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(同棲if)
(四季君は卒業後練馬区の戦闘部隊にいます)
「あ〜、猫ですか?」
「そう、猫」
スマホに写る猫カフェの画像、それを四季に見せて今度のデートで行かないかと誘う。
きっと四季のことだから、良いよ!と直ぐ承諾するだろうと思っていたのに返ってきた言葉は猫咲にとっては予想外の事だった。
「…ごめんっ、俺猫アレルギーあって」
「印南さんとかと一緒に行ってきていいぜ!」
その印南からクーポンを貰ったのだとも言えずに猫咲はしょうがないと笑った。
「そうだったんですね、」
「うん…ごめんね猫咲さん」
その笑った顔に少し陰が見えたのを、猫咲は見逃さなかった。
「…謝らないでください、アレルギーならしょうがないですよ」
前髪で隠した目を細めて、猫咲は四季を見つめた。四季の逸らした目や少し握る手、口数は多く挙動は普段より忙しなく見える。
(何か、隠してんな…)
四季が淹れてくれたコーヒーは既に熱が冷めていた。その黒い液体を喉に落としながらどう口を割らせるか思考を巡らせた。
ー数日後
任務が無事に終わり練馬区の地下を、歩く四季を背後から聞こえた声が呼び止めた。
「少年、久々だな!」
卒業後も四季の事を少年と呼ぶ印南がそこには居た。
因みに印南は、四季が猫咲と交際している事を知っている数少ない鬼のうちの1人だ。
「印南先輩!お疲れ様」
「少年の変わらぬ活発さ、goodだ!」
「!ありがとうございます!!」
非常務教諭である猫咲とは、恋人ではあるが会う機会が少ない。
恋人では無い印南ならば余計に会うことは片手で数える程しかない。だから久々の再会に四季は喜んだ。
「そう言えば少年、猫咲とデートは行ったのだろうか?」
その一言を聞けば、猫カフェのクーポンをくれたのが印南だと馬鹿な四季でもわかった。
「!あぁ…あれか」
「ううん、行ってない」
「そうか…」
印南がした、少し不思議そうな顔を見た四季は前後左右を見渡した。
「なぁなぁ、印南先輩って今日猫咲さんと一緒?」
「?いや、別行動だ」
「そっか…なら安心した」
胸を撫で下ろし、四季は空き部屋に印南を招いた。
「?何事だ、少年?」
扉をしっかりと閉めた四季は、部屋に2人しかいない事を確認して小さくこぼし始めた。
「…俺、猫咲さんに嘘、ついちゃってさ」
「猫アレルギーが、あるって言っちゃったんだよ」
「猫アレルギー?」
罰が悪い顔の四季は隊服を握り締めて、詰まりそうな息を吸い込んだ。
「猫カフェ行くと…猫咲さん」
「猫に夢中になっちゃう、じゃん」
「それが何か。ヤ、だなぁ」
「って思って…」
顔を俯ける四季。
ゆっくり四季には近付く印南、印南の指が四季の顎をなぞり上を向かせた。
四季の目に映るのは、印南の幻影が溶けた猫咲の笑った顔だった。
「ねっ!猫咲さん!?」
「な、んd「一ノ瀬くん」」
何でと紡ごうとした四季の口に人差し指を当てて、静かにと圧で命令をした。
「嘘を吐いてるって言うのは気付いていたんですけど」
「こぉんな可愛い理由の嘘だったとは…思ってなかったわ」
傾げた首によって前髪が少しズレて欲情を孕んだ猫咲の瞳が四季を射抜いた。
顔に熱が集中する。
「わ、うっ…な、」
忘れてくれ
嘘
何で
どれも口にしようとしたけれども、恥ずかしさによって声が上手く出ない。
猫咲の舌舐めずりをしながら四季に近付く、妖艶な姿を見ることしか出来なかった。
数秒後2人だけの部屋にリップ音と唾液の混ざる音が響いた。
猫に夢中で構ってくれない猫咲さんを見たくなくて、つい嘘を付いた四季君と
四季君が嘘を吐いた事を見抜き印南に化けることで聞き出した猫咲。
猫咲さんが化けていたので、文中一度も印南さんは血を吐いてないです…
コメント
14件
嘘をつく理由が可愛すぎる! やっぱりはぐしきは最高ですね!
嘘ついた理由可愛いすぎる♡ 今回もめっちゃ良かった‼️
四季めっちゃ可愛いじゃんッッッ!♡ なるほど、化けてたから血を吐いていなかったんだ…細かいところまでこだわっててすごい✨ アニメ勢でまだ猫咲さん出てきてないんだけど、はぐしき好きだからすっごい口角あがっちゃう💕