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「あんたさぁ。さっきから、メスガキ相手にコーフンして。バカみたいッ‼︎‼︎発情期‼︎?ハッ‼︎その様子じゃあ、“憑変”(ヒョウヘン)とか。陰陽師の専門用語もロクに知らないんじゃない??」
あ、当たってるーー
「呼びかたなんてッ‼︎どうだっていいんだよッ」
「よくないよッ‼︎‼︎」
ーー?
「あッ‼︎‼︎‼︎?さっさとかかって来やがれッ‼︎‼︎」
「イヤだッ。ヘナチョコとゲームしたって。あたし、面白くないモン」
ーーどういうことだろう?さっき、17話でよくわからないまま、左腕を“消された”ボクらには、もう陰陽術を使うチャンスはない。『柩』(コフィン)だって、両腕が必要だ。今、状況的に明らかに不利なのはボクらで。この子が、本気でボクらを”殺そう”と思って四季町までつけていたのなら、もうすでに“頭を吹き飛ばす”とか、なんらかの攻撃をしているはずだ。それをしていないということは、つまりーーーー
「何だとッ‼︎?ドアタマかち割ってーー」
兄さんッ!ちょっと、聞いてあげなよ。
ボクは、殺気を撒き散らす僕を嗜めた(タシナメタ)。が、少女は“ふんふん”と鼻唄を歌い。僕の凶暴性を、さほど気にも留めていないようだった。なんというか、流石は“あの”師匠の愛娘(マナムスメ)だ。自由人(フリーダム)すぎる。
「あのね。これは『ゲーム』なんだから、ルールがあるの。それに、“いまは”あたしの方が強い。ただの憑依系陰陽師なんか、ワンパンできる。生かしてあげてるんだよ?だから、説明は聞いてもらうよ??」
「うるせぇな。さっさとヤローぜ?殺戮ゲーム」
・・。ボクは、僕をそんな風にした覚えはないんだけどな。兄さんの霊といえど。僕が憑依されている以上、僕はボクだし。あんまり、狂人じみたことしないでよ?ホントに。
「あ?だったら、自分の霊魂(テメェ)で闘えばいいだろーがッ‼︎‼︎?ーーあとな‼︎そこのガキ‼︎‼︎」
「“女子”っていってくれる?まだ12なんだし。なに?早死にしたいの??手伝おうか???」
中身は12才とはかけ離れているけどね。・・まったく、師匠も人が悪いな。こんなキョーレツな愛娘(マナムスメ)がいながら、いままで隠してたなんて。何を食べさせて、どんなふうに育てれば。こんな子が出来上がるのやら、不思議すぎる。師匠、”サイコ”ーに狂ってるよ。この子。
「あのね?お父さんを殺すためには、いまの実力じゃあダメ。だって、あたしに勝てないんだよ?なのに。どうやって、その父親に勝つっていうの??トレーニング??ーーダメ。あんたはもう“カンスト”済み。ゲームの育成だってそうでしょ??世の中のオトナは“努力すれば‼︎”なんていうけど。じつは、努力には限界ってものがあるの。即ち、それが才能。つまり、あんたがこれ以上“努力”したって、これ以上は強くなれないんだよ?なら、どうすればいいのか??答えは、簡単。ゲームと同じだよ?アイテムを持ってると、その分が“ステータス”に上乗せされて、“強くなったように見える”でしょ??」
うん。たしかに、一理ある。でも。それ以上強くなれないのなら、どうすればーー
「だからね。ポケットに、大事に隠してる『柩』(ヒツギ)を捨てるの」
ーーえ??