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「仁ちゃんって、お兄ちゃんみたいやな」
仕事終わりの楽屋。
舜太が笑いながら言った。
その瞬間、手に持っていたペットボトルを机に強く置いた。
「……は?」
思わず聞き返した。
「だって、いつも俺のこと見てるやん」
「…メンバーだからな」
いつものように返す。
本当は、それだけじゃない。
舜太が疲れていたら気づく。
いつもより静かなら気になる。
ちゃんと食べたか、ちゃんと眠れているか。
気づけば、そんなことばかり考えている。
でも、それを言うつもりはない。
「それだけちゃうよ」
舜太は笑いながら口を開く。
「俺が元気ないとすぐ気づくし、」
「困ってたら助けてくれるし、…」
「…別に、普通だろ笑」
「あと、歌の練習も付き合ってくれたし!」
「それは、舜太が頼んできたからだろ」
「それでもやん!」
舜太が嬉しそうに笑う。
その顔を見ていると、何も言えなくなる。
「せやから、仁ちゃんってお兄ちゃんみたい」
「…そうだ!俺のお兄ちゃんになってよ」
…お兄ちゃん。
その言葉だけが、俺の頭に残った。
「…まあ、いいけど」
そう言うしかなかった。
本当はよくない。
お兄ちゃんが嫌なわけではない。
そんなふうに思われてたことが嫌なんじゃない。
むしろ、逆だ。
舜太にとって、安心できる人なら嬉しい。
でも。
「これからもよろしくな、お兄ちゃん!」
「……」
「仁ちゃん?」
「…その呼び方、やめて」
「え、なんで?」
言えるわけがない。
お兄ちゃんじゃなくて、もっと特別な関係になりたい
なんて。
「なんでも」
それだけ言って、顔を逸らした。
少しして、舜太が隣に座った。
肩が触れそうなくらい近い距離。
「じゃあ…仁人?」
「それでいい」
「ふふ、呼び捨てやけどな笑」
舜太がまた笑った。
その笑顔を見て、毎回思う。
……ずるい。
そんな顔をされたら、また何にも言えなくなる。
翌日の仕事終わりだって。
「仁ちゃん、」
「ん?」
「今日も話、聞いてくれる?」
少しだけ弱った声。
俺は迷わず答えた。
「もちろん」
「!ありがと」
舜太が安心したように笑う。
「…やっぱ仁ちゃんって、ほんま優しいよなぁ」
「…だから、そういうの簡単に言うなって」
「なんでよ〜?」
「……知らない」
本当は知ってる。
俺だって気づいてる。
舜太が無邪気に俺に頼ってくれる度、嬉しくなる。
でも同時に、少し苦しくなる。
俺にしか見せない顔があるのなら。
俺にしか話せないことがあるのなら。
いつかそれを、「お兄ちゃんだから」じゃなくて、
「俺だから」って思ってくれればいいのに。
そんなことを思いながら、俺は隣にいる舜太を見た。
今はまだ、この距離でいい。
舜太が俺を信頼してくれてるなら、
それだけでいい。
そう思おうとした。
けれど。
「仁ちゃん、また明日もな」
「…うん」
その一言が嬉しくて。
やっぱり、もう少しだけこのままでいたいと思った。
コメント
1件
うわああああもうこの仁ちゃんの心情描写が尊すぎる!!😭💕💕「お兄ちゃん」って呼ばれるたびに切なくなるのに、それでも隣にいてあげる姿がもう…「お兄ちゃんだから」じゃなくて「俺だから」って思ってほしいって気持ち、完全に恋やん??!!笑 舜太くんの無邪気な笑顔に毎回やられちゃう仁ちゃんが愛おしすぎて胸がギュッとなる🥺💖 続きめっちゃ気になる!!早く仁ちゃんの想いが届きますように〜〜!!🌸
#そのじん
RSZzzzz
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