煙草の匂いが漂う部屋
その部屋には光ひとつ差し込んでおらず、真っ暗
そんな部屋で私は、ビールを飲んで、煙草を吸ってを繰り返していた
酒は飲めば飲む程、色んなことを考えなくて済むから楽
「久しぶりに外出るか」
久しぶりに外の空気を吸い、雨の生ぬるい匂いを嗅いだ
雨が降っているが、傘なんて持ってないからそのまま家を飛び出した
アパートの階段を降り、ずぶ濡れになりながらどこかへ向かう
歩いている先に、雰囲気のいい居酒屋を見つけた
まだ昼だが、入ってみようか
「あ、金ねぇーわ」
だからといって家へ戻ることも無く、歩き進めていく
だんだんと雨の降る勢いが強くなってきた頃、ある男が歩いてきた
そいつは、私の目の前で立ち止まった
「何?」
「寒くねぇの?」
「あぁ~、こんな下着みてぇな服着てるから?」
私はこんな雨が降って寒い中、黒いキャミソールだけを着ていた
ただの体目当ての変態男かと思って、睨んでやった
「何?」
「どけよ変態男」
「はぁ?」
「お前、煙草臭」
「女が煙草はおかしいか?」
「そんなこと言ってねぇし、俺」
「じゃ、私は家に帰る」
「あんたと喋れて楽しかったよ、変態男」
「うっさ、笑」
久しぶりに人と喋ったから、自分ってちゃんと人間なんだなと感じた
なんか、変だな私
家に着いたらアパートのギシギシなる階段を昇って、自分の部屋に入る
部屋に入ると、また真っ暗
そしてまた、ビールの缶を開けて、一気に飲む
「あぁ~、美味い」
ろくにご飯も食べてない
いつもビール、コンビニの弁当、煙草しか体内に入れてない
水だって、家にすらないし
米なんて、炊飯器がないから炊けないし
はぁ、これでいいのかな私
時々、そんなことが頭をよぎる
コメント
3件
ダメ女感が最高すぎる😇😇