涼ちゃんとそういった関係になりたい!と思ったところでまずはお友達にならなければ、と俺はもんもんとしていた。
大森くんはがんばれぇ、と応援する気のなさそうな言葉しかかけてくれないのだから、自分が動くしかない。
そんな時に訪れた音楽番組での共演に俺はチャンスを逃すまいと楽屋へ挨拶に行く。
「おはようございます!今日はよろしくお願いしま〜す!」
「おはようございます、よろしくお願いします。菊池さんごめんね、ちょうど元貴いなくって」
まさかの楽屋には藤澤さん1人で絶好のチャンス。
「いえいえ、俺、藤澤さんと話がしたいって思ってたのでちょうどよかったっていうか···隣、少しいいですか?」
「えぇ、僕?もちろんどーぞ」
にこっと微笑みながら椅子を引いてくれる。それにしても今日も可愛い衣装着てるなぁ···これ、大森くんの趣味だろ絶対、なんて思いながら隣に座る。
「その、ずっと藤澤さんとお友達になりたくって。良かったら仲良くしてほしいんですが、だめですか?」
じぃっと目を見つめながらお願いする。これで断られたはもう俺には後がないわけで、どうにかお願い!と心の中で祈る。
「えっと、僕でいいの?僕でいいならもちろん喜んで!嬉しいなぁ」
そういうとはいっ、と連絡先を交換出来るようにスマホを取り出して、良かったら名前で呼んでね、なんて笑顔を向けてくれる。
「ありがとう、嬉しい···俺も名前で呼んでね、えっと、涼ちゃん!」
「うん、風磨くん」
なんの躊躇もなく受け入れてくれたことが嬉しくてお礼を言って楽屋を後にする。
まずは食事に誘おう。なんならドライブデートとか夜景とか鳥とかうさぎとかも好きって情報があったからそういうところもいいかも、とニヤニヤしながら俺は自分の楽屋に戻った。
そのあとの番組収録ではずっと涼ちゃんを可愛いなぁ、と見つめていた。
収録終わりに大森くんに呼び止められる。
「風磨くん、涼ちゃんとお友達になったんだって?」
「ちょっと情報早すぎない?」
「楽屋帰ったら涼ちゃんが風磨くんが挨拶に来てくれてお友達になっちゃった、って報告してくれたよ」
ここのグループはなんでも筒抜け、もしデートなんか誘ったらそれもすぐに報告されてしまうのかと思うとちょっと恥ずかしい。
「まぁそういうことだから、見守ってて!」
収録後家に帰った俺は早速涼ちゃんにメッセージを送った。
『収録お疲れ様でした!良かったら友達になったし涼ちゃんのこと知りたいからご飯行きませんか?』
『お疲れ様でした。嬉しい、行きたいです!』
えぇ、可愛い。すぐ返事も返ってくるし、涼ちゃんは難しい、なんて言ってたけどそんなことないかも、なーんて俺は浮かれて予定を決めた。
会ったら何話そう?
本気のデートってどこに連れて行ってあげたらいいんだろう?
服は何着たらいい?
お店のリサーチや服装選びにあれこれと悩んで浮かれてその日はなかなか眠ることが出来なかった。
コメント
6件
💜くん、恋する感じが可愛いです🤭✨
行動早っ!ガンガンいくなぁ。