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(あれ……なんだろう、このサイト)



先ほどまで流産経験のある女性のブログを読んでいたが、気が付くと画面が変わっていた。


『復讐アプリはサレ妻・虐げられ妻の皆様をサポートするアプリです。

ダウンロードは無料。まずはお試しを』


(広告をクリックしちゃったんだ)


記事を閉じようと思ったけれど、見出しの文章に惹かれてしまった。『サレ妻・虐げられ妻』というワードに敏感になっているから。

美晴はもしかすると自分は『虐げられ妻』に該当するのではないかと考えた。先ほど流産や死産の体験談を読んでいると、夫婦で乗り越えたという書き込みもあった。羨ましく思う。幹雄が自分に寄り添ってくれる姿は、まったく想像できなかったから。


(このアプリ、無料ならちょっと試すだけ…)


無視できない文言に惹かれて不思議なアプリをダウンロードしてみた。自分のスマートフォンに薄い緑のグラデーションのかかった『Re』と書かれたアイコンが出来上がった。『復讐』というワードのアイコンが懸念される配慮なのか、『復讐アプリ』という名前から想像つかないキラキラとしたアイコンだった。『Re:APP 2.0』というのはRevenge APP(復讐アプリ)の略なのだろうか。バージョンアップしたアプリっぽい感じがして、信用度も高まった。


(どんなアプリかな)


期待を込めてタップしてみた。するとアイコンと同じ薄い緑のグラデーションが壁紙になっており、見た目はファッションサイトのような作りだった。

チャット形式になっているので、一番下に文字を打ち込むスペースがある。今流行りのAIチャットアプリのようだ。


見ると画面の一番上の個所に、アプリからのメッセージが表示されていた。



『わたしになんでも相談して下さい。

アプリがクズたちに制裁する復讐方法を教えます』



しかしキラキラしたサイトとは相反して内容は過激である。AIチャットみたいな作りになっているから、当然が人工知能が答えるのだろう。どんなふうに答えてくれるのかと期待が膨らむ。


『まずは当アプリの信用を高めるために、あなたの電話番号を教えてください。あなたのことをわたしが答えます』


(電話番号?)


AIに言われるがまま半信半疑で電話番号を打ち込んでみた。どうせデタラなことを言うに決まっている――そう思っていたが、その考えが誤っていたことをすぐに知ることになる。美晴は驚愕した。



『あなたは松本美晴さんですね 違いますか? “はい” か “いいえ” でお答えください』



ドキリとした。なぜアプリが私の名前を――?



怖いがどんな回答をくれるのかとても気になり、“はい”と答えた。


『松本美晴 現在28歳 大学卒業後 都内のクラウンホテル内カフェ勤務経験あり

配偶者あり 結婚後ホテルは退職 先日救急車を呼び近くの病院へ搬送される』



(なにこのアプリ!!)



ぞわっとした。電話番号を入れ込むだけで、ここまで正確に個人情報を当てられるものなのか?

いったいどんなからくりを使ったのだろう。怖すぎる。


しかも昨日、救急車を呼んで病院へ搬送された事実まで記載されているのだ。病院関係者以外知りえることのない事実を、なぜこのアプリが知っているのだろうか。


戸惑っていると再びアプリがメッセージを送信してきた。気が付くと手が震えていた。

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