれど、その味噌汁は、僕の喉を驚くほど優しく通った。
【1月8日】
今日、ついにノートの使い方が分からなくなった。
ペンを握っても、どうやって文字を形作ればいいのか、脳が拒否をする。
僕は真っ白なページを前に、ただ泣いていた。
帰ってきた鉄朗さんは、僕の様子を見てすぐに察したらしい。
彼は僕の手からペンを取り、僕の手を包み込む
ようにして、一緒にペンを動かした。
『け・い』
一文字ずつ、ゆっくりと。
「いいか、蛍。書けなくなったら、俺が代筆してやる。お前の心の中にある言葉を、全部俺が形にしてやるから」
彼はそう言って、僕の頭を撫でた。
僕は、この人の名前をもう一度だけ呼びたいと思った。
「…..てつ、ろう…..さん」
「おう。よく言えました」
彼は子供をあやめるように笑ったけれど、その瞳には、こらえきれない悲しみが溜まっているのを、僕は見逃さなかった。
年が少し明け、冬の寒さが一段と厳しくなった頃。
俺の症状は坂道を転げ液ちるように進行し。ようにして、一緒にペンを動かした。
もはや、昨日のことも、一時間前のことも、彼の脳には留まらない。
ある日の夕暮れ。
鉄朗さんが仕事を終えてリビングへ行くと、月島が窓の外をじっと眺めてた。
「蛍、おやつ食べるか?お前が好きなイチゴ、買ってきたぞ」
月島はゆっくりと振り返りました。
その瞳には、何の感情も、何の記憶も宿っていなかった。
ただ、見知らぬ人を見る、無機質な視線。
「…..あの。お名前を、伺ってもよろしいでしょうか」
鉄朗さんの心臓が、冷たい氷の棘で刺されたような衝撃を受けた。
何度も経験した「忘却」。
けれど、今日のは今までとは違った。
月島の声から、トゲのある皮肉も、迷いも、自分への甘えも、全てが消え去っていたから。
「…..俺?」
鉄朗さんが一瞬だけ、泣きそうに顔を歪めました。
けれど、すぐに最高の「初対面の笑顔」を作って、月島の前に膝をついた。
「俺は、黒尾鉄朗。お前のことが、世界で一番
好きな男。そして お前の新しい友達になりにきた。」
「….友達?」
「そう。これ から、お前に俺のことを好きになってもらう予定の、超重要人物。よろしくな、 蛍」
鉄朗さんはそう言って、大きな手を差し出した。
月島はその手を不思議そうに見つめた後、おずおずと自分の手を重ねた。
「…..よろしくお願いします、黒尾さん。なんだか、あなたの手、とても温かいですね」
その言葉に、鉄朗さんがついにこらえきれず、月島の手を握ったまま、ボロボロと大粒の涙をこぼした。
「….ああ。お前を温めるために、ずっと鍛えてきたからな」
その夜、月島が眠った後。
鉄朗さんは、もう月島が一人では書けなくなったノートを開いた。
そこには、月島が最後に震える手で書いた、たった一言が残された。
『わすれたくない』
文字は歪み、最後の一文字は線が流れて消えかかっていました。
鉄朗さんはその下に、力強い筆致で続きを書く。
『忘れてもいい。俺が、一秒ごとにお前に恋をするから。』
お前の記憶が全部消えても、俺が生きている限り、月島蛍という男がどれほど美しくて、どれほど愛されていたか、世界に証明し続けてや
る。
「おやすみ、蛍。また明日、新しい君に会えるのを楽しみにしてる。」
鉄朗さんがノートを閉じ、月島の寝顔に優しく触れた。
明日、月島が目を覚ました時、また「誰ですか」と聞かれるかもしれない。
それでもいい。
何度でも、その名を呼び、何度でも、その手を
握る。
記憶という知性を失った月島に、鉄朗さんはただ、“体温”という名の愛を与え続けるのである。
窓の外では、静かに雪が降り積もっていた。
全てを白く塗りつぶす雪は、二人の新しい、真っ白な歴史の始まりのようでもあった。
記憶が無くなるまで×××日
___________________________________
まだまだ長くなりそうです😭✨️
完結頑張ってします💪🏻🔥
コメント
3件
感動してヤバいです🥲🥲 次回も楽しみにしてます
いい作品すぎる🥹楽しみにしてます🩷
わあ…もう、胸がぎゅっと締め付けられました。 「わすれたくない」って必死に書いた蛍くんの文字と、それに応えた鉄朗さんの「忘れてもいい。俺が一秒ごとにお前に恋をするから」という言葉が、本当に美しくて切なくて。 「新しい友達」って名乗るシーンも、鉄朗さんの涙も、全部が愛しいです。おもちさん、このお話、すごく好きです。続き、楽しみにしていますね🌷