コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
『はいとお答えいただいたのであれば、このアプリの性能をご理解いただけたかと思います。ご満足いただけましたか?』
美晴は先ほどと同じように『はい』と入力した。
正確に自分のことを言い当てるこのアプリは本物に違いない。
だったらほんとうに復讐の方法を教えてくれるのだろうか。
この現状を打破するための、なにかいいアイディアをくれるかもしれない。
――復讐方法 教えてくれますか?
美晴はメッセージを送ってみた。すると突然画面が切り替わった。先ほどの爽やかなグリーンではなく、画面一面が血のように赤黒い色に染まり、アプリからひとことメッセージが浮かび上がって来た。
『このアプリを閲覧しているということは
あなたには復讐したい相手がいるということですね?』
暗く灯りの消えた部屋に、アプリの画面から放たれる白い光だけがこの場を包んでいた。
画面を見つめていた美晴は思わず唾を飲み込んだ。
これで本当に夫に復讐ができるのだろうか。半信半疑でダウンロードしたチャットアプリは、とんでもないことを美晴に聞いてきた。
『あなたは 本当に復讐を望みますか?』
(私は――…)
青白く光るスマートフォンの画面に美晴の震えた指が伸びる。
彼女が選ぶのは、果たしてYesかNoか――