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「花田よく頑張ったな今回」
テストが終わり、個票が返された。
「え、まじすか」
学年順位、61位。
前回より140位以上上がっている。
「りょーう、どうだった?」
「すごくない?」
「、、え、これほんとに凌のやつ?」
「私のだよ花田凌って書いてるもん」
「凌の個票で学年順位2桁初めて見た、、すごいじゃん凌やったじゃん」
「、、うん」
「萩原はー、来てないな」
目の前の椅子に手を伸ばして、自慢したかった。見て!って言いたかったな。
そして、ありがとうと言いたかった。
「今回もトップは萩原だ」
「あいつテスト受ける資格ある?」
酒井の周りにいる奴らが喋り出した。
「まともに学校も来れねえのにさ」
「テスト良けりゃ全て良し?」
「別室でカンニングでもしてたんじゃねー」
けらけらけらけら、その笑い声が耳障りだった。
「静かにして」
少しだけ酒井たちの方を振り返って言った。
「まだ庇ってんの?」
酒井が少し間を置いた後、冷ややかな声でそう言った。
私は何も返さなかった。