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私の名前はヌ・ミキタカゾ・ンシ
もとい、支倉未起隆(はぜくら みきたか
年齢は216歳。職業は宇宙船のパイロット。
僕は会いたい人がいて、
地球の、日本に来たんだ。
それは___今から遠い昔のこと。
「未起隆〜!行こうぜ!」
未起隆「あっ!はい!」
「未起隆〜、あれなによ」
未起隆「あれは、僕の宇宙船です!」
「宇宙か〜、行ってみたいな!」
未起隆「なら、一緒に行きますか?」
「ん〜、今は無理だ!じいちゃんが
怒っちまうw」
未起隆「じいちゃん?貴方は1人なのでは
無いのですか?家に誰かいるんです?」
「いーや、俺はもう1人だよ。
まぁ、今は未起隆がいるから1人きりって
訳じゃあねぇがな!はははっ!」
未起隆「?おじいさんや家族は
居ないんですか?」
「…ん〜、未起隆には難しいかもな〜。
俺の家族は…俺より先に星になったんだぜ」
未起隆「星に?それは…どういう事ですか?」
「宇宙に旅立ったんだよ、星になってな。」
未起隆「宇宙…確かに星は沢山ありますね」
「そう、その中に、きっと俺の家族は
皆いるんだよ。きっとな。」
未起隆「素敵な話ですね。貴方は、
星にならなかったんですか?ご家族と一緒に」
「…あぁ、俺だけ乗り遅れたみてぇだな。
まぁ、今が楽しいから全然良いんだがな!」
未起隆「そうですか、それは良かった。」
今となってはその意味が良く分かります。
あの人が言う、”星になった”というのは…
ご家族全員は亡くなっている、という事。
寂しかったでしょうね…。私も、
あの人が居なくなったら寂しくなります。
ある日、いつも通りの日々を過ごしてた。
私は宇宙船に乗って、地球にいるあの人の
場所に行き、いつも通り話しをする。
…でも、その時は突然現れたんです。
「ッ!!あれは…!」
未起隆「ッ!え…そんな…!」
空に光る物体…大きく輝き、光を放つ。
私のいた星にも、たまにありました。
___隕石です。それは、大きく、熱かった。
私は急いで宇宙船を準備しました。
「ッ!未起隆!!良く聞け!!
その宇宙船で逃げるのはお前だけだ!!
良いな!?未起隆!!」
未起隆「そんな…!!僕1人で
あなたを置いて逃げる事なんて出来ません!
一緒に逃げましょう!?」
「俺は…宇宙では呼吸が出来ねぇし、
俺が地球を離れれば…掟を破る事になる。」
未起隆「掟…?なんの事か分かりませんが、
時間が無いんです!衝突するまで、
もう…10分もありません!!!」
「未起隆!約束しよう!」
未起隆「約束…?」
「ッ、あぁ!俺は生きる!生き抜いてやる!
だがここには戻れない!隕石が
ぶつかるからだ!ここには戻らない!!
でも!この地球の何処かにいる!!
きっと___そう、日本の何処か!!!
ここは俺でも何処か分からん、人口0の
俺以外誰も居ない場所だ!でも…
日本で必ず会おう!!何年経っても、
100年以上経っても探してくれぇ!!!」
未起隆「ッ!分かりましたッ!!
でも…本当にいるんですね!?
100年経っても、生きてるんですね!!
絶対見つけ出します!!絶対に!!!」
「ッ!あぁ、頼んだぞ、未起隆!
…じゃあな。」
未起隆「!!…はい!」
___そして、私は宇宙にある、
故郷に戻りました。…それから、
100年以上経ちました。
私は再び地球に行きました。
初めは、隕石の降ってしまった
あの人の場所に行きましたが…
そこにあったのは、焼けて崩れ落ちた、
あの人たった1人のいた家と、
孤独の残骸だけでした。
私は日本、とあの人が言っていた場所に
行きました。…しかし、なんということ
でしょう、墜落してしまったんです。
宇宙船は少し壊れましたが、
大丈夫です。地球に住みましたので。
スーパーフライさんのとこに
住まわせて貰ったり、自宅に住んだり
しました。…でも、あの人の行方は
分かりません。…遠い昔に約束したこと、
あの人は覚えているでしょうか?
もしかしたら…もう、いないのでは?
あの人も、人間です。最近知ったのですが、
人間の寿命は約70年くらいらしいです。
…100年以上経ってしまった今、
あの人は…もう…ご家族と一緒に、
星になってしまったのでしょう。
…それでも、私は探し続けます。
遠い昔の約束を守る為に…。
あの人に、会う為に。
未起隆「…会いたいな…。」
仗助「お!未起隆じゃあねぇーか。
こんなとこで何してんだよ?」
未起隆「…仗助さん…いえ、なんでも。」
仗助「…そ。…誰か探してたりする?」
未起隆「え…なんで分かったんです?」
仗助「んー…勘!!」
未起隆「お兄さんと似てきてますね。」
仗助「えぇっ!?嫌だ!!」
未起隆「ふふ、良いじゃあないですか、
家族…。」
どこか寂しそうな眼をしている
仗助「…んで、誰を探してんだよ?」
未起隆「…ッ!…もう、死んでしまってます。」
仗助「ッ!そりゃあ…悪かった…。」
未起隆「良いんです、私もそろそろ…
探すのは、やめにしましょうかね。」
仗助「…いや、関係の無い俺が
口を出すのも、どうかと思うんだがな…。
もうちょい、少しだけ…
探してみたらどうだ?」
未起隆「!!で、ですが…100年以上も
前のことですよ?…生きてるはずが…。」
仗助「良いから探してみろって!
