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規則的な時計の音が聞こえる。
いつも同じ速度で進む時計の針が昼に比べて早く聞こえる。
まるで早く寝ろと急かすように。
25時。
この時間に起きてるのは仕事に押しつぶされる社会人と
ネットに生きる社会不適合者の人間くらいだろう。
不登校となってからどうも寝付けなくなり、
時間つぶしにと始めた誰しもがつぶやくことの出来るSNSサイト。
タイムラインは今も過剰なくらいに動いている。
「夜になると嫌なことばっか思い出して死にたくなる。」
「夜の暗闇に消えてしまいたい。」
そんな本当に思ってるのか嘘なのか曖昧な承認欲求に満ちたツイート。
その中から僕のお目当てのツイートを探す。
25時ぴったりにあげられるツイート。
「あった。」
それは1枚のイラストだ。
創作キャラであろう男の子が街頭の下にたっているだけの構図。
ぼくときみだけのスポットライト。
作品に添えられるようにツイートされた言葉。
それを見て僕はひとつの短編小説を書き上げる。
感じたことを忘れないように。
完成した小説は読むに値しないような出来だがそれでも僕は、
それを一人の女性に読んでもらうため、家を出る。