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私は人と話せない。昔から、「内気だね」とかよく言われる。
私は人に好かれない。だって誰とも話せないから。
私は勘がいい。人のことをよく見ているから。
お昼休みがはじまった。鐘がなって、みんな誰かのところへ集まっている。誰とも目が合わないように、周りを見渡してみる。仲間はいないみたい。私と似ている子は、いないんだと思って、視線を戻そうとしたら、誰かと目が合った。ギクッと体がこわばる。早く視線を戻そうと思っているのに目が離せなくなってしまった。相手の視線が痛く感じる。私なんか見てても楽しくないでしょ
目が合った子は、こっちに近づいてきてしまった。名前も覚えてない子なのに.. 何を言われるんだろ。周りの子も、怪訝に思っちゃうでしょ。
「如月さん…だっけ?」
「はい… じろじろ見ちゃってごめんなさい。別のところ行くので、す、すいません…」
「え…? なんで? ただ一緒に食べるか、聞きに来たんだけど。」
「え、はい..」
は…?何言ってるのかわからない。私と一緒に食べる?なぜ?今の少しの時間で何があったんだよ。とりあえず、行くか 私は、怖がりながらもついてゆくことにした。たぶん私は明らかに怪訝で、お世辞にも人当たりが良いとは言えない顔をしていたと思う。
ぎこちない動きで立ち上がりかけた時、その子の名札が見えた。〖田中 恵美〗 そんな子がいたような気がする。今思い出した。いつもひまわりみたいな笑顔で、誰かと話してる子。住む世界が違うから、覚えていたくなかった。でも、いつも誰かをいじめてるって噂もたっていた気がする。一抹の不安を覚えたが、ここで断るとそれこそいじめにあうかもしれない、それに断れるほどの度胸も持ち合わせていなかった。
席にたどり着いてから彼女は、私が混ざれないような人種の子たちに
「みんなー 如月さんも入れて一緒たべよー!」
と、明るく言ってのけた。みんなと…そんなこと初めてだ。少しだけうれしかったが同じくらい怖かった。何も言わないのも失礼かと思い、蚊の鳴くような声で、失礼します。と言って促されるまま席に座った。
「もう、そんなこと言わなくていいのに。」
「硬いよーww」
「wwwww」
「え、如月なにさんだったっけ?」
ああ、やっぱり無理かもしれない。この人たちについていけない… 名前?えっとええっと… みんなこっち見てる。無理かも。名前、名前は…
「如月 夕月です…」
と、小さい声で答えるのがやっとだった。
「こえちっさw」
そうですよね。。。 無理かも、もう嫌われたんじゃない? 名前のせいってことにしてよ なんでもいいから 私は、悪くない…
私は悪くない
あれから、どうやってやり過ごしたのかわからないがたぶんやり過ごせてなかったんだろう。
私はどうやら彼女たちの地雷を踏んだみたい。
あれから毎日彼女たちからぐちぐち言われ続け、休日も連れまわされて、疲れてしまった。周りは、誰も助けてくれなかった。わかってくれなかった。見破ってはくれなかった。やり口が、わかりにくかったと思うけどやっぱりいじめなんだろう。
もう嫌だ。
もういいよ もう…
あの子たちが悪いんだよ
如月夕月
錆びたフェンスに手をかける。
扉があく。あの子だ、今更何なの。私は飛ぶから
私だけだよ 見ていてね
私は、誰とも違うから。