ほら、地球人でもギネス記録取った人とか
で、寿命200歳越えた人とかいるし!!」
未起隆「…ありがとうございます。
でも…それでも、諦めた方が、
良いと思うんです。」
仗助「…まぁ、別に…無理に無いものを
探せとは言わねぇが…本当に
諦めるんだな…?」
未起隆「…はい、ご心配お掛けして、
すみませんでした。仗助さん、
相談に乗ってくれてありがとう。
それじゃあ、私はもう行きます」
仗助「…おう。頑張れよ」
「オイ待てよベリー!!!」
ベリー「にゃあ〜お!」
未起隆「ッ!?ね、猫…?」
ベリーと呼ばれる猫が未起隆の膝に乗る
「わっ!こらベリー!急に逃げ出して
人に迷惑掛けやがって…いつもは
そんなんじゃあねぇーだろ!?」
未起隆「ッ!?…あ、あな、貴方は…!?」
「え?…ッ!!あ、え、え!?ま、マジ…?
もし、かして…お前…未起隆ァ!?」
未起隆「じゃあ、あ、あの時、
隕石が降ってきて別れてしまった…
100年前に別れた…
ロウルさん…!?」
ロウル「え、ほ、ホント〜に…未起隆…??
か、変わってない気がするし…
記憶にもちゃんとあんだけどよォ…
なんせ100年も前の事だからなぁ…
てか!!今まで何処探してたんだよ!!」
未起隆「ッ!それを言うなら貴方だって!!
何処に居たんですか!?世界は広いのに!!
僕ッ…ボロッ…ずっと、ずっと…!!!
探してたんですよ…!!あの日から…!」泣
ロウル「ッ!未起隆…ごめんな…」
優しく抱きしめる___
未起隆「ッ!うッ…良かったぁ…グスッ
生きてたぁ…生きててくれた…!!」泣
ロウル「ふっ、すぐ泣くのは全くもって、
変わんねーな…!グスッ
ガキかよ、未起隆…ポロポロ」泣
未起隆「ふふ、貴方だって
泣いてるじゃあないですか!ボロッボロ」泣
ロウル「うっせー!…約束、
守ってくれたんだな、未起隆…。」
未起隆「…はい、諦め掛けてましたけどね」
仗助「…えーと、感動的なとこスンマセン。
100年以上も前のこと?なのに…
何で生きてるんすか…?」
未起隆「ッ!あ…確かにそうですね…。」
ロウル「あぁ、悪い悪い。実を言うとなぁ…
俺…不老不死なんだよ。」
未起隆「え、えぇ!?じゃ、じゃあ
今まで私に嘘ついてたんですか!?」
ロウル「なんのことだよ!俺は、
未起隆に嘘なんざついたこと無いぜ?」
未起隆「…それはそうでしょうけど…。」
ベリー「にゃあーん(ね?君の運命の人は
ここに居ただろ?ロウル。)」
ロウル「!ポエマーかと思ったが…
お前良くやったぞベリー!!」
仗助「んだ!?これ…この猫の
言ってる事が分かるぜ…!?」
未起隆「ほ、本当だ…!それに…今…
ベリー?は…う、運命の人と…」
ベリー「にゃん!(嘘だろ!?それも
理解して無かったのか!?未起隆、
君とロウルは男にして運命の人同士だよ!
つまり…付き合え!という結末だな)」
「「え」」
ロウル「え、つ、付き合うって…
だ、大体!俺らは遠い昔からの
親友だぜ!?たった2人だけの!!」
未起隆「そ、そうですよ…!つ、
付き合うって…そんな…///」
ベリー「にゃん(んだよ、お互い好きな癖に。
折角このベリーが占ってあげたんだぞ!?)」
ロウル「ッ!…しゃーねぇか…。よし、
すまんが…えーと、席を外してくれねぇか?」
仗助「あ!ハイっす!ベリーさん?も
行きましょ!!」
ベリー「にゃお〜ん(猫缶でも買いに行くか)」
仗助「え、それって俺が買うってこと?」
ベリー「にゃお(当たり前だぜ。まぁ、
君の恋の行方でも占って上げるからさ)」
仗助「うぇっ!?///」
ロウル「…良いか?言っても…。」
未起隆「…はい、覚悟は出来ました…。」
ロウル「…未起隆、良かったら俺と…
一緒になってくれないか」
未起隆「…はいッ!」泣
仗助とベリーのその後___。
ベリー「みゃ〜お(ほう、仗助、君は
全然恋に発展しなくて悩んでるな?)」
仗助「は、はい…そーなんすよね…。」
ベリー「にゃお(…そいつの名は葵…か。
葵を連れて来れば、葵が仗助を
どう思ってるのか占うことができるぞ?)」
仗助「えっ、で、でもよぉ〜…」
ベリー「にゃー(ハァ、ムードとかでも
求めてんのか?仗助…良く聞けよ?
そのままじゃあ一生恋に発展しねぇ!
良いのか?気持ちも伝えずに終わって…。)」
仗助「…分かりましたっす…。
腹括って、覚悟決めます!!
あ、葵さんは…俺の事好きじゃあないかも
知れませんけど…。」
ベリー「にゃお!(よし!その意気だ仗助!
俺は応援してるからな〜!)」
仗助「っす!!!」