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ヒソカ・・・🌸と小さい頃から家が近くで🌸とは仲が良く、2歳🌸より年上。大学生。🌸の家庭教師。
🌸・・・ 高校生。今年受験生でヒソカと同じ大学を目指そうと考えている。
受験当日
ヒソカside
ボクは彼女がどれだけ努力してきたかを知っている。彼女は人一倍頑張り屋でしかしそれを誰にも見せない謙虚さがあり、ただ毎日机に向かっていた。だから大丈夫なはず。それなのにどうにも落ち着かない。やはりあれを教えておけば良かったのではないか。こう教えておけばよかったのではないか。カイロを1 個ではなく2個渡しておけばよかったのではないか。本人は送り迎えなど大丈夫と言っていたが道に迷っていないだろうか。様々な不安が頭をよぎる。昨日も緊張のせいか寝不足でうまく頭が回らない。今頃彼女は大学の試験会場でどうしているのだろうか。こんな時、相手の頭の中が見えればなぁと思うが、それは無理な話だ。
「はぁ…♢」
学生寮でボクは1人ため息をつく。
🌸side
いよいよ今日が受験本番。今までヒソカへの想いは上手く隠しながら過ごしてきた。しかし、やはり緊張して不安になるといつも思い出すのはあの人しかいなく、どんなに自分の理性でその想いをかき消そうとしてもどうしようもないのだと悟った。受験日の2日間が終わったらもう疎遠になってしまうのだろうなと少し不安になるが、その想いも受験に関係ないことなので必死に理性でかき消す。
「試験開始!」
試験官が大きく声をあげた。その瞬間私はヒソカに教わった全てを使って試験問題をすらすらと解いていった。しかし過去問と傾向が少し違うことに気づく。過去問では何回も合格を叩き出してきたが、傾向が違うとなると受かるか不安だ。ヒソカに最後に会った、神社での合格祈願の時に絵馬
書いてくれた「絶対合格!!」という文字を思い出し、私は冷静になり見直しを始めた。
2週間後
🌸side
今日はいよいよ合格発表の日だ。やはり自分で合格か、不合格かは見にいきたいものだ。ただ、約束したのに同じ大学に入れないと決定する瞬間はやはり1人で見に行きたい。母親の心配を振り切り、家を出た。外は少し受験の時よりも暖かく、雲1つない快晴であった。あぁ運がいいなと思いながら私は一歩一歩不安に襲われそうになりながらも歩いていく。この道がとてつもなく長い道のりみたいに感じてくる。そしてやっと着き、人混みを掻き分けて自分の番号を恐る恐る探していく。
ヒソカside
今日はやっと合格発表日だ。🌸には1人で行くと言われたが不安でやはり結果を見たくなってしまう。好奇心だろうか。いや、そうではない。きっとボクは🌸のことが、、と想いを巡らせていると合格発表の時間になっていた。やはりそわそわしてしまう。そこで自分のスマホを取り出し、「〇〇大学 合格発表」と調べる。その結果を見た時ボクは、いや正確にはボクの体が勝手に寮から飛び出して、掲示板のところへ走っていった。人を掻き分け、最前列にいる、少し涙目になっている🌸を探し当てると真っ先に言った。
「おめでとう」
するとボクは🌸に抱きしめられた。🌸は泣きじゃくりながら何度も頷いていた。2人で🌸の家に帰ると母親が心配そうに駆け寄ってきた。しかし🌸はさっきの涙はどこへやら、満面の笑みで
「合格した!」
と言っていた。そしてボクたちは🌸の部屋でくつろぎながら何気もない話をしていた。すると🌸かいきなり言った
「好きです。無理なのは分かってるけど、付き合ってください。」
とても冷静に声は放たれたが、実際に顔を見ると涙目で顔が真っ赤だった。
「よろこんで♡」
気づいたら口が勝手に言っていた。そしてこの時やっと気づいた。あぁボクは🌸が好きなんだと。
ここまで読んでくださってありがとうございました!読切なのでこれで完結とさせていただきます。「有名な???家の兄弟の双子!?」の方もどうぞ読んでくださると嬉しいです。ではまたいつの日か!l