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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

117 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.4 「それは、不意なサプライズ」①

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2025年03月27日

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──忙しい彼からの連絡はいつも間隔が空くことが多くて、とても待ち遠しかった。


だからその日、着信画面に久我 貴仁の名前を見つけて、私はスマホに飛びついた。


「……君か。連絡が遅くなって、悪いな」


「いえ、そんな、全然悪くなんて……」スマホを耳に押し当てたまま首を振って、「待っていたから、うれしいです」と、心待ちにしていた気持ちを伝えた。


「待っていてもらえて、私もうれしい。実は今日は──、」と、彼が切り出す。


「君に話があって、電話をしたんだ」


「……話、ですか?」


話って一体何だろうと思う。


「うん……その、だな……」


言いづらそうに口ごもる彼に、もしかして以前のようなトラブルが再び起きて、またしばらく会えなくなるというようなことじゃなければいいな……と、ふと勘ぐった。


「ああー……っと、話しにくいな……」


通話口から、深いため息がこぼれてくる。


「あの……、どんなお話で……?」


さすがに様子が気になってきた私に、


「そう、だな……」


とだけ、彼は曖昧な頷きを返した。


「……すまない。うまくは言えそうにないから、要件のみを伝えておく」


そうして、やや早口にそう告げると、


「明日の土曜日に、見てほしいテレビ番組がある」


と、ごく手短かに話した。


「……テレビ番組、ですか?」


やっぱり仕事絡みで何かがあって、それが番組内で告知されるのかなと、さらにうたぐってしまう。


「ああ、番組名と時間、局などの詳細は後でSNSに送るから。……話は、その、それだけだ」


相変わらず歯切れの悪い言い方をして、


「また会う時間は、その後で作るから」


と、彼は申し訳なさそうにも付け加えた。


「あっ、はい。では見てみますね」


わけもよくわからなくて、もやもやとしたままで返事をした。


「うん、それじゃあまた、連絡する」


どこかそそくさとした様子で、電話が切られて、本当にどうしたんだろうと考えてみるけれど、あまり見当もつかなくて、やっぱり明日を待つしかないように思うと、も言われぬ緊迫感が押し寄せてきた……。

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