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第2話 - 💙❤️　ホテル

2025年10月24日

#BL

#二次創作

#短編集

#nmmn

#🍏

あまね

mtk side

地方ライブの夜。

打ち上げも終わり、僕たちはホテルに戻ってきた。

「えーと……すみません、本日お部屋の予約が一部屋分、手違いで…」

ロビーでスタッフさんが申し訳なさそうに頭を下げた。

ryoちゃんはすでに自分の部屋の鍵を受け取っていて、「じゃあおやすみ〜」と軽く手を振って去っていく。残されたのは、僕とwki。

「……どうするの？他に空いてる部屋ないって言ってたけど」

「うーん……ま、いっか。俺、mtkと一緒の部屋でいいですよ！」

wkiのあっけらかんとした一言で、スタッフさんが一気にホッとした顔になる。

いや、そうじゃないんだってば。

僕の心の中では警報が鳴り響いていた。

部屋に入ると、ツインベッドが2つ並んでいた。とりあえずそれぞれのベッドに荷物を置く。

「いや〜、やっぱり遠征って疲れるね〜。でもライブ最高だったし、温泉でも入りたかったな」

「……wki、テンション高いね」

「元貴がいるからね？」

さらっとそんなこと言うな。

付き合いたてで、まだ手もまともに繋いだことないし、キスの先もしてないないのに。

そんな距離を一瞬で飛び越えるようなセリフ、心臓がもたない。

「う、うるさい…！」

「お、照れてる？かわいい〜」

その「かわいい〜」が本当に子犬を見るトーンで言われるのが、さらにムカつく。

僕が何か言い返そうと口を開くより早く、wkiはベッドにダイブした。

「ふぁ〜、ふかふか〜！ねぇ、こっちのベッドの方が広いよ、mtkもこっち来る？」

「やだよ。なんで同じベッドで寝なきゃいけないの」

「いや〜、恋人なんだしさ？」

「“なんだしさ”って軽っ！！」

僕は慌てて背を向けた。

本気なのか冗談なのか分からない。たぶん半分冗談で半分本気。 wkiってそういう人だ。

しばらくして部屋は静まり返り、微かに空調の音だけが聞こえる。

僕は自分のベッドで寝ようとした……のに。

「ねぇ、mtk〜」

小声でwkiが呼ぶ。

「……なに」

「ベッド、冷たい」

「知らないよ！」

「……ねぇ、一緒に寝よ？」

「やだって言ってるでしょ！」

「え〜。俺、寝れないかも〜。mtkいないと落ち着かない〜」

「知らないっ！」

「怖い夢見たらどうするの〜？」

「そんなの見ないでしょ！」

「mtkと離れてると、寂しくてさ〜」

この言葉に、僕の心臓が変な音を立てた。

暗闇の中でもわかる。頬が熱い。ああ、もう勝てない。

「……もう、…いいよ」

「やった〜！」

ドサッと隣に飛び込む音。 wkiの体温が近い。近すぎる。シャンプーの匂いがふわっと鼻をくすぐる。

「近い近い！くっつかないで！」

「いや、ベッド狭いし？」

「十分広いでしょ！」

「でもさ……mtkが逃げようとすると、俺の方が寝づらい」

「知らないよ！」

「じゃ、こうやって押さえとこっか」

僕の肩に、wkiの腕がかかる。

ギュッ、と。圧倒的“彼氏感”である。

「お、おい、重いってば！」

「重くないし〜。筋肉の重さだ」

「筋肉でも重いのは重い！」

「……ねぇmtk、動くと余計抱きしめたくなるよ？」

「やぁだ！」

ベッドの上での小競り合い。

たぶん隣の部屋にはギシギシ音が漏れてる。誤解されるだろこれ。

「ふふ、やっぱmtkって反応おもしろいね」

「どこが！」

「全部。付き合いたて感、めっちゃ出てるし」

「wkiが勝手にからかってるだけでしょ……！」

「え〜、でもさ、俺から見たらmtk、すっごくかわいいよ」

そう言って笑うwkiの顔が、暗闇の中でぼんやり見えた。優しくて、ちょっといたずらっぽい目。

その目に見つめられると、何も言い返せない。

「……もう、寝る」

「はーい。おやすみ、mtk」

一拍置いてから、wkiの声がもう一度。

「こうやって隣で寝れるなんて、なんか夢みたいだな」

その言葉は、いつもの軽口じゃなくて、少し真剣だった。僕は返事をしなかったけど、心の中で小さく笑った。

そして、肩に乗る腕の重みを感じながら、ゆっくりとまぶたを閉じた。

翌朝。

目を覚ますと、wkiが僕の髪に顔をうずめたまま寝ていた。

「……お〜い、起きてwki」

「ん〜……mtkの髪、いい匂い……」

「バカ、やめろっ！」

「朝から照れんなよ〜」

あぁもう、この人は朝からフルスロットルだ。でも、不思議と悪い気はしない。むしろ、心の中があたたかくなる。

多分、これが“付き合いたて”ってやつなんだろう。落ち着かなくて、照れて、笑って、ドキドキして。

まだ全然慣れないけど、それも悪くない。

「地方遠征二日目、今日もがんばろう」

僕はベッドから飛び起きて言うと、wkiがニヤッと笑った。

「うん。今日もmtkと一緒だから、最強だね」

「……もう、ほんとそういうとこだよ」

呆れたように言いながら、つい笑ってしまった。

結局、wkiには勝てそうにない。

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あまね

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