コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
気になって仕方がなくて、たいして何も手につかないまま、今日はもう早く寝てしまおうと思う。
ベッドにもぞもぞと潜り込むと、
(悪い話じゃなかったら、いいな)
そうまた頭に浮かんできて、
(ううん、そんな風に気にするのはよそう)
頭の中のネガティブな考えをぶんぶんと振り払った。
明日になれば、答えはわかるんだもの。だからもう、すぐにでも寝ちゃうに限るよね。
もう一度、自分にそう言い聞かせると、なんにも考えないよう毛布をすっぽりと頭から被って、私は瞼を閉じた──。
翌日、私は洗顔を済ませ、髪を艶が出るまでブラシで梳かして、出かけるわけでもないのにお気に入りの服に着替えると、番組が始まる前からテレビの前で待った。
何だろう……。何があるんだろう……。
気持ちがそわそわとして、ちっとも落ち着かない。
ようやく時間になり、伝えられていた番組が始まる──。
貴仁さんは、いつ出てくるんだろうと思うだけで、内容はちっとも頭になんて入ってこなかった。
「……それでは続きまして、話題のKOOGAの新社長へ、インタビューのコーナーです」
わぁー、いよいよだ……。
ドキドキするあまり手に汗がじんわりと沁みてきて、思わずグッと手の平を拳に握りしめた。