※彼女(〇〇)目線!!(〇〇はあなたですよ(?))
左腕についている小さい液晶画面に目をやると23:07と表示されている。
こんな日々が2週間ほど続いていて、流石に限界がきていた。
そんな時に癒しを求めることは当たり前で。
気づいたら彼を求めていた。
“会いたい__________”
最後に余っている体力をふりしぼって足早に家路を辿る。
『おかえり〜お疲れサマンサ〜』
なんてふざけながら、いつものテンションで出迎えてくれて、大きい体で包み込んでくれる。
それが今の私の精神状態にはどの薬よりも効果があって。
いつもは鬱陶しさから、はいはいただいま~って軽くあしらっているんだけど、気づいたら悟に負けないくらい、ぎゅうっと力いっぱい抱きしめ返していた。
『・・・・・どーした?なんかあったか?』
私の異変を直ぐに察知した悟。
何も言えずにいると、そっと頭を撫でてくれた。それが、とても暖かくて、優しくて、心地よくて。私の涙腺は崩壊してしまった。
「うぅ・・・・・・・ぐずっ…・」
言葉にならない気持ちが涙になって流れていく。
頭を撫でてくれていた大きい手が、背中に移動して私の呼吸を楽にするようにリズミカルに動く。そして、悟が言葉を発した。
『僕ね、知ってるよ。』
『オマエが頑張ってること。』
『〇〇はさ、もっと僕に甘えていいんだよ。』
『そんで、僕にどろっどろに甘やかされて、僕なしじゃ生きていけないようになってほしいわけ。』
悟が居てくれるだけでいいのに、こんな思いを聞いて、崩壊した涙腺は大洪水を起こした。
『ははっ。泣かない泣かない。可愛い顔が台無しだよ~泣いてても可愛いけど。』「っ!???」
『ははっ。僕の可愛いお姫様っ♪』
なんてくさいセリフを恥ずかしげも無く言い放ち、ちゅっとほっぺに唇を落とすと、ひょいっと軽々しくお姫様抱っこしてリビングへと進み、優しくソファへ降ろしてくれた。
『とりあえず、飯食うか」
「・・・・・悟のオムライスが食べたい。」
『任せなさいっ♪デザートに出張のお土産もあるから♪』
ルンルンになりながらキッチンへと向かっていった。
そこからはもう至れり尽くせり。
いつの間にか疲れなんてどっかに飛んでってしまっていた。
ねえ、気づいてる?
もうとっくに悟なしじゃ生きられないこと。
これからもいーっぱい甘やかして。
私だけを。
fin.