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2025年12月22日_
元貴 side …
雲一つない晴天。後ろからは、鳥の鳴き声が聞こえる。時刻は14時。俺は今、片手には用意した花を持ち、若井の墓参りをしに向かっている。
「…若井、喜んでくれるかな笑」
墓参りに行くのもいつぶりだろう。若井が死んでしまってすぐの頃は、毎日のように涼ちゃんと若井の墓参りに来ていたが、仕事の予定などが募っていくばかりで、いつの間にか来ていなかった。
「さっむ」
相変わらず外は寒い。耳に触れる風がいちいち寒くて、両肩を上げる。吐息も全て白くなる。体の体温を上げるため、だんだん早歩きになり、いつの間にか小走りになっていた。
「はぁはぁ…着いた」
小走りしただけでも肩で息をしてしまう。俺、どんだけ体力無いんだよ。運動はできないわけではないが、やはりもう歳なのだろうか。体力も無くなってきている気がする。若井は28歳で年齢は止まってるのかな。じゃあ俺、若井より年上になっちゃったのかな。くだらないことを考えながら、若井の墓の前まで歩く。
「久しぶり、若井」
若井の墓石に優しく触れる。どうやら最近誰かが墓参りに来ていたようで、墓石は綺麗なままだった。俺は花筒から古い花を取り出し、新しく買ってきた花を入れる。
「…若井らしいかも笑」
俺は花を入れた花筒を元の場所に戻し、1度身を引いて全体像を見てみる。俺が買ってきた花はライラックだ。普通、墓参りにライラックはあまり選ばないだろう。だが、調べてみると別に墓参りに悪い訳ではなかったので、この花にした。特に深くは考えていないが、若井のギターソロが目立つ楽曲「ライラック」からライラックの花を選んだ。
ライラックの花を見て、ライラックのデモを渡した時の若井の顔を思い出す。初めてライラックのデモを聴いた若井は、新曲でキラキラした瞳から段々と光が消えていくのがよく分かった。そのあと何回も「ほんとに俺これ弾くの?」「ほんとにギター?」と何度も聞いてきた。
「…ふふっ」
思い出すと笑いが込み上げてきた。俺は若井の幸せそうな笑顔も好きだけど、子供みたいに純粋に驚いてる顔や、怖がってる顔も好きだ。こういう言い方すると、ただの性格悪いやつみたいになっちゃうのかな。まぁ性格悪いのは否定できないかも。
俺は家から持ってきた線香の束から1本取り出し、ライターで火をつけ、香炉に入れる。そして目を瞑り、胸の前辺りで両手を合わせる。優しい風の音と鳥の鳴き声が心地よい。
「…また来るね」
俺は最後にもう一度だけ、若井の墓石を撫でるように触れて、その場を後にした。
昨日更新しましたっけ…?
最近忙しすぎて
もう記憶が飛んでおります😇
あと数話で指で数えられる程の数で
最終話だ…
あっという間ですね😢
ちなみにただいま新しいお話を
書いております!!!
ボツ作になるかはまだ分かりませんが、
楽しみにしていてもらえると
嬉しいです🙌🏻💘
ではまた次のお話で^^