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【 何かが動いたこの日 】
・
その日は珍しく深夜の三時にアラームが鳴
らなかった 。
でも数日間ずっと鳴り続けていたから 、 三
時に目が覚めてしまった 。
そしていつも通り 、 味もしないお茶を飲む 。
味がしないと分かっていながらもお茶を買
う 。
俺の意識はあるけど 、 俺の身体は俺じゃな
い何かが操作しているような感覚になる 。
身体が先に動いて 、その後に思考がついて
いくみたいに 、 考えて行動していないよう
な … 気がする 。
K ,
「 ぺいんと … 。 」
… ん ? あぁ 、 まただ … 。
なんだろう 。 思考が呑まれそうになった時
、 必ずぺいんとの名前を口ずさむ 。
… なんだろう 。
♪ Discordににぺいんとから通知が来る
P ,
『 クロノアさーん 、 あと十分後撮影っす
よ〜 』
ぺいんと … 、 最近必ず十分前に連絡くれる
な … 。
… ぺいんとは 、 俺の中の何かに気づいてる
のか … ?
K ,
「 っ … ! 」
突然の頭痛が俺を襲った
瞬時に悟った
俺の中の何かが 、 動いた 。
K ,
「 あ゙ぁ゙っ … !!! 」
想像以上にその頭痛は酷かった 。
頭が割れるような 、 心が裂けるような 、 身
体が剥がれるような 。
あぁ … 意識が … 。
ぺいんとに返信できないまま 、 あまりの痛
みで気絶してしまった 。
目が覚めた時には 、 撮影予定時刻から二十
分過ぎていた 。
まだ頭痛は薄ら残っている 。
撮影に遅刻しているにも関わらず 、 何かが
動いた衝撃に 、 焦りがついてこない 。
なんだこれ 、 なんなんだ 、 これ … 。
まるで俺の中の何かが 、 俺を蝕んでいくよ
うな感覚だ … 。
K ,
「 … たすけて …… 」
俺の声は誰に届くはずもなく 、 闇に消えて
いった 。
俺はこのまま … 。
いや 、 まだ大丈夫 … 何も考えるな … 。
K ,
「 ふぅ … はぁ … 、 」
俺の身体 。 俺の身体 。 俺の身体 。
俺がコントロールしているんだ 。
絶対に 、 呑み込まれない … 。
呑み込まれちゃ 、 いけない 。
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