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流石と言うかなんというか、やっぱり一筋縄じゃいかない相手だなあ。
コメントありがとうございます、keiさんの風磨くんが好きすぎてなんだかお恥ずかしい···🥺
こ、小悪魔なりょさんだ……可愛いがすぎませんか……。
デート(と、俺は思っている)当日、車で涼ちゃんを迎えに行き、いい雰囲気の個室の居酒屋に向かった。
「迎えに来てもらってごめんね、ありがとう」
「ううん、全然!忙しいのにありがとね」
助手席に座っている彼を意識するだけでドキドキして、何を話せばいいか少し緊張してしまう。
「風磨くんこそ、忙しいでしょ、ありがとう。この車とってもカッコいいね〜」
やばい、このままどこまでも運転出来ちゃいそう。そう思いながらもお店について、俺は助手席のドアを開けて手を差し伸べる。
「あっ、ありがとう···風磨くんって本当にかっこいいね」
いきなりの褒め言葉でドキドキしてしまう。涼ちゃんは俺の手を取り車から降りると、なぜかその手を離さずに繋いだままにしている。
え、これって繋いでてもいいってこと···?
そっと手を引いたままお店へと向かう。それから個室に案内されて向かい合って座る時に自然と手が離れる。
メニューを見ていると覗き込みながら涼ちゃんが顔を寄せる。
涼ちゃんの隣に全く同じメニュー表があるというのに、だ。
「お酒飲みます?俺は運転だからあれだけど、良かったら」
「お酒はわりと好きだけど、風磨くん飲めないから···」
どうぞ飲んで酔って酔いまくってくれてもいい。新しい一面が知りたいし、きっと酔った涼ちゃんも可愛いはず。
強く勧めるとじゃあ、とお酒を嬉しそうに頼んでくれた。
料理も揃い、乾杯すると美味しそうに涼ちゃんはビールを飲んだ。
すぐに、顔が少し赤くなってるところが可愛いな、と思う。
しばらく色々な話もして、お酒が2杯目に差しかったところで少し恋愛の話題を振ってみた。
「そういえば、涼ちゃんって恋人とかいるんですか?」
「んふふ、いないよぉ。僕、ぜーんぜんモテないから」
そんなワケない、老若男女どんな人もこんな可愛い人を嫌いな人がいるもんか。
「いや、そんなことないです、こんな···可愛くて、音楽も出来て、優しくて、モテないはずない」
少し強く言うと驚きながら嬉しそうに笑う。
「風磨くんは?それこそすっごくモテるでしょ?カッコいいし、ダンスもできるし、歌も上手だし!」
「好きな人はいます」
「えぇ、そうなの?片想いってこと···?」
「うん···もし良かったら恋愛相談とか、聞いてくれませんか?」
「僕でいいの?恋愛経験は恥ずかしいけどほとんどなくって···本当に聞くだけになっちゃいそうだけど···」
涼ちゃんじゃなきゃ意味がない。
だってこんな人は俺にとっては初めてのタイプに等しいのだから。
「好きな人も···恋愛経験があんまりないみたいで。その人は···俺より年上で可愛くて優しくて動物が好きで、人の為にすぐ泣いちゃうような人なんです」
そう、目の前にいるあなた。
さすがにこれだけ言うと気付いちゃうだろうか?
「そうなの。じゃあ僕で良かったら聞くくらいは···僕も動物好きだし···」
全く自分かも、なんて気は無いみたいで腕を組んでうーん、と真剣に俺の話を聞いてくれる。
「良かった!ありがとうございます
」
「いえいえ···あっ、じゃあ代わりに敬語は無しにしよ?その方が相談しやすいだろうし、ねっ?」
そう言うと俺の頭をぽん、と撫でてくれる。
「風磨くん、顔赤い?だいじょうぶ??」
「だっ、だいじょうぶ···」
不意打ちで頭ポンポンされて思わず照れてしまった。
食事が終わり、年上だから払うよ、という涼ちゃんに誘ったのは俺だからって出させて貰い、車で家まで送り届ける。
「風磨くん、今日はありがとう、ご馳様でした。次は僕が誘うね、おやすみなさい」
「楽しみにしてます。おやすみなさい」
「帰り気をつけてね」
ぎゅっ。
そう言うと軽くハグされて涼ちゃんは車から降りてぺこっと頭を下げて手を振ってくれた。
俺も手を振り返すともっと大きく手を振ってくれる。
どうしよう。車を走らせながらドクドクといつもより速まった鼓動がなかなか落ち着かない。
帰り際のハグや頭をポンポンされたこと。 距離感の近さや手を繋いでくれたこと。たぶんあれ全部、無意識で自然にやってる。
俺のことをなんかちっとも意識してないのにあんなことして、けど俺からの好意になんて1ミリも気づいていない。
好きになって貰うどころか更に好きになったのは俺だけで、少し苦しい。
大森くんの涼ちゃんは難しいと思う、の意味が少しわかった気がした